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軽駆逐戦車ヘッツァー : ミニ英和和英辞書
軽駆逐戦車ヘッツァー[けいくちくせんしゃへっつぁー]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [けい]
  1. (n,pref) light 
駆逐 : [くちく]
  1. (n,vs) extermination 2. expulsion 3. destruction 
: [いくさ]
 【名詞】 1. war 2. battle 3. campaign 4. fight 
戦車 : [せんしゃ]
 【名詞】 1. tank (military vehicle) 
: [くるま]
 【名詞】 1. car 2. vehicle 3. wheel 
: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

軽駆逐戦車ヘッツァー : ウィキペディア日本語版
軽駆逐戦車ヘッツァー[けいくちくせんしゃへっつぁー]

38式軽駆逐戦車ヘッツァー(けいくちくせんしゃヘッツァー)は、第二次世界大戦時のドイツ駆逐戦車。ドイツ語では Jagdpanzer 38(t)と呼ばれる。制式番号は Sd.Kfz.138/2 。ヘッツァー(独:Hetzer, 狩りの勢子)というニックネームは本来、次世代軽駆逐戦車であるE-10計画用のものであったが、いつの間にか本車のものになっている。
== 概要 ==
もともとはIII号突撃砲を生産するベルリンのアルケット社工場が爆撃され生産停止に陥った際、ドイツ陸軍最高司令部から、チェコのBMM社に同突撃砲の生産が代行できないかと打診されたのが開発のきっかけであった。1943年12月6日、BMM社には重量24トンの突撃砲を持ち上げ移動できる機材や組み立てスペースが無く、より小型の車輌しか生産できないと報告されたアドルフ・ヒトラーは同月17日に、新たに提案された38(t)n.A.戦車のコンポーネントを使う13トン級軽突撃砲(後に小型駆逐戦車)を生産することに同意した〔軽突撃砲として開発が始まったものなので本来は砲兵科で運用されるべきものであったが、ヘッツァーを配下の機甲科で運用したいグーデリアンの主張が勝ち、軽駆逐戦車に区分が変更された。〕。
設計だが、38(t)戦車の設計を基にしているため、従来型の38(t)の足回りを流用と言う間違った解説が多いが、実際は、BMM社は38(t)戦車の発展型であり、II号戦車L型ルクスとの競争に敗れ不採用となった「新型38(t)戦車」(38(t)n.A. = neuer Art 軽偵察戦車)の足回りを流用した設計である。それに転輪の直径(775mmから825mmへ)や起動輪の歯数(19から20へ)、誘導輪の形や直径(535mmから620mmへ)、履帯のパターン・幅(290mmから305mmへ)、シャーシのサイズなどが異なっており、従来型の38(t)の流用とは言えない。
他にも、リーフスプリングサスペンションは、38(t)系自走砲専用車台と同じ7mm厚板バネ16枚のタイプであるが、ノーズヘビー気味であったため1944年9月から前半部は9mm厚のものに変更された。この足回りに新設計のシャーシ、傾斜した装甲を持つ戦闘室と48口径の75ミリ対戦車砲7.5 cm PaK 39)を搭載した軽駆逐戦車がヘッツァーである。
本車は安価(54,000ライヒスマルクIV号戦車の半額に近い)で生産性も意識され、最優先事項とされたこともあり、わずか4ヶ月で設計を終えた。そして実物大木型模型すら完成していない1944年1月18日の段階で1,000輌が発注され、後に月産1,000輌が目標とされたが、1年足らずの生産期間で完成したヘッツァーはBMM社で2,047輌(回収戦車型やシュタールを含む)以上、シュコダ社で780輌以上だった。
ヘッツァーは実質的に戦車ではなく、厚い前面装甲〔1944年10月5日のドイツ兵器第一課の報告書によると、クロムウェル・チャーチルMk.III・M4A2(75)の75mm戦車砲はヘッツァーの前面を射貫できず、M4A3(76)・T-34-85もヘッツァーがそれらを撃破できる距離より近づく必要があり、IS-2の122mm砲だけがヘッツァーの有効射程外から前面を射貫可能であった。〕〔ヒラリー・ドイル/トム・イェンツ「38式駆逐戦車ヘッツァー 1944-1945」 大日本絵画〕と気休め程度の側・後面装甲に囲まれ、自走能力を持った対戦車砲にすぎない。それでも、傾斜装甲を取り入れ、防御力もいくらか向上させようと努力はしているが、この代償として、戦闘室内は大変狭く、また主砲が中心線を外れて装備されている関係で重量バランスも悪く、さらにエンジン出力が低く履帯の幅が狭いこともあり、重量やサイズから連想されるほど路外機動性は良くなかった〔運用部隊からは、(路外での)速度が遅すぎて偵察任務には使えず、また完全機械化された機甲師団に追従して行動できない、と報告されていた。〕〔。実際、車内レイアウトの関係上、車体右側が死角となり、他の乗員と隔離され後方に位置する戦車長〔ヘッツァーは当初から主砲が後座しない"シュタール"型として生産され、戦車長はその真後ろに配置されるはずであったが、実際にはPaK39搭載となったため、やむなく他の乗員から離れた位置に変更された。〕からの前方視界は悪く、車内の狭さと合わせ、当時の乗員からの評判は良くなかった。この死角が原因で、個々に攻撃支援など行おうものなら弱い側面〔主砲のオフセット搭載のため射界、特に左側が狭く車体全体を動かして狙うこととなり、敵側に弱い側面を曝し易いのも欠点であった。〕を突かれてたちまち撃破され、初陣であるワルシャワ蜂起市街戦でも、ポーランド国内軍兵士の火炎瓶攻撃により失われている〔乗員は一名のみが脱出に成功、焼けた外見のわりに再生可能であったことからポーランド国内軍の装備となるが、出撃前に爆撃により瓦礫に埋もれ、戦後また修復されてポーランド陸軍博物館の展示物となった。〕〔高橋慶史 「バトル・オブ・カンプグルッペ(アーマーモデリングVol.81 連載記事)」 大日本絵画〕。敵戦車を待ち伏せ小隊単位で互いの死角を補い合い、単一の敵に集中砲火を浴びせ確実に仕留めていく「」戦術こそが正しい本車の戦法であり、機動防御に本領を発揮した〔最初に配備された部隊での報告をとりあげた1944年10月の「戦車部隊ニュース」では、少なくとも小隊単位で運用すべきであり、ある防御戦闘では損害皆無で20輌の敵戦車(IS-2含む)を撃破したとある。〕〔。
本車はドイツ陸軍の軍直轄戦車駆逐大隊、歩兵・国民擲弾兵師団の戦車駆逐中隊、武装親衛隊の装甲擲弾兵師団に配備されたほか、75輌がハンガリー軍に供与されている〔1944年7・8月、ルーマニアに対し購入したレアメタルの対価として計30輌のヘッツァーが引き渡される予定であったが、ドイツ軍向けですら不足していた時期であったため、結局行われなかった。しかしハンガリーには12月中に25輌ずつ三回に分けて鉄道輸送され、ドイツ南方軍集団の一翼として突撃砲大隊(隊によってはズリーニィと混成)が編成され、東部戦線で戦った。〕〔。
軽駆逐戦車としての性能や運用については評価が分かれるものの、少なくとも、III号突撃砲の代替品あるいは後継という点では成功したと言える。戦後もドイツ軍向けだった生産ラインを用いて(多くはドイツで生産されていた、遠隔操作ではなく車内から直接操作される『リモコン機銃』の在庫が足りず装備していなかったが)ST-Iの名で150輌が追加生産され、非武装の訓練型ST-IIIも50輌が作られた。
1946年にはスイス陸軍がG-13の名で採用〔1945年末にスイス側からヘッツァー購入希望の打診があり、翌年2月末にシュコダ社がドイツ軍向けヘッツァーから改造したG-13試作車が、スイス軍関係者に披露された。第一生産ロットは大戦中にドイツ軍向けに製造されたパーツから組み上げられたものだが、主砲はStuK40に変更されていた。〕、チェコでは主砲であるPaK39が生産されていなかったため、代わってIII号突撃砲用のStuK40が装備され、同時に車内レイアウトや乗員配置を改善、戦車長と装填手の配置が入れ替わっている。外見的には主砲のマズルブレーキがあり、上部のリモコン機銃の代わりに装甲カバー付き旋回式ペリスコープを装備、またスイスオリジナルのMG-38用対空銃架を装備したものもあり、さらに側面に搭載された予備転輪と予備履帯により、ヘッツァーとの識別は容易である。シュコダ社により1950年までに158輌が作られ、戦争映画ではヘッツァー役で登場することもあり〔映画『合衆国最後の日』『ハノーバー・ストリート』『ザ・ロンゲスト・デイ』では、マズルブレーキを付けたままのG-13が登場している。〕、また博物館にある稼動ヘッツァーとされる物の一部には、G-13の外見をヘッツァー風に改造したレプリカもある〔ベルギー王立軍事博物館(案内板に表記されている)やムンスターのヘッツァー等はG-13改造と言われ、また個人所有で同様のレプリカヘッツァーも存在する。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「軽駆逐戦車ヘッツァー」の詳細全文を読む




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