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菅井一郎 : ミニ英和和英辞書
菅井一郎[すがい いちろう]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [い]
 【名詞】 1. well 
: [いち]
  1. (num) one 

菅井一郎 : ウィキペディア日本語版
菅井一郎[すがい いちろう]

菅井 一郎(すがい いちろう、1907年7月25日 - 1973年8月11日)は日本俳優映画監督
サイレント期から戦後にかけて300本を超える映画に出演し、名脇役として活躍。溝口健二新藤兼人吉村公三郎らの作品に多く出演している〔20世紀日本人名事典「菅井一郎」の項 〕。戦中に俳優集団・第一協団を結成しており、戦後には2本の監督作を発表している。
==来歴・人物==
1907年(明治40年)7月25日京都府京都市六波羅に生まれる。7歳の時に父と死別し、父方の叔母のもとで育った〔『日本映画俳優全集・男優篇』p.285-286〕。子供の頃から活動写真の大ファンで、小学校5年の時に尾上松之助を訪問したこともあった〔。旧制京都中学校を中退後、鈴木伝明の書生を経て〔『志賀直哉全集 第16巻』p.138〕、1925年(大正14年)に日活大将軍撮影所に入社。同年『貧者の勝利』に中国人ギャングの子分役で出演して映画デビューした〔。
舞台歴もなかったため、映画館に通い、コンラート・ファイトなどヨーロッパの映画俳優の演技を勉強しながら、村田実監督『街の手品師』や内田吐夢監督『競争三日間』などに端役で出演〔。そののち徴兵で2年間兵役につき、除隊後日活太秦撮影所に復帰。1931年(昭和6年)、内田監督『ジャン・バルジャン』にジャベール警部役で出演〔、筈見恒夫から「水際立った好演」と評され、出世作とした〔。
1932年(昭和7年)、入江ぷろだくしょんの創立に参加し〔〔『日本映画俳優名鑑 昭和九年版』p.148〕、同社第1作の『満蒙建国の黎明』で入江を助演。続いて溝口健二監督の『瀧の白糸』で高利貸しを演じて認められた。1933年(昭和8年)、入江プロの提携先である新興キネマ太秦撮影所に移籍。1934年(昭和9年)には村田実らと東京撮影所に移り、溝口監督『愛怨峡』、村田の遺作『新月抄』等に出演。1937年(昭和12年)、私淑する村田と妻が死去するという痛手を負うが、水谷浩の薦めで絵筆を持つようになり、生涯の趣味とした〔。
1939年(昭和14年)、新興現代劇部の革新を目的に清水将夫河津清三郎らと水曜会という研究会を結成するが、会社側はそれを受け入れなかった為、1940年(昭和15年)に彼らとフリーランスの俳優集団・第一協団を結成して新興キネマを退社〔〔『日本映画俳優全集・男優篇』p.277〕。南旺映画製作の『南風交響楽』出演後、豊田四郎監督『小島の春』で一代の名演技を見せ、後に自伝で「演技開眼した」と書いている〔『映画わずらい』〕。1942年(昭和17年)、第一協団ごと東宝と契約を結び、黒澤明監督のデビュー作『姿三四郎』などに出演。
戦後の第一協団再建後はフリーとして各社の作品に出演。五所平之助監督『面影』の老博士役、小津安二郎監督『麦秋』の老父役など、四十代そこそこという年齢のわりに枯れた芸風を見せており〔、名脇役として名だたる監督から起用された。その中でも溝口健二監督作品には戦前期から常連出演しており、計15本の監督作に出演している。1949年(昭和24年)公開の『わが恋は燃えぬ』の撮影中には、溝口から「君は脳梅毒です!医者に診てもらいなさい」と言われスリッパで殴られたというエピソードがある〔〔佐藤忠男著『溝口健二の世界』p.275〕。また、1950年代新藤兼人監督作品の殆どにも出演しており、計11本の出演作がある。新藤の盟友である吉村公三郎監督作品にも連続出演しており、ほか黒澤明、市川崑監督作品にも多く起用されている。
やがて監督業にも進出し、1954年(昭和29年)に『泥だらけの青春』、1957年(昭和32年)に『フランキーの宇宙人』を発表している。1960年代からはテレビドラマにも活躍の場を広げている。
1973年(昭和48年)8月11日午前11時45分、心不全のため東京女子医科大学病院で死去〔『キネマ旬報 第612~613号・第615~616号』p.162〕。66歳没。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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