翻訳と辞書
Words near each other
・ 細胞表面マーカー
・ 細胞表面抗原
・ 細胞親和性抗体
・ 細胞親和抗体
・ 細胞解離
・ 細胞解難
・ 細胞記憶
・ 細胞診
・ 細胞診(断学)
・ 細胞診専門医
細胞診断
・ 細胞診検体
・ 細胞診標本
・ 細胞認識
・ 細胞説
・ 細胞質
・ 細胞質アラニルアミノペプチダーゼ
・ 細胞質ジペプチダーゼ
・ 細胞質ゾル
・ 細胞質フィラメント


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

細胞診断 : ミニ英和和英辞書
細胞診断[さいぼうしんだん]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [だん]
 【名詞】 1. failure 

細胞診断 : ウィキペディア日本語版
細胞診断[さいぼうしんだん]
細胞診断(さいぼうしんだん)とは、細胞診検体を顕微鏡で観察し、異常細胞(異型細胞)等を検出することにより、病変の有無や病変部の病理学的診断や臨床診断を求めるもの。臨床検査の1分野であり、病理診断のひとつ。
細胞診(さいぼうしん)や細胞診検査(さいぼうしんけんさ)とも呼ばれるが、この場合は細胞検査士が行う検体検査病理学的検査という意味が含まれている。細胞診検査の結果に基づいて臨床医が判断する。異常細胞が見つかった場合は細胞診専門医病理専門医病理診断として報告する施設もある。
*細胞診検体は採取が比較的容易、患者負担が少ない、特徴所見がある場合は病理組織診断に匹敵する確定診断を得ることができるなどの利点がある。がん検診や腫瘍診断等を目的に頻繁に行われている。
*細胞診(cytology)は剥離細胞診(exofoliative cytology)と穿刺吸引細胞診(aspiration cytology)に大別されている。剥離細胞診は子宮頸部、膀胱など臓器表面から剥離した細胞を採取して調べるものであり腫瘍性病変有無のふるい分け(screening)等に用いられる。穿刺吸引細胞診は病変部に針を刺して吸引して得られた細胞を調べるもので、針先が病変部に達し新鮮な細胞が得られた場合は病変部の良性悪性等について推定することができる。

==細胞診断の判定基準==

細胞診検査結果を表すために従来はClass分類(パパニコロウ分類)が用いられてきた。近年は臓器毎に細かく定義された判定基準が用いられるようになってきており、Class分類は用いられない傾向にある。日本では細胞診検査または細胞診断の判定基準は各臓器の癌取扱い規約(金原出版)で定義されたものが用いられることが多い。臓器の特性や過去の症例を研究・解析した上で、臓器ごとに細胞診断の判定基準が決められ、利用されている。
*子宮体癌取扱い規約(1996年3月 改訂第2版)
:子宮腔内からの細胞採取法について記載があるのみで、判定基準の記載はない。
*子宮頚癌取扱い規約(1997年10月 改訂第2版)
:日母分類とベセスダシステムが記載されている。日母分類ではクラスI、II、III、IIIa、IIIb、IV、Vが定義されている。クラスIVは上皮内癌、クラスVは浸潤癌(微小浸潤癌を含む)を想定する、となっている。ベセスダシステムは標本の適否、総括診断、記述的診断の3つのパートから構成されている。
*胃癌取扱い規約(1999年6月 第13版)
:腹腔細胞診について記載がある。結果はCY0(陰性)、CY1(陽性)またはCYX(実施せず)として記載される。suspicious malignancy(悪性疑いの意味)はCY0(陰性)。
*膀胱癌取扱い規約(2001年11月 第3版)、腎盂・尿管癌取扱い規約(2002年10月第2版)
:評価は陰性、疑陽性、陽性の3段階を用いる。ClassI、IIを「陰性」、IIIを「疑陽性」、IV、Vを「陽性」と評価することになっている。
*肺癌取扱い規約(2003年10月 改訂第6版)
:(1)「陰性」 (2)「疑陽性」 (3)「陽性」の3つの区分を用い、Class分類は使用しない。標本上に組織球が認められない場合は「判定不能材料」とされる。
*乳癌取扱い規約(2004年6月 第15版)、甲状腺癌取扱い規約(2005年9月 第6版)
:判定区分と所見の2項目から構成されている。判定区分は検体が検査するために適しているかどうかの区分を含み、検体適正の場合にさらに「正常あるいは良性」「鑑別困難」「悪性の疑い」「悪性」の4つに区分される。各区分に対応する組織型または細胞所見などの基準が設けられている。
*大腸癌取扱い規約(2006年3月 第7版)
:腹水細胞診はI陰性 III疑陽性 V陽性と診断し陽性(V)のみをCy1とする。癌細胞を認めた場合がCy1、認めない場合はCy0である。Cy1の予後への影響は不明でありStageの因子には加えないとなっている。
このように臓器それぞれの癌取扱い規約により、クラス,Class,CY,Cy,陰性・疑陽性・陽性などが用いられ、細胞診結果の記載法は臓器ごとに異なっている。また、細胞診検体の適正や不適正などの標本の評価を判定区分に含む場合と含まない場合がある。
たとえば、尿細胞診で「陽性」であるとはClass IVを含む概念であり、したがって癌でない場合が含まれている。また、子宮頚癌では日母のクラスVは浸潤癌を想定しているのであって、陽性という意味ではない。一方、喀痰細胞診では「陽性」は悪性細胞を認めると定義されており、細胞診成績が「陽性」であるとは当該患者にとっては悪性腫瘍の診断となる。胃癌では腹腔細胞診での「陽性」は癌であることが確実でありCY1は腹膜転移ありと同等である。
したがって、細胞診結果または細胞診診断書を読む場合には、従来のClass分類を「陰性(ClassI,II)」「疑陽性(ClassIII,IIIa,IIIb)」「陽性(ClassIV,V)」に単純に置き換えたものか、臓器毎に定義された判定基準なのか、区別する必要がある。しかし、報告書紙面上ではどういった判定基準に基づいているかの記載はないことが多い。
患者が細胞診結果について医師から説明を受ける場合には、どのような判定基準にもとづく結果であるのかも説明を受ける必要がある。別の言い方をすれば、「細胞診が陽性です」と説明を受けても、臓器によって癌であることもあるし癌でないこともあるということになる。細胞診は検体採取が容易であり、精度が高い臨床検査ではあるが、患者にとって細胞診の結果はわかりにくいのである。似たような分類として組織診(生検)で用いられるGroup分類やCategory分類、マンモグラフィーのカテゴリ分類等もある。腫瘍についての検査の分類はひとつではなく、臓器ごと、検査ごとに結果の表現方法や意味が違うことを理解する必要がある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「細胞診断」の詳細全文を読む




スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.