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科学社会学 : ミニ英和和英辞書
科学社会学[かがくしゃかいがく]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [か]
  1. (n,n-suf) department 2. section 
科学 : [かがく]
 【名詞】 1. science 
: [がく]
 【名詞】 1. learning 2. scholarship 3. erudition 4. knowledge 
: [やしろ]
 (n) shrine (usually Shinto)
社会 : [しゃかい]
 【名詞】 1. society 2. public 
社会学 : [しゃかいがく]
 【名詞】 1. sociology 
: [かい]
  1. (n,n-suf,vs) meeting 2. assembly 3. party 4. association 5. club 

科学社会学 : ウィキペディア日本語版
科学社会学[かがくしゃかいがく]

科学社会学(かがくしゃかいがく、)は、科学研究テーマとする学問社会学の一分野。
科学社会学の成立は後述するように比較的新しいが、科学科学技術の進歩や、隣接学問である科学哲学科学史の発展、そして科学と社会の関係の著しい変化などを受けて、科学社会学の内容や方法もまた急速に変化ないし発展してきた。
当初の、科学に関する制度がどのように科学者の研究に影響を与えるかといった研究から、科学知識の内容そのものについての社会学的研究、さらには科学者が研究室で実際には何をやっているかについての参与観察的研究、科学知識の社会への伝達・普及に関する研究、科学技術と社会(公衆)との間に生じるコンフリクトについての研究など、科学社会学が対象とする分野は随時拡大して来ている。
以下では、概ね科学社会学の発展の順序に従って、科学社会学の主たるテーマやトピック、方法論などについて述べる。
== 科学者の社会学 ==
科学社会学の創始者はロバート・K・マートンであるといわれる。
マートンはアメリカの代表的な社会学者の一人であり、主著『社会理論と社会構造』に見られるように、その研究対象は多岐にわたっているが、彼の研究者としての出発点は、学位論文「十七世紀英国における科学・技術・社会」(1938年)に見られるように、科学についての歴史社会学研究にあった。『社会理論と社会構造』においても4章構成のうち1章を科学社会学研究に当てている。
科学という営みは、科学知識を生産し、それを応用して社会的・技術的課題の解決に努めたり、社会の必要に応じて科学知識を若い世代に伝達したりしている科学者たち「科学者集団 (''scientific community'') 」によって担われている。また、この科学者集団もまた、一般社会によって支えられ影響を与えられている。つまり、科学もまた一つの社会制度に他ならない。
1930年代ハーバード大学の大学院で社会学の研究を始めたマートンは、科学史研究者の指導をうけながら、科学の認知的発展と、それを取りまく社会-文化構造との相互関係が、基本的な問題だとみなして、前述の学位論文を執筆した。
しかし科学社会学研究は1940年代から1950年代にかけて、アメリカ社会学界でも決して大きく花咲くことはなかった。これには,科学知識と社会との相互作用を主題とする研究は、学界を含むアメリカ社会では左傾的だとみなされる傾向があり〔1931年科学史・技術史国際会議で、ソ連科学史家はマルクス主義史観的科学観を展開した。なかでもゲッセンは、ニュートンの時代の社会・経済における技術的問題群が、ニュートンを力学の一般的理論構築へ向かわせた、と主張した。史料的裏付けに乏しいものの、欧米の若手科学史家に多大な影響を与えていた。こうしたことから、社会と科学の内容の連関を問うスタンスは、マルクス主義史観的科学観と同一視される傾向があった。〕、第二次大戦後の冷戦体制の中タブー視されていたという事情があった。
マートンの科学社会学研究は大きく方向転換し、学位論文の科学と社会の相互作用を総合的に問題とする研究関心からシフトないし後退し、自律的な社会システムとしての科学者集団内部の構造・機能的な分析に研究を限定するようになった。マートンの科学社会学研究は、科学者を集団としてまた個人として律する規範構造 (''normative structure of science'') への分析と向かっていった。マートンによれば、科学という営みは、確証された知識の増大という目標を達成するのに相応しい独自のエートス(倫理観)に支えられている。こうして現代科学知識の発展と普及の主要因として抽出されたのが、科学者たちの間に共有される「普遍主義・公有主義・利害超越性・系統的懐疑主義」という4つの規律、いわゆる「マートン・ノルム」(後述)である。
こうしてこの時代の科学社会学は、マートンのこうした研究を引き継いだ構造・機能主義的な科学社会学研究としては、例えば『科学者集団 ''The Scientific Community''』や『科学の社会システム ''The social system of science''』があげられる。またらによる数量的な科学社会学も『リトルサイエンス・ビッグサイエンス』という顕著な成果を生み出した。これは科学者の数、科学論文数などといった数量的な指標でみた場合に、科学という営みは、17世紀以来一貫して指数関数的な増大傾向を示してきたという事実を明らかにしたものである。
マートンの研究を受け継ぐこれらは、科学者の報酬体系や研究施設についての制度分析、論文の間の引用分析などを主としながら、科学理論の内実そのものはブラックボックスに入れて取り扱わないという一線を守り通した。このため、こうした科学社会学研究を総称して「科学者の社会学」と呼ぶことができる。これに対するのは、科学理論の内実にまで踏み込み、むしろ科学知識と社会との関係を中心にすえた科学社会学となるだろう。次節で紹介する科学知識の社会学 (''SSK : Sociology of Scientific Knowledge'') はまさにそうしたものであった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「科学社会学」の詳細全文を読む




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