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真空ブレーキ : ミニ英和和英辞書
真空ブレーキ[しんくうぶれーき]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [まこと, しん, ま]
  1. (adj-na,n) (1) truth 2. reality 3. genuineness
: [そら]
 【名詞】 1. sky 2. the heavens 
ブレーキ : [ぶれーき]
 Brakes
: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

真空ブレーキ : ウィキペディア日本語版
真空ブレーキ[しんくうぶれーき]
真空ブレーキ(しんくうブレーキ)は、鉄道のブレーキの一種で、ブレーキピストンを真空大気圧の差で駆動するものである。1874年に最初に導入された。自動真空ブレーキシステムはイギリスの列車の設備として普遍的なものとなり、またイギリスの技術的影響を受けた国でも普及した。アメリカ合衆国の、主に狭軌の鉄道でも、しばらくの間採用された。
ただしいくつかの重要な制約があることから、イギリスでは1970年代から圧縮空気を利用した空気ブレーキに次第に置き換えられていった。世界中で真空ブレーキは空気ブレーキに置き換えられて廃れかかっているが、それでも南アフリカインドなど一部の国では使われ続けている。
== 概要 ==
初期の鉄道では、機関車緩急車に備えられた手ブレーキにより列車のブレーキを掛けており、後には機関車に装備された蒸気ブレーキが用いられるようになった。これは明らかに不十分なものであったが、その当時の技術では容易には解決できなかった。列車全長に渡って鎖をつないでブレーキを掛けるチェーンブレーキシステムが開発されたが、列車全体に均等にブレーキを掛けることができなかった。
こうした問題は、柔軟なパイプで車両間をつなぎ、各車両のブレーキを機関車から制御できるようにした真空ブレーキシステムの採用で大きく解決へ向けて前進した。最初に考案されたものは単純な構造の直通真空ブレーキで、1874年にイギリスのノース・イースタン鉄道 (North Eastern Railway) の技術者、J・R・スミスによって開発された。機関車から列車全体にブレーキ管が引き通されており、機関車に備えられた弁を操作することで真空が作られ、この真空がブレーキ管を通じて各車両のブレーキピストンを動かし、機関士によりブレーキの程度を加減することができるようになっていた。圧縮空気ではなく真空を用いることは、蒸気機関車においては簡単なエゼクターを用いることで可動部品を使わずに真空を作り出せるという点で好ましかった。
しかしながらこの直通真空ブレーキには大きな欠陥があり、走行中に列車が分離してしまったり不注意にブレーキ管が連結されていたりといった、何らかの理由で車両間のブレーキ管の連結が外れてしまうと、列車全体にわたりブレーキが効かなくなる。また配管が破損したりブレーキシリンダーに欠陥があったりしてもブレーキは効かなかった。
これに対処するためにまず最初に二重系にすることが考えられた。これを開発したのはハーディで、真空を作り出すエゼクターを2台にし、1台は列車全体用、もう1台は機関車用にした。たとえ配管がどちらか一方で破損したとしても、もう一つの系統で列車を止めることができた。またブレーキシリンダーを鉄の容器に入れて頑丈なものにし、破損しづらく改良した。これにより信頼性は大きく改善されたが、それでもなお列車の連結が切れてしまうと、機関車用のブレーキで停車することのできる機関車はともかく、切れてしまった後半の列車を止める術が無く、事故につながった。
このためハーディはさらに改良し、自動真空ブレーキが開発された。自動真空ブレーキでは直通真空ブレーキとは逆に、ブレーキを緩めるためにはブレーキ管を真空にする必要があり、ブレーキ管に空気が入るとブレーキが掛かる仕組みになっていた。これにより、何らかの理由でブレーキ管が外れたり破損したりすると自動的に列車全体にブレーキが掛かるようになっており、フェイルセーフな構成となった。
また1878年にはジェームズ・グレーシャムによって、ブレーキシリンダーを大型化して真空タンクとして利用し、ブレーキの操作に対して素早くブレーキ力が反応するようにする改良がなされた。ブレーキ弁にも改良が加えられて空気の侵入が抑えられている。
しかし、鉄道事業者は当初その採用に対して抵抗した。直通真空ブレーキよりもかなり多くの部品を使っていて、費用が嵩んだためである。
アーマー鉄道事故 (Armagh rail disaster) では、機関車から切り離された列車の一部が急勾配を暴走して88人が死亡した。もし自動真空ブレーキがこの列車に装備されていたら、この事故はまず起きなかったであろうことは明らかであった。事故の被害の大きさに関心が集まり、全ての旅客列車に自動式の貫通ブレーキを装備することを義務付ける1889年の法制へとつながった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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