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核沸騰 : ミニ英和和英辞書
核沸騰[かくふっとう]
nucleate boiling
===========================
: [かく]
  1. (n,adj-no) nucleus 2. kernel 3. (pref) nuclear 
核沸騰 : ウィキペディア日本語版
核沸騰[かくふっとう]
核沸騰(かくふっとう、)は、表面温度が液体の沸点より低いが、熱流束が臨界熱流束を下回る場合に起こる沸騰の形態である。水を例にとると、下のグラフのように 104℃ から 130℃ の範囲でこのような沸騰が起こる。臨界熱流束はグラフの変曲点として現れ、ここが核沸騰と遷移沸騰の境界となる。
== 機構 ==

核沸騰が起こる温度領域は2つに区分することができる。水の沸点 (100℃) を''T''S とすると、''T''S+4℃から''T''S+10℃の範囲では表面から離れた核生成部位で泡が発生する。 これは表面付近で液体が強く混合されているためで、対流熱伝達係数と熱流束は急激に増加する。この領域では熱移動のほとんどは表面から直接に起こり、泡の寄与は小さい。
''T''S+10℃から''T''S+30℃の範囲では、核生成部位が増加することで泡の干渉・合体が発生する。この領域では、蒸気は塊となった後、浮上していく。
''T''S+30℃近くでは、合体して発生した大きな気泡の下の乾燥面が大きくなり、乾燥部分の表面の熱伝達は気体への熱伝達となるために低いため、全体として熱伝達率は低下する。これはグラフ上では変曲点として現れ、この温度を超えると熱伝達係数は減少し始める。
温度差の増大と熱伝達係数の減少がつり合う温度で、熱流束が最大となる。この熱流束はグラフの極大値として現れ、臨界熱流束と呼ばれる。この温度では大量の蒸気が生成され、表面から液体に直接熱が移動することが難しくなっている。このため、これ以上の温度では熱流束は減少していく。超高温での膜沸騰ではライデンフロスト効果が観察される。
核沸騰中には、熱移動物質移動熱伝達率に大きな影響を及ぼす。この熱移動プロセスを用いると表面から素早く、効率的にエネルギーを持ち去ることが可能であり、冷却材として液体を用いた原子力発電所などでは望ましいタイプの熱移動である。
核沸騰は、液体と固体の境界・泡と液体の境界の2つの表面で起こり得る。
核沸騰は複雑な現象であり、少数の実験結果から様々な洞察が行われている。だが、液体のカオス的挙動は古典的熱力学の手法で扱えないため、これらの洞察とは矛盾したデータが得られることがあり、確定的なモデルや式は未だ得られていない。この現象の解明にはさらなる研究が必要である〔"Nucleate Boiling Heat Transfer Studied Under Reduced-Gravity Conditions" , Dr. David F. Chao and Dr. Mohammad M. Hasan, Office of Life and Microgravity Sciences and Applications, NASA.〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「核沸騰」の詳細全文を読む




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