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枝むち ( リダイレクト:枝むち ) : ウィキペディア日本語版
枝むち[えだむち]

枝むち(えだむち)、バーチング()は、体罰のひとつで、カバの枝で作った枝むち(:しばしば短縮して)を用い、典型的には罰を受ける者の臀部を叩くものである。時として、背中が叩かれることもある。
==道具 ==
用いられる枝むちは、体罰を行なう道具とするために、葉を取り去ったカバの枝を数本束ねたものである。
英語の名称では「棒」を意味する rod が単数形になっているが、実際の枝むちは、1本の棒ではなく、材料に用いる枝もカバとは限らない。強くてしなやかな枝であれば、何でも良いので、ヤナギをはじめ様々な木や低木の枝が用いられた〔20世紀はじめのオーストラリアヴィクトリア州では、法を犯した未成年者への処罰に用いる枝むちは「水に漬けたヤナギ」で作るものと定められていた。 〕。ハシバミ(ヘーゼル)の枝で作った枝むち()は特に痛いとされ、ヨーロッパの司法制度の中で最後まで枝むちが正式な刑罰として残っていたマン島では、1960年代から1970年代にかけての時期まで、4本から5本のハシバミの枝を束ねた枝むちが使用されていた。
枝むちの威力は、大きさによっても異なり、長さ、重さ、枝の数などがそれに関わった。懲罰を与える側は、何種類かを使い分ける場合もあり、枝むちにはそれぞれ形状によって異なる名称がつけられていた。例えば、ダートムア監獄(Dartmoor (HM Prison))では、16歳以上の男性受刑者の懲戒に用いる 、 の枝むちを「大むち (senior birch)」と称していた。
枝むちを水に漬けて使用することの効果については、いろいろ異なる見解があるが、水に漬けることで空気抵抗は増さないで重さだけを増せることは間違いなく、枝むちの使い手に十分な力があれば、衝撃は大きくなる。伝統的に、枝むちは、使用する前に濃い塩水に漬けられることで、重さと柔軟性と強靭さが増すとされ、痛みという意味でも、受刑者の肉体が傷つけられて切り傷やみみず腫れができるという意味でも、この刑罰をいっそう重いものにした。塩水には殺菌作用もあるので、刑罰の後に傷口から感染菌が入り込むのを防ぐ助けにもなった。
1860年代には、イギリス海軍がそれまで少年水兵の懲罰に使用していた九尾の猫鞭(cat o' nine tails)の使用を止めた。この猫鞭は監獄で用いられていた悪名高いものであったが、これに代わって枝むちが導入された。枝むちは比較的上層の人々にとっては、学校でこのお仕置きを受けたこともある、なじみの深いものであった。同じ頃、一般の法廷でも、海軍の例に習って、少年や若者の刑法上の体罰に用いる道具を、それまでの革鞭や猫鞭から、枝むちに切り替えるようになった。海軍では、使用する枝むちの標準化が試みられ、海軍本部は「様式化された枝むち (patterned birch)」や「様式化された杖 (patterned cane)」の仕様書を作成し、それがおもなドックヤードに常備されるようにした。航海の間に、悪さをした少年水兵の尻を叩きまくって枝むちが消耗してしまうので、上陸時にはかなりの量を調達しなければならなかったのである。
「法の枝むち (judicial birch)」という呼称は、裁判の結果下される刑罰として枝むち打ちが行なわれる場合に使われる、より厳しいタイプの枝むちを指す表現で、特に、マン島におけるハシバミの枝むちを指した。1951年に出された覚書(内容はそれ以前の実践の追認である可能性もある)は、イギリスのすべての監獄において使用が認められる枝むち(および猫鞭)を、ロンドン南部のワンズワース監獄(Wandsworth (HM Prison))に回収することを命じた上で、受刑者の懲罰に必要な場合は、ワンズワースから猫鞭3本を貸し出すので、使用する前に「徹底的に」テストをした上でこれを用いるようにと指示していた。
一方、「イートンの枝むち (Eton birch)」のように校名などを付けた呼称は、学校で懲罰に用いる、より小さいカバの枝から作られた枝むちを指した。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「枝むち」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Birching 」があります。




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