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夜光雲 : ミニ英和和英辞書
夜光雲[やこううん]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [よる]
  1. (n-adv,n-t) evening 2. night 
夜光 : [やこう]
 (n) nocturnal luminescence
: [ひかり]
 【名詞】 1. light 
: [くも]
 cloud

夜光雲 : ウィキペディア日本語版
夜光雲[やこううん]

夜光雲(やこううん, 英:noctilucent clouds, NLC)は中間圏にできる特殊なで、日の出前や日没後に観測される気象現象である。地球上で最も高い高度に発生する雲と言われる。になっている北・南どちらかの半球の高緯度地域で多く発生する。極中間圏雲(polar mesospheric clouds, PMC)とも呼ぶ。
== 観測 ==
通常の雲が地上〜10km付近にできるのに対し、夜光雲は地上約75〜85 kmの中間圏界面付近にできる〔夜光雲、ラトビア上空80キロ ナショナルジオグラフィックニュース 7月12日リリース 〕。高度の高い位置に発生するため、太陽が地平線付近にあるとき下から日が当たり、青白く輝いて見える。高度15~30kmにできる真珠母雲(極成層雲)とは、できる高さも色も異なるが、地上からは区別が難しい場合もある。
発生する時間帯は特に決まっていないが、日の出や日没前に観測されやすいのは、以下のような理由と考えられている。昼間は、対流圏成層圏の厚い大気や、その中に含まれる水蒸気エアロゾルなどが太陽光散乱して上空の雲が見えにくくなる。また夜間は、普通の雲と同じように、自ら発光しない雲を照らす光が当たらないこと、普通の雲を夜に照らす市街地の明かりが上空には届かないことなどが挙げられる。また、地上の雲が邪魔して観測できないことも多く、観測のチャンスはあまり多くない。
夜光雲が最初に発見されたのは1885年、イギリスのRoberto Leslieによるもので、Natureに掲載された。この年はクラカトア山の大噴火の2年後で、火山灰の噴出により世界中で夕焼けの鮮明化などが観測されていたことから、火山との関係が指摘された。研究によって、火山活動が雲の生成を促進する可能性が指摘されたものの、原因の中の1つに過ぎないとされ〔Noctilucent clouds Australian Antarctic Division.〕、火山活動とは直接の関係はないと考えられたが、後に反証された(Mazlev, 1926)。
この雲を研究していたドイツのOtto Jesseは、1887年に世界で初めてと見られる夜光雲の写真を撮影し、「夜に光る雲」を意味する"noctilucent cloud"(日本語訳は「夜光雲」)という言葉が生まれるきっかけを作った〔Strange Clouds at the Edge of Space NASA, Phillips, Tony(2008-08-25).〕。また彼はクラカトア山噴火の直後から異常な夕焼けの撮影を続けており、火山活動が原因ならば夜光雲も撮影したはずだと主張した〔Schröder (2001), p.2457〕。同年にはJesse、Foerster、Dr. Stolzeらが共同で夜光雲の観測撮影を始め、ベルリン天文台も参加した〔Schröder (2001), p.2459〕。これによって三角測量を用いて雲の高度が初めて推定されたが〔Schröder (2001), p.2460〕、1896年にプロジェクトは中止された。

1901年にOtto Jesseは亡くなり、その後数十年間に渡って観測は下火になった。ヴェーゲナーが夜光雲は氷でできているのではないかと発表した(後に正しいことが証明される。)以外はほとんど進展がなかった。当時、地上からしか観測されておらず高層大気のことがほとんど解明されていなかったが、1960年代に観測ロケットが打ち上げられるようになって、初めて中間圏の著しい低温が夜光雲の発生と関係していることが分かった〔Schröder (2001), p.2464〕。
1972年には、OGO-6が初めて宇宙から夜光雲を観測した。OGO-6の観測によれば、本来極上空にしかない強い光の散乱層が低い緯度まで伸びていることから、それが夜光雲と推定された〔Gadsden (1995), p.18.〕。その後、SME紫外分光計で1981~1986年の地球の雲の分布を観測した際にも夜光雲が確認された〔Gadsden (1995), p.18.〕。そして、2001年にはUARSに搭載されたHALOEが初めて物理的な観測を行い、夜光雲の主成分が氷であることを確認した〔
〕。同年にはスウェーデンオーディン衛星が雲のスペクトル分析を通じて夜光雲の毎日の世界的な分布を明らかにした。
2002年には、ユタ州立大学のVincent Wickwar博士らが、中緯度地域での夜光雲の発生を初めて報告〔http://wired.jp/wv/2009/07/17/%e5%8c%97%e7%b1%b3%e3%82%84%e6%ac%a7%e5%b7%9e%e3%81%a7%e7%8f%8d%e3%81%97%e3%81%84%e3%80%8c%e5%a4%9c%e5%85%89%e9%9b%b2%e3%80%8d%e3%81%8c%e9%a0%bb%e7%99%ba%ef%bc%9a%e7%95%b0%e5%b8%b8%e6%b0%97%e8%b1%a1/〕。
2007年4月25日には、夜光雲の観測を主目的とする初の衛星、AIMが打ち上げられた。AIMが撮影した画像から、夜光雲が対流圏の雲(普通の雲)と同じような形状をしており、同じような力学的メカニズムで発生している可能性が示された〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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