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分裂補題 : ミニ英和和英辞書
分裂補題[ぶんれつほだい]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ぶん, ふん]
  1. (n,n-suf,pref) (1) part 2. segment 3. share 4. ration 5. (2) rate 6. (3) degree 7. one's lot 8. one's status 9. relation 10. duty 1 1. kind 12. lot 13. (4) in proportion to 14. just as much as 1
分裂 : [ぶんれつ]
  1. (n,vs) split 2. division 3. break up 
補題 : [ほだい]
 (n) subtitle
: [だい]
  1. (n,vs) title 2. subject 3. theme 4. topic 

分裂補題 : ウィキペディア日本語版
分裂補題[ぶんれつほだい]
: ''See also splitting lemma in singularity theory.''
数学、より具体的にはホモロジー代数学において、分裂補題 (splitting lemma) は次のようなものである。任意のアーベル圏において、短完全列に対する以下のステートメントは同値である。
写像が ''q'' と ''r'' の短完全列
:0 \rightarrow A \overset B \overset C \rightarrow 0
が与えられたとし、追加の矢印 ''t'' と ''u'' を存在しないかもしれない写像に対して書く。
:0 \rightarrow A B C \rightarrow 0.
このとき以下のステートメントは同値である。
;1. 左分裂 (left split): 写像 ''t'': ''B'' → ''A'' が存在して ''tq'' は ''A'' 上恒等写像である。
;2. 右分裂 (right split): 写像 ''u'': ''C'' → ''B'' が存在して ''ru'' は ''C'' 上恒等写像である。
;3. 直和 (direct sum): ''B'' は ''A'' と ''C'' のに同型で、''q'' は ''A'' の自然な入射に一致し、''r'' は ''C'' への自然な射影に一致する。
短完全列は上のステートメントのどれかが成り立てば''分裂する'' (split) という。
(「写像」という言葉は考えているアーベル圏の射を意味し、集合の間の写像ではない。)
注意: 完全列 0 \rightarrow A \longrightarrow A \oplus C \longrightarrow C \rightarrow 0 は分裂するとは限らない。
この補題によって第一同型定理を精密化することができる。
* 第一同型定理は上記の短完全列において C \cong B/q(A) (すなわち "C" は "r" の余像あるいは "q" の余核に同型である)ということを述べている。
* 列が分裂すれば、B = q(A) \oplus u(C) \cong A \oplus C であり、第一同型定理は単に ''C'' の上への射影である。
それは線型代数学の(V \cong \ker T \oplus \operatorname\,T の形での)階数・退化次数の定理の圏論的一般化である。
== 証明 ==
まず、(3) から (1) と (2) が従うことを示すためには、(3) を仮定し ''t'' として直和から ''A'' への自然な射影をとり、''u'' として ''C'' から直和への自然な入射をとる。
(1) ならば (3) を示すために、''B'' の任意の元は集合 (ker ''t'' + im ''q'') に入っていることに注意する。これは ''B'' のすべての ''b'' に対して ''b'' = (''b'' - ''qt''(''b'')) + ''qt''(''b'') であることから従う。''qt''(''b'') は明らかに im ''q'' の元であり (''b'' - ''qt''(''b'')) は
:''t''(''b'' - ''qt''(''b'')) = ''t''(''b'') - ''tqt''(''b'') = ''t''(''b'') - (''tq'')''t''(''b'') = ''t''(''b'') - ''t''(''b'') = 0
だから ker ''t'' に入っている。
次に、im ''q'' と ker ''t'' の共通部分は 0 である、なぜならば ''q''(''a'') = ''b'' なる ''A'' の元 ''a'' が存在して ''t''(''b'') = 0 であれば、0 = ''tq''(''a'') = ''a'' であるから ''b'' = 0 である。
このことより ''B'' は im ''q'' と ker ''t'' の直和である。したがってすべての ''B'' の元 ''b'' に対して ''b'' は一意的に ''A'' の元 ''a'' と ker ''t'' の元 ''k'' であって ''b'' = ''q''(''a'') + ''k'' なるもので識別できる。
完全性から ker ''r'' = im ''q'' である。部分列 ''B'' → ''C'' → 0 から ''r'' は上への写像である。それゆえ任意の ''C'' の元 ''c'' に対して ''b'' = ''q''(''a'') + ''k'' が存在して ''c'' = ''r''(''b'') = ''r''(''q''(''a'') + ''k'') = ''r''(''k'')。したがって任意の ''C'' の元 ''c'' に対して ker ''t'' の元 ''k'' が存在して ''c'' = ''r''(''k''), and ''r''(ker ''t'') = ''C''。
''r''(''k'') = 0 であれば ''k'' は im ''q'' に入る。im ''q'' と ker ''t'' の共通部分は 0 であるから、''k'' = 0 である。したがって射の制限 ''r'' : ker ''t'' → ''C'' は同型射であり ker ''t'' は ''C'' に同型である。
最後に、im ''q'' は 0 → ''A'' → ''B'' の完全性により ''A'' と同型である。なので ''B'' は ''A'' と ''C'' の直和に同型であり (3) が証明される。
(2) ならば (3) を示すために、同様の議論をする。''B'' の任意の元は集合 ker ''r'' + im ''u'' に入る。すべての ''B'' の元 ''b'' に対し ''b'' = (''b'' - ''ur''(''b'')) + ''ur''(''b'') であってこれは ker ''r'' + im ''u'' に入っている。ker ''r'' と im ''u'' の共通部分は 0 である、なぜならば ''r''(''b'') = 0 かつ ''u''(''c'') = ''b'' であれば 0 = ''ru''(''c'') = ''c''。
完全性から im ''q'' = ker ''r'' で、''q'' は単射だから、im ''q'' は ''A'' と同型で、''A'' は ker ''r'' と同型である。''ru'' は全単射だから、''u'' は単射でありしたがって im ''u'' は ''C'' と同型である。なので ''B'' は再び ''A'' と ''C'' の直和である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「分裂補題」の詳細全文を読む




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