翻訳と辞書
Words near each other
・ レナート・ディ・ボルボーネ=パルマ
・ レナート・ドゥルベッコ
・ レナート・ババル
・ レナート・パルンボ
・ レナート・ブルゾン
・ レナート・ベルゲリン
・ レナート・ベルタ
・ レナート・ヨハンション
・ レナート・ヨハンソン
・ レナード
レナード-ジョーンズ・ポテンシャル
・ レナードの朝
・ レナード・B・メイヤー
・ レナード・N・スターン・スクール
・ レナード・T・ホブハウス
・ レナード・W・ホール
・ レナード・ウィバーリー
・ レナード・ウォーレン
・ レナード・ウッド・ホール
・ レナード・ガルシア


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

レナード-ジョーンズ・ポテンシャル : ミニ英和和英辞書
レナード-ジョーンズ・ポテンシャル[てん]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
テン : [てん]
 【名詞】 1. 10 2. ten 3. (P), (n) 10/ten

レナード-ジョーンズ・ポテンシャル : ウィキペディア日本語版
レナード-ジョーンズ・ポテンシャル[てん]
レナード=ジョーンズ・ポテンシャル()〔Gordon M. Barrow (著), 大門 寛 (翻訳), 堂免 一成 (翻訳),”バーロー物理化学〈上〉”東京化学同人; 第6版版 (1999/03)〕〔キッテル(著)、宇野 良清 、他(翻訳),“固体物理学入門 第8版”, 丸善,2005.12(ISBN 4621076531)〕とは、2つの原子間の相互作用ポテンシャルエネルギーを表す経験的なモデルの一つである。ポテンシャル曲線を表す式が簡単で扱いやすいので、分子動力学計算など、様々な分野において使われる。その名はレナード=ジョーンズにちなむ。
レナード=ジョーンズ・ポテンシャルは、実際のポテンシャル曲線を表現するための簡便な手法であり、少数のパラメータを用いたフィッティングに相当するため厳密ではない。しかし、問題の種類によっては、この方法で十分な場合がかなり多い。レナード=ジョーンズ・ポテンシャルに用いるパラメータは、実験的に求められた第二ビリアル係数粘性係数熱伝導率などから、推定することができる。他の原子間の相互作用のモデルポテンシャルとしては、(Morse potential)等が挙げられる。
==レナード=ジョーンズ・ポテンシャルの数式による表記==

レナード=ジョーンズ・ポテンシャル U(r)の一般形は、次の式であらわされる。
:
U(r) = 4\epsilon \left\left(\frac\right)^ - \left(\frac\right)^ \right
  (1)
ここで、rは原子間距離(核間距離)である。\sigma,\epsilonは、フィッティングパラメータ(物理学的な意味は後述)で、これと、次数p,qを定めることによってレナード=ジョーンズ・ポテンシャルが一意に決まる。
特に引力項の次数''q'' = 6、斥力項の次数''p'' = 12とした
:
U(r) = 4\epsilon \left\left(\frac\right)^ - \left(\frac\right)^ \right
  (2)
を、(6,12)ポテンシャルという。(6,12)ポテンシャルは、レナード=ジョーンズ・ポテンシャルの代表例である。以降、(6,12)ポテンシャルのことを、レナード=ジョーンズ・ポテンシャルとして説明する。U(r) = A r^ - B r^のように簡単な形で書かれることもある。
ここで、−6乗の引力項は、二つの原子の間の分散力、すなわち双極子-双極子間の相互作用によるものである。原子の永久双極子がゼロであっても、短時間をとった場合は電荷分布の揺らぎによる双極子が現れる。この双極子の電場により、もう一方の原子が分極し、誘起双極子が生じる。この相互作用ポテンシャルは原子間距離の-6乗に比例したものとなる。
一方、−12乗の斥力項は、電子雲の重なりによって反発力が働くためである。指数の−12は、−6乗のちょうど2乗で扱いやすいために選ばれることが多い。反発力の主な機構は、パウリの排他律によって、低いエネルギーの分子軌道に電子が入れないためである。
(1),(2)式より、\sigmaは距離の次元を持ち、r=\sigmaのときポテンシャルエネルギーがゼロになることがわかる。これより粒子間距離が小さい領域は−12乗の強い斥力に支配され、これ以上接近することが稀であることから、\sigmaを衝突直径と呼ぶことがある。また(1)式から、\epsilonはエネルギーの次元を持ち、ポテンシャルの深さを表している。この2つのフィッティングパラメータ\sigma,\epsilonによって、レナード-ジョーンズ・ポテンシャルが一意に決まる。
これらのパラメータは粒子-粒子間の相互作用であるため、厳密には特定の物質が持つ物性ではない。理想的には全ての粒子種の組み合わせ(100を越える原子についてはおよそ5000組、ユナイテッドアトム・モデルまで拡張するとさらに増える)について、その全てが実験的事実から検討されることが望ましいが、現実的ではない。そのため、同種の粒子間力に関するパラメータを実験的に得て、ローレンツ-ベルテロ則を用いるなどして異種粒子間のパラメータを推算することが一般となっている。
ここで、原子の相対運動において角運動量がない(回転による遠心力がない)とした場合の、平衡原子間距離について考察する。(2)式を原子間距離rで微分すると、原子間に働く力F(r)が得られる(斥力を正とした)。
: F(r) = - \frac U(r) = 4 \epsilon \left( 12\,-6\, \right)   (3)
(4)式で与えられる平衡原子間距離r_0においては、F(r_0)=0となるため、(3)式を用いると以下の関係が成立する。
:r_0=2^\sigma  (4)
また、(2)式をrで二階微分して、r=r_0を代入すれば正値になるため、ポテンシャルエネルギーはr_0において極小値をとり、安定点であることが確認できる。物質の格子定数は、このr_0とよく一致する。
次に、\epsilonが、ポテンシャルエネルギーの深さであることを示す。(2)式の\sigmaに(4)式を代入すると、次のようになる。
:
U(r) = \epsilon \left\left(\frac\right)^ - 2\left(\frac\right)^ \right
  (5)
したがって、2原子間の距離がr=r_0のとき、(5)式はU(r_0)=-\epsilon となる。つまり、r\rightarrow\inftyの解離極限では、U(r)\rightarrow 0であることを用い、零点振動を無視すれば、\epsilonは2つの原子間の結合エネルギー解離エネルギー)に相当することがわかる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「レナード-ジョーンズ・ポテンシャル」の詳細全文を読む




スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.