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ペリプラズム空間 : ミニ英和和英辞書
ペリプラズム空間[けん, ま]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [そら]
 【名詞】 1. sky 2. the heavens 
空間 : [くうかん]
 【名詞】 1. space 2. room 3. airspace 
: [けん, ま]
 【名詞】 1. space 2. room 3. time 4. pause 

ペリプラズム空間 ( リダイレクト:ペリプラズム ) : ウィキペディア日本語版
ペリプラズム[けん, ま]

ペリプラズム (Periplasmic space) はグラム陰性菌において、細胞膜細胞外膜の2枚の生体膜に囲まれた空間である。グラム陽性菌には細胞外膜が存在しないが、細胞膜と細胞壁の間は”inner wall zone”(IWZ) と呼ばれ、厳密な意味でのペリプラズムとしてみなされる〔, Matias, V. R., and T. J. Beveridge. 2005. Cryo-electron microscopy reveals native polymeric cell wall structure in Bacillus subtilis 168 and the existence of a periplasmic space. Mol. Microbiol. 56:240-251. .〕〔, Zuber B, Haenni M, Ribeiro T, Minnig K, Lopes F, Moreillon P, Dubochet J. 2006. Granular layer in the periplasmic space of Gram-positive bacteria and fine structures of Enterococcus gallinarum and Streptococcus gordonii septa revealed by cryo-electron microscopy of vitreous sections. J Bacteriol. 188:6652-6660. 〕。
グラム陰性菌のペリプラズムは細胞の全体積の最大40%に達することもあるが、グラム陽性菌のペリプラズムはそれと比べると遥かに小さい。IWZの組成は、未だ明確に決定されていない。
細菌は伝統的にグラム染色の保持能によって、グラム陽性菌とグラム陰性菌の2つに大別されてきた。この分類は、染色性・細胞外皮の組成・分類学的グループの3つを一体として表現するものとされてきたが、実際にはこの3つが一致しない場合があることが分かり、曖昧性のある分類となっている〔Gupta, R.S. (1998) Protein phylogenies and signature sequences: A reappraisal of evolutionary relationships among archaebacteria, eubacteria and eukaryotes. Microbiol. Mol. Biol. Rev. 62: 1435-1491.〕〔Gupta, R.S.(2000) The natural evolutionary relationships among prokaryotes. Crit. Rev. Microbiol. 26: 111-131.〕〔, Desvaux M, Hébraud M, Talon R, Henderson IR. 2009. Secretion and subcellular localizations of bacterial proteins: a semantic awareness issue. Trends Microbiol. 17:139-145. 〕〔, Sutcliffe IC. 2010. A phylum level perspective on bacterial cell envelope architecture. Trends Microbiol. 18:464-470. 〕。グラム染色性は経験的な基準であるものの、染色性の差異を生み出しているのは「細胞外膜の有無」という特徴であり、これはより基礎的で信頼できる基準であると考えられる〔〔Gupta, R. S. (1998). What are archaebacteria: life’s third domain or monoderm prokaryotes related to Gram-positive bacteria? A new proposal for the classification of prokaryotic organisms. Molecular Microbiology. 29(3):695-707.〕。
全てのグラム陽性菌は一重の脂質膜に囲まれている。これは20-80nmの厚いペプチドグリカン層を含み、ここに染色剤が保持されているが、グラム陰性菌はペプチドグリカン層を持たない、または細胞壁の組成が異なるため染色剤を保持できない。だが、グラム陰性菌の中にも一重の脂質膜を持ち、グラム陽性菌と非常に近い関係を示すものもある。一重の脂質膜に囲まれたこれらの細菌を”monoderm bacteria”と呼ぶことも提案されている〔〔。グラム陽性菌に対し、全ての原型的なグラム陰性菌は細胞膜と細胞外膜に囲まれているが、これらの膜は2-3nmの薄いペプチドグリカン層しか持たない。内膜と外膜の2枚の膜を持つことで、ペリプラズム空間が形成される。これら2枚の膜を持つ細菌は、”diderm bacteria”と呼ばれる〔〔。monoderm bacteriaとdiderm bacteriaの区別は、重要タンパク質の保存インデル(挿入欠失変異)からも支持される(viz. DnaK, GroEL).〔〔〔〔Gupta, R. S. (2011). Origin of diderm (Gram-negative) bacteria: antibiotic selection pressure rather than endosymbiosis likely led to the evolution of bacterial cells with two membranes. Antonie van Leeuwenhoek. 100:171-182.〕。
diderm bacteriaのペリプラズムは、ペプチドグリカンでできた薄い細胞壁を含む。さらに、栄養素の保持、輸送、フォールディング、分解、加水分解から、ペプチドグリカンの生合成、電子伝達、薬物代謝まで、広範な機能に関わるイオンやタンパク質等の溶質を含んでいる。ペリプラズムはATPを含まないため、ここに存在する酵素はATPに依存しない機構で作用する。
==出典==


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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