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フラッパー : よみがなを同じくする語

FLAPPER
Flapper
フラッパー : ミニ英和和英辞書
フラッパー
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

フラッパー : ウィキペディア日本語版
フラッパー

フラッパー()は、1920年代に欧米で流行したファッション生活スタイルを好んだ「新しい」若い女性を指すスラング。それまで女性らしいとされてきた装いや行動様式ではなく、膝丈の短いスカートショートヘアボブカットジャズ音楽などを好んで、濃いメイクアップ強い酒を飲み、性交渉、喫煙、ドライブを積極的に楽しむという、以前までの女性に求められてきた社会的、性的規範を軽視した女性たちを意味する。
フラッパーは「狂騒の20年代」を背景として登場した。アメリカの1920年代初頭は、第一次世界大戦終結直後で社会、政治ともに未だ混乱していた時代だった。ヨーロッパからの文物流入が盛んとなり、アメリカからもジャズなどの文化がヨーロッパへと広まっていった。
== フラッパーの語源 ==

「フラッパー ()」という言葉は、ひな鳥が羽を羽ばたかせて () 飛び立つ訓練をしている様子を意味し、そこから転じて未成熟な若い女性を表すスラングとなったといわれている。また他の説として、まだ髪を結い上げることが出来ない若い女性の束ねた髪が背中でひらひらする () ところから、イングランド北部で10代の少女のことをフラッパーと呼んでいたという説や〔Evans, Ivan H. ''Brewer's Dictionary of Phrase and Fable'' (rev. ed.) New York: Harper & Row, 1981 ISBN 0-06-014903-5〕、古語で娼婦のことをフラッパーと呼んでいたという説がある〔.〕。
1630年代初頭では、年若い娼婦が「フラップ」というスラングで呼ばれていた〔Mabbe, James. ''Celestina'' IX. 110 "Fall to your flap, my Masters, kisse and clip”; 112 “Come hither, you foule flappes."〕。1890年代終わりのイングランドでは「フラッパー」が10代半ばの活発な少女を意味する言葉として使われるとともに〔Lowsley, Barzillai. ''A glossary of Berkshire words and phrases'' 1888 (E.D.S.): "Vlapper,.. applied in joke to a girl of the bread-and-butter age."〕、とくに年若い娼婦を意味するスラングとしても使われるようになっていた〔.〕〔Savage, Jon. ''Teenage: The Creation of Youth Culture''. New York: Viking, 2007. p. 202. ISBN 978-0-670-03837-4〕。
「フラッパー」という言葉が文献に出てくるのは、イングランドが1903年初頭、アメリカが1904年のことで、小説家デズモンド・コークが自身の大学時代を綴った『サンフォード・オブ・マートン ()』の「気絶したフラッパー」という記述が初出である〔.〕。1907年にはイングランドの俳優ジョージ・グレイヴス (George Graves) が、イングランドでは舞台で軽業を売り物にする若い女芸人のことをフラッパーと称するとアメリカ人に説明している。
1908年にはイギリスの高級紙『タイムズ』でも「フラッパー」という言葉が使用されるようになった。ただしタイムズでは「“フラッパー” は、髪を結い上げ長いドレスを着用(して社交界にデビュー)する前の年若い淑女を意味する」という注釈つきで使用されていた〔.〕。1910年11月にAE・ジェームズが、不運な14歳の少女を主人公として『ロンドン・マガジン』に掲載した『フラッパー陛下 ()』という題名の一連の物語が人気を博している〔James, A. E. "Her Majesty the Flapper" . ''London Magazine'' (1910)〕。1911年ごろまでには、新聞の劇評で「フラッパー」がいたずら好きで茶目っ気がある、あるいは異性の気を惹くそぶりを見せる役柄の代名詞として使用されるようになっていった。
1912年ごろまでには、ロンドンの舞台興行主ジョン・タイラー (:en:John Tiller) が『ニューヨーク・タイムズ』のインタビューで、「フラッパー」を「いまにも世に出そうな」やや年長の少女という意味で用いている〔。タイラーはタイラーは「世に出そうな」という言葉を「成人女性として正式に社会の一員となる」(オックスフォード英語辞典)という意味で用いている。当時の上流社会では、正式に社交界にデビューしていない10代の少女はまだ子供であるとみなされていた。社交の場においてこのような少女には、控えめで男性の目を惹かないような態度が求められていた。〕。「フラッパー」は大胆で溌剌とした10代の少女を指す言葉として広く知られていたが、イギリスでは徐々に衝動的な性質で大人気ない女性全般を意味する言葉となっていった。第一次世界大戦時にフラッパーという言葉はますます使用されるようになっていったが、これはおそらく出征で男性が不足した職場に女性が登用され始めたことと関係している。1919年の『タイムズ』には、戦争からの帰還兵たちが職場に復帰すると女性の職探しが難しくなり、「フラッパーたちの将来」が懸念されるという内容の記事を掲載している。このような社会情勢のなか、フラッパーは「独立心旺盛で享楽的な若い女性」を指す言葉へと変化していったのである〔。
1920年までに、フラッパーは特定の世代とその行動様式を示す言葉として一般的になっていった。当時のイギリスでは多くの若い男性が第一次世界大戦で命を失ったために、適齢期の女性が結婚相手を見つけられずにいた。R・マレイ=レスリー博士はその講演で「ある種の社交家のなかには……浮ついた性格で、露出度の高い衣服を着てジャズを愛好するフラッパーと称される人々がいる。責任感がないうえに行儀も悪く、ダンス、新しい帽子、男性と自動車などを国家の大事よりも重要視する女性たちだ」と批判している〔.〕。
1920年代初めのアメリカでは10代の若い女性たちが好んだ、留金をせずにオーバーブーツ(雨天時に靴に被せるゴム製、ビニール製の靴 (:en:Galoshes))を履くといったファッションを指す言葉として「フラッパー」が使われるようになった〔"Flappers flaunt fads in footwear" ''The New York Times'' (January 29, 1922). The article alleges the origin of the fashion was a Douglas Fairbanks costume in the film ''The Three Musketeers'', in which he wore his boot-tops turned down.〕。また、歩くたびにとめられていないオーバーブーツの留め具がひらひらする様子も「フラッパー」と呼ばれていた〔.〕〔Strong, Marion in .〕。
イギリスでは1930年代なかばでも「フラッパー」という言葉が時々使用されてはいたが、すでに死語となりつつあった。1936年の『タイムズ』では「ブロット(泥酔 ())」などと同じくフラッパーが時代遅れのスラングに分類されている〔''The Times'' (London, England): ‘Delivering Drunkards’, 2 December 1936, p. 15〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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