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ハプト ( リダイレクト:ハプト数 ) : ウィキペディア日本語版
ハプト数[はぷとすう]

ハプト数 (ハプトすう、Hapticity) は、錯体化学において、錯体の構造を記述するときに用いられる数〔IUPAC Gold Book - η (eta or hapto) in inorganic nomenclature 〕〔IUPAC ''Red Book'' 〕。
古典的なウェルナー型錯体では、配位子となる分子のうち、ひとつの原子だけが金属との間に配位結合を形成する。一方、ツァイゼ塩に代表されるように、 π結合を持つ分子など〔π結合を持たない分子でも、ハプト数が2以上となることがある。水素分子が η2 で配位した W(CO)3(PPri3)22-H2) (Gregory J. Kubas, ''Acc. Chem. Res.'' 1988, 21, 120. ) などが知られている。〕が配位子となる場合は、いくつかの隣接原子が金属に対して等価に配位することがある。このような錯体において、金属に対して等価な隣接原子数をハプト数という。金属に配位している原子が 1 個のみ( ハプト数 1 )の場合は、特に理由がない限り用いない。
ハプト数は配位子の前にギリシア文字η を置き、配位原子数を上付きで表示する。例えば、bis(η5-cyclopentadienyl)iron(II) (フェロセン)は、シクロペンタジエンの5個の炭素が等価にに配位していることを示している。

== 歴史 ==
1950年代以降のX線回折NMRの発展によって、 フェロセンをはじめとする非ウェルナー型錯体の構造が次々明らかにされるとともに、新しい有機金属錯体が多数合成されるようになった。これらの化合物はそれまでの命名法では一意に命名できなかったため、1968年にF・アルバート・コットンによってハプト数の概念が提唱され、ギリシア語で「締める・閉じる」を意味する ηαπτειν (haptein) から頭文字の η を接頭辞として採用し、「ハプト」hapto と呼ぶことにした〔F. Albert Cotton, "Proposed nomenclature for olefin-metal and other organometallic complexes", ''J. Am. Chem. Soc.'' 1968, 90, 6230 - 6232. 〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ハプト数」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Hapticity 」があります。




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