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ザッハーク : ミニ英和和英辞書
ザッハーク[ちょうおん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

ザッハーク : ウィキペディア日本語版
ザッハーク[ちょうおん]

ザッハーク(, )は、ペルシアの叙事詩『シャー・ナーメ』などに登場する、両肩にを生やした王である。
== 『シャー・ナーメ』 ==

『シャー・ナーメ』においては、王ジャムシードが死ぬまでが第4章、ザッハークの邪悪な統治とその終焉までが第5章である。
アラビアの砂漠の中にある国の王マルダースは、善き王として人々に信頼されていた。その息子ザッハークは、剛勇だが無思慮であった〔フェルドウスィー,岡田訳 (1999), pp. 31-32.(第1部 第4章「2 ザッハークの台頭」)。〕〔岡田 (1982), p. 40.(II 国造りの神話 「蛇の王ザッハーク」)。〕〔久保田ら (2002), p. 116.〕。ザッハークは、1万頭ものアラビア馬を持っていたので、パフラビー語で「1万」を意味するペイヴァルアスプとも呼ばれていた。また、権力を求めていたがゆえに、ほとんどの時間を馬上で過ごしていた〔〔カーティス,薩摩訳 (2002), p. 59.〕。
ある時、世の中の平和をかき乱さんとする悪霊イブリース〔『王書 - 古代ペルシャの神話・伝説』による。『ペルシアの神話 - 光の闇のたたかい』と『イスラム幻想世界 - 怪物・英雄・魔術の物語』ではアハリマン、『ペルシャの神話』 p. 58ではアフリマン、『ドラゴン』ではアンラ・マンユ。〕は、このザッハークに近づき、マルダースを弑して王位を簒奪するようそそのかした。ザッハークは父のマルダースの身を思って殺害を拒んだが、悪霊の誘惑に負け、悪霊はマルダースを落とし穴に落として殺した。こうしてザッハークは王となった〔フェルドウスィー,岡田訳 (1999), pp. 32-35.(第1部 第4章「2 ザッハークの台頭」)。〕〔岡田 (1982), pp. 40-41.(II 国造りの神話 「蛇の王ザッハーク」)。〕〔〔カーティス,薩摩訳 (2002), pp. 59-60.〕。
イブリースは若者の姿に変身すると、王となったザッハークの元を訪れ、自分を給仕として雇ってもらった。この給仕は、それまで人々があまり食べなかった動物の肉を美味しく料理し、毎日異なる献立で王に提供した。ザッハークはこれらの料理を気に入り、4日目には給仕を呼んで、望むものを褒美として与えると告げた。給仕が望んだのはザッハークの両肩への口付けであった。肩に口付けたとたんに給仕の姿が消え、直後に、悪霊の呪いによってザッハークの両肩から2匹の黒い蛇が生えてきた。それは切っても切っても次々生えてくる蛇であった。国中から医者が呼ばれたが誰も蛇を無害化することができない。再びイブリースが、今度は医者に変身して王の前に現れ、「その蛇に毎日2人の人間の脳味噌を喰らわせて養ううちに蛇が死ぬだろう」と助言した。もはやそのようにするしかなかった〔フェルドウスィー,岡田訳 (1999), pp. 35-38.(第1部 第4章「3 料理人に化けた悪魔」)。〕〔岡田 (1982), pp. 41-44.(II 国造りの神話 「蛇の王ザッハーク」)。〕〔〔カーティス,薩摩訳 (2002), p. 60.〕。
その頃、近隣の国イランの支配者であるジャムシードは、暴君ゆえについに国民に離反されていた。イランの兵士の一部がザッハークの元に来て、彼を王として迎えたい旨を訴えた。ザッハークはアラブとイランの兵士達をまとめてジャムシードを追い、100年の後についにシナ(中国)の海岸においてジャムシードに鋸を振り下ろし、その700年の治世を終わらせた〔フェルドウスィー,岡田訳 (1999), pp. 38-40.(第1部 第4章「4 ジャムシード王の死」)。〕〔岡田 (1982), p. 47.(III 邪悪の蛇王 「ザッハークの夢」)。〕〔〔カーティス,薩摩訳 (2002), p. 61.〕。
ザッハークはジャムシードの領土を得、民衆に歓迎されたが、やがて彼が支配下に置いた国は暗黒と絶望の国家へと変貌する。なぜなら肩の蛇に人の脳味噌を餌として与えるべく、毎日2人の若者が捧げられたからである。ザッハークはまた、ジャムシードの王女であるシャフルナーズとアルナワーズを自分の元に置いた。こうしてザッハークは、続く千年の間、イランを統治する〔フェルドウスィー,岡田訳 (1999), pp. 40-43.(第1部 第5章「1 第五代 蛇王」)。〕〔岡田 (1982), p. 47-48.(III 邪悪の蛇王 「ザッハークの夢」)。〕〔〔。ある時から、蛇の餌を作る役目に就いた2人のペルシア人男性が、家畜の脳を餌に混ぜることで、犠牲に選ばれた若者の一部を助けるようになった。こうして助かった若者達は砂漠に逃れたが、その子孫がクルド人だという〔〔。
ある時ザッハークは、やがて現れる英雄フェリドゥーン(ファリードゥーンとも)によって自分の支配に終止符を打たれる夢を見た。ザッハークは国中にフェリドゥーンを探し出して捕らえるようにとの命令を出した〔フェルドウスィー,岡田訳 (1999), pp. 43-48.(第1部 第5章「2 蛇王の悪夢」)。〕〔岡田 (1982), pp. 48-50.(III 邪悪の蛇王 「ザッハークの夢」)。〕〔カーティス,薩摩訳 (2002), p. 61.〕。ザッハークは間もなくフェリドゥーンの父を捕らえて処刑し、幼いフェリドゥーンに乳を与えた牝牛も見つけ出すと周囲の動物ごと殺した。成長したフェリドゥーンは母からこれらの事を教えられ、復讐を決意しその時を待った〔フェルドウスィー,岡田訳 (1999), pp. 48-52.(第1部 第5章「3 フェリドゥーンの誕生」)。〕〔岡田 (1982), pp. 51-55.(III 邪悪の蛇王 「ファリードゥーンの誕生」)。〕。やがて、多くの息子達の命をザッハークに奪われた鍛冶屋のカーヴェが、王に反逆の意志を表し、大勢の人々を集めてフェリドゥーンの元に現れた〔フェルドウスィー,岡田訳 (1999), pp. 52-59.(第1部 第5章「4 革命の口火」)。〕〔岡田 (1982), pp. 56-60.(III 邪悪の蛇王 「かじ屋のカーヴェ」)。〕〔カーティス,薩摩訳 (2002), pp. 61-62.〕。フェリドゥーンは人々を率いて出陣した。ザッハークの居城に進撃した際、ザッハークは不在だったが、ジャムシードの2人の王女を助け出すことができた〔フェルドウスィー,岡田訳 (1999), pp. 59-63.(第1部 第5章「5 フェリドゥーンの出撃」)。〕〔岡田 (1982), pp. 61-64.(III 邪悪の蛇王 「牛頭の矛」)。〕。遠征先にいたザッハークはこの事態を知らされ、かつての夢を思い出した〔フェルドウスィー,岡田訳 (1999), p. 63.(第1部 第5章「5 フェリドゥーンの出撃」)。〕〔岡田 (1982), pp. 65-66.(III 邪悪の蛇王 「ザッハークとの戦い」)。〕。
ザッハークは急いで国に戻ったが、国民は皆フェリドゥーンに味方し、ザッハークを攻撃してきた。間もなくザッハークはフェリドゥーンと相まみえたが、シャフルナーズらがフェリドゥーンに寄り添っているのを見て嫉妬にかられた。ザッハークとフェリドゥーンの一騎打ちは、フェリドゥーンが鍛冶屋に作らせた牛頭の矛によってフェリドゥーンの勝利となった。フェリドゥーンはザッハークを殺そうとしたが、天使ソルーシュ(スラオシャ)に「その時にあらず」と制止した。ザッハークは捕縛され、国民からの罵声を浴びつつ、ダマーヴァンド山近くのシールハーンまで連れて行かれた。そこでフェリドゥーンが再びザッハークを殺そうとしたが、またもソルーシュに遮られた。ザッハークは、ソルーシュの助言に従ったフェリドゥーンの手でダマーヴァンド山に幽閉された〔フェルドウスィー,岡田訳 (1999), pp. 63-69.(第1部 第5章「6 鎖につながれた蛇王」)。〕〔岡田 (1982), pp. 66-67.(III 邪悪の蛇王 「ザッハークとの戦い」)。〕〔久保田ら (2002), pp. 116-117.〕。ザッハークの心臓からは血が滴り落ち続けたという〔〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ザッハーク」の詳細全文を読む




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