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エルスタル : ウィキペディア日本語版
エルスタル

エルスタル(Herstal)は、ベルギーの自治体。ワロン地域リエージュ州に属し、すぐ近くをマース川が流れる。古くはエリスタル(Heristal、Héristal)と呼ばれたほか、英語風にハースタルとも表記される。
リエージュの北東5kmに位置するため、人口およそ60万人の「グレーター・リエージュ」の一部を構成している。自治体は旧来のミルモール、ヴォッタン、リエの各コミューンが合併して誕生したが、リエは現在のジュプレルと土地を分け合った。現在は大手銃器メーカーの工場があり、地域で雇用を創出している。
== 歴史 ==

=== メロヴィング朝とカロリング朝の黄金時代 ===
マース川のほとり、地域資源にも恵まれたこの地には紀元前五千年紀から人が定住していた。ローマ時代が終わり、メロヴィング朝が勃興すると村落は軍事拠点となり、Heristalとして知られていた。トンヘレンアーヘンをつなぐ街道はこの地でマース川を渡ったことから、交通の要衝でもあった。
メロヴィング王テウデリク3世のもとアウストラシアネウストリア宮宰を務めたピピン2世は、トンヘレン、マーストリヒトリエージュなどの都市に近いこの地を居住地と定めた。彼はトゥール・ポワティエ間の戦いでの決定的勝利によりアラブ人の北西ヨーロッパへの侵略を阻んだカール・マルテルの父でもある。さらに、マルテルの孫のカール大帝もおそらくエルスタルで生まれ〔「物語 ベルギーの歴史」p10 松尾秀哉 中公新書 2014年8月25日〕、最低でも15年は住んだとされる。しかし、カール大帝がアーヘンに中心地を移したのに伴い、帝国の中心都市としてのエルスタルの中世の栄光は終焉を迎えた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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