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アデノ随伴ウイルス : ミニ英和和英辞書
アデノ随伴ウイルス[アデノずいはんウイルス]
AAV (Adeno-Associated Virus)
===========================
アデノ随伴ウイルス : [あでのずいはんういるす]
 AAV (Adeno-Associated Virus)
随伴 : [ずいはん]
  1. (n,vs) (1) attendance 2. accompanying 3. following 4. (2) adjoint (math)
: [とも]
  1. (n,vs) companion 2. follower 
ウイルス : [ういるす]
 【名詞】 1. virus 2. (n) virus
アデノ随伴ウイルス : ウィキペディア日本語版
アデノ随伴ウイルス[あでのずいはんういるす]

アデノ随伴ウイルス()とはヒトや霊長目の動物に感染する小型(20nm程度)の、パルボウィルス科ティンペンドウィルス属に分類されるヘルパー依存型のエンベロープを持たないウイルス。非常に弱い免疫反応しか引き起こさないず、病原性は現在の所確認されていない。分裂期にある細胞にもそうでない細胞にもゲノムを送り込むことができ、宿主細胞にゲノムを送り込まずとも染色体外で生存することができる 。そのような特色があるためにベクターウイルスを用いた遺伝子治療やヒトの疾患モデル細胞の作成などに用いられる。
== 遺伝子治療ベクター==

=== 利点と欠点 ===
野生型のAAVは、病原性の欠落を主とする様々な特徴のために、遺伝子治療の研究者から多くの興味を集めてきた。このウィルスは、分裂していない細胞へと感染し、宿主細胞の19番染色体上のAAVS1と呼ばれる領域に挿入される。この特徴は、ランダムな遺伝子挿入とそれによる突然変異や細胞の癌化を引き起こすレトロウイルスに比べて優れたものである。AAVの遺伝子の挿入はAAAVS1において発生するものがほとんどであり、ランダムな挿入は無視できる割合でしか発生しない。しかし、ウィルスベクターとしてのAAVの研究が進むにつれて、rep遺伝子とcap遺伝子を取り除くことで、この遺伝子の挿入能力も取り除かれている。
遺伝子治療のために作られた遺伝子配列は、プライマーの働きをする末端逆位配列(ITR)の間に挿入される。ウィルスによって作られた一本鎖DNAは、宿主細胞のDNAポリメラーゼによって二本鎖DNA になり、コンカテマーを形成する。分裂していない細胞においては、コンカテマーはそのままの状態で保存される。一方で分裂する細胞においては、エピソームDNAは宿主細胞によって複製されてないのでAAVのDNAは失われる。また、AAVは免疫原性をほとんど持っていないために抗体があまり産生されい。そのために、抗体依存性細胞傷害が明確には見られない 。
一方でこのウィルスベクターを持ちることによるデメリットも存在する。AAVに搭載できる遺伝子配列は比較的限られており、多くの場合この遺伝子の4.8 kbpの配列を完全に置き換える必要がある。したがって大きな遺伝子はAAVベクターの使用には適していない。また、ウィルスの感染による液性免疫系の活性が発生することもデメリットとなる。免疫系によりAAVが無力化されるため、いくらかの用途ではAAVのメリットが制約される。そのため、多くの臨床実験では、免疫系の活性が弱い脳で行われている。
以上のように、AAVは、ウィルスベクターとして優れた特徴を持つために変種もつくられている。例えば自己相補型AAV(scAAV)は、二本鎖DNAを最初から形成するAAVの変種であり、通常のAAVと違い二本鎖DNAを形成する時間がかからないために効率に優れている。しかしながら、scAAVは二本鎖DNAを形成するため二本分の遺伝子配列を搭載するために通常のAAVにくらべて搭載できる遺伝子の大きさが半減する 。またscAAVは通常のAAVより高い免疫原性を保有しており細胞傷害性T細胞をより強く活性化させてしまう。


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「アデノ随伴ウイルス」の詳細全文を読む




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