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RP-3 : ウィキペディア日本語版
RP-3[あーるぴー3]


RP-3Rocket Projectile 3 inch:ロケット発射体3インチ)は、第二次世界大戦中に使用されたイギリスロケット弾である。主に空対地攻撃兵器として使用されたが、限定的にその他の用途にも使用された。の弾頭を持つものはその名の通り「60 lb ロケット」、の中実徹甲弾頭版は「25 lb ロケット」と呼ばれた。これらのロケット弾は一般的にイギリス空軍戦闘爆撃機が戦車、列車、輸送車両や建造物への攻撃に、空軍沿岸航空軍団イギリス海軍の航空機がUボートや船舶への攻撃に使用した。
== 歴史 ==
航空機から発射されるロケット弾が最初に使用されたのは第一次世界大戦中のことであった。この"非回転式発射体"("Unrotated Projectiles")はニューポール戦闘機の翼間支柱に装着されたル・プリエールロケット弾であり、観測気球への攻撃に使用されてかなりの成果を収めた。ソッピース ベイビーパップと郷土防衛隊(Home Defence)のRAF B.E.2もこのロケット弾を装備した〔Aeroplane Monthly June 1995〕。
大戦の終わりにイギリス空軍は航空機から発射するロケット弾を使用した潜在的価値を忘れ縮小する意図であったが、イギリス海軍は低空で飛来する航空機へ対抗する兵器としての使用を目して1940年の終わりから英国の各所は従来の対空砲を補完するものとして続々と増加する"Z-バッテリー" ロケット砲で防衛されていた〔〔The Blitz Then and Now: Volume 3〕。
ロンメル将軍指揮のドイツ軍勢が1941年初めに西部砂漠の戦況に介入すると砂漠航空軍は膨大な数の装甲戦闘車両、特にドイツ軍が装備する重装甲のIII号戦車IV号戦車を損傷/破壊できる能力を持つ兵器を持ち合わせていないことが明らかになった。早急に何らかの対処が必要とされ1941年4月に最高技術責任者(the Chief Scientist)のヘンリー・ティザードは「装甲車両への攻撃方法」研究のための検討会を招集した〔。
調査された兵器の中には、40 mm ヴィッカース S砲やコヴェントリー兵器工廠で製造された関連兵器と共にボフォース 40mm機関砲ベル P-39 エアロコブラに搭載された米軍の37 mm T9機関砲があったが、これらは既に軽戦車や物資輸送車列にしか効果が無いことが判明しており、重量や反動吸収の困難さから戦闘爆撃機により大型の機関砲を搭載することは考慮から外された。検討会の議長アイヴァー・ボーウェン(Ivor Bowen、兵器研究の副部長)は重装甲の戦車を破壊/無力化する能力を持つ大型の弾頭を運ぶ手段としてロケット発射体を使用する方向へ考えを転換した。情報はバルバロッサ作戦序盤にドイツ軍の地上部隊に対して非誘導のRS-82 ロケット弾を使用し始めたばかりの赤軍からもたらされた〔〔。この兵器の生産の立ち上げを援助するためのソ連の技術班の派遣は1941年8月に実現するはずであったが、イギリスがホーカー ハリケーン装備の飛行団とロシア人の航空搭乗員の訓練を提供したにもかかわらずソ連側の提案は取り下げられた〕。
1941年9月までにUP(Unrotated Projectiles:非回転式発射体)の2つの型が開発されることになった。
*23 lb のプラスチック爆薬を搭載した標準の UP
*20 lb の徹甲弾頭を搭載した UP
2インチ版がヴィッカース S砲よりも低威力であることが判明するとZ-バッテリーで使用されている2 インチ ロケット砲を基に開発されることになる3 インチ版の開発に集中することが決められた〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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