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LE-7A : ウィキペディア日本語版
LE-7A[えるいー7えい]

LE-7Aは、日本の宇宙開発事業団(NASDA)が三菱重工業石川島播磨重工業と共に開発した液体燃料ロケットエンジンである。H-IIロケット第一段に使われていたLE-7エンジンを改良したもので、H-IIAロケットの第一段には1基、H-IIBロケットの第一段には2基使用されている。
== 概要 ==
LE-7Aは日本初の国産第一段主エンジンであるLE-7の後継として1994年から2000年にかけて開発された。2001年夏にH-IIAロケット試験機1号機が打ち上げられ初めて使用された。2015年8月までに、H-IIAロケットとH-IIBロケットが合わせて33機打ち上げられたが、LE-7Aを起因とする打ち上げ失敗は発生しておらず、高い信頼性を保持している。
LE-7Aの原型のLE-7には、H-IIロケット8号機の失敗の原因となった、液体水素 (LH2) ポンプの低速動作時に特異な振動の問題があったため、LE-7Aではインデューサの形状を変更し、作動領域の拡大・耐久性の向上・旋回キャビテーションの抑制を行った。改良型液体水素ポンプはH-IIAロケット2号機(2002年2月4日打ち上げ)以降に使用されている。その後も液体酸素(LO2) ポンプの吸い込み性能の向上と、旋回キャビテーションによるインデューサの軸振動抑制のための改良が進められ、改良型液体酸素ポンプはH-IIBロケット試験機(1号機、2009年9月11日打ち上げ)から使用されている。
当初計画では、ノズルスカートは2分割構造で、上部ノズルスカート(再生冷却構造)のみの「短ノズル仕様」と、下部ノズルスカート(フィルム冷却)を組み合わせた「長ノズル仕様」を必要に応じて使い分け、様々な重量の衛星打ち上げに対応することを目指していた。より打ち上げ能力が要求される場合には、再生冷却型の上部ノズルにフィルム冷却方式の下部ノズルスカートを追加してエンジンの能力を上げる予定だった。しかし「長ノズル仕様」の開発段階において、エンジン始動および停止時に上部と下部との境目で起きる燃焼ガスの流れの乱れ(剥離)のため、過大な横方向の振動がおき、エンジンの向きを変えるためのアクチュエータに大きな負荷が掛かる問題が発生した。このため、H-IIAロケットの1号機から7号機、10号機は「短ノズル仕様」で打ち上げられた。この問題を解決するために、一体型の完全再生冷却型長ノズルが開発され、8号機、9号機と11号機以降の打ち上げに使用された。
LE-7Aに限らずロケットエンジンは、耐久性を犠牲にしても軽量化と高出力化を求めた設計がなされる。LE-7Aではわずか10回の起動と停止が行なえるという条件で設計されている〔『国産ロケットはなぜ墜ちるのか』松浦晋也、日経BP社 ISBN4-8222-4383-4〕。また、限界燃焼時間は累計で2000秒までとなっている。
なお、LE-7Aは設計当初からクラスター化を前提としている。当初H-IIAにLE-7Aを2基搭載したLRB(液体ロケットブースタ)を追加する推力増強型の開発が計画されていたが中止され、代わりに第一段にLE-7Aを2基搭載したH-IIBロケットが開発された。H-IIBの1号機(実証試験機)は2009年秋に打ち上げられ、打ち上げは成功した。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「LE-7A」の詳細全文を読む




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