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ELIZA : ウィキペディア日本語版
ELIZA[いらいざ]

ELIZA(イライザ)は初期の素朴な自然言語処理プログラムの1つである。対話型(インタラクティブ)であるが、音声による会話をするシステムではない。スクリプト (script) へのユーザーの応答を処理する形で動作し、スクリプトとしてはDOCTORという来談者中心療法のセラピストのシミュレーションが最もよく知られている。人間の思考や感情についてほとんど何の情報も持っていないが、DOCTORは驚くほど人間っぽい対話をすることがあった。MITジョセフ・ワイゼンバウムが1964年から1966年にかけてELIZAを書き上げた。いわゆる人工無脳の起源となったソフトウェアである。
ユーザー(患者役)の入力する文がDOCTOR内の非常に小さな知識ベースの範囲外のものだった場合、DOCTORは一般的な応答を返す。例えば、「頭が痛い」と言えば「なぜ、頭が痛いとおっしゃるのですか?」などと返し、「母は私を嫌っている」と言えば「あなたの家族で他にあなたを嫌っている人は?」(この場合「母」が「家族」の下位概念である、という知識ベースは必要である)などと返す。単純なパターンマッチ技法を使っているが、一部のユーザーはワイゼンバウムがその仕組みを説明しても納得せず、ELIZAの応答を真剣に受け止めた。
== 概要 ==
ワイゼンバウムは、DOCTORについて「初期の精神医学的インタビューにおける無指向性精神療法医の反応」の「パロディ」であると述べている。彼が精神療法を選んだのは「実世界の知識に関するデータベースをプログラムに入力するという問題を避けるため」であり、精神療法という状況は人間同士の対話でありながら、その対話内容に関する知識をほとんど必要としないという特徴があったためである。例えば「好きな作曲家は?」という質問には「あなた自身の好きな作曲家は?」とか「その質問は重要ですか?」などと返すことができ、作曲家に関する知識を必要としない。
ELIZAという名前はジョージ・バーナード・ショーの戯曲『ピグマリオン』の登場人物イライザ・ドゥーリトルにちなんだものである。彼女は上流階級アクセントでの話し方を教えられる労働者階級の役である。
ワイゼンバウムは当初、独自のリスト処理言語SLIPで実装した。簡単な構文解析を行い、抜き出したキーワードを決まり文句に埋め込む。ユーザーが最初に入力する文章によっては、対話の相手が人間であると言う幻想は即座に消し去られることもあるし、何度かのやり取りを続けることができる場合もある。時には対話が非常にうまくいき、マシンの真の理解力不足が明らかになるまで数分間DOCTORと感情的にやりとりした人々の逸話は数多い。これは全て、人間側がコンピュータの出力した文に独自に意味を読み取った結果である。
1966年当時、対話型コンピューティングは目新しかった。パーソナルコンピュータが一般化する約15年前であり、インターネット(Ask.com)やアプリケーションソフト(クリッパー)での自然言語処理が一般化する30年も前のことである。これらのプログラムは長年の研究の成果であるが、ELIZA は人間とマシンの対話を人間と人間の対話に見せかけようとした最初の試みとして記録に残るだろう。
1976年、ワイゼンバウムの書いた記事 "Computer Power and Human Reason" が ''The New Media Reader'' 誌に掲載された。その中でワイゼンバウムは人々がいかに素早くかつ深くそのコンピュータプログラムに感情的に没頭したかを記している。対話の記録を見ようとするとプライバシーの侵害だとして拒んだり、対話中は部屋に一人きりにしてくれと頼んだりといったことがあったという。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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