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瓢鮎図 : ウィキペディア日本語版
瓢鮎図[ひょうねんず]

瓢鮎図(ひょうねんず)は、日本の初期水墨画を代表する画僧・如拙作の絵画作品である。日本の国宝に指定されている。
== 解説 ==
室町幕府将軍足利義持の命により、ひょうたんナマズを押さえるという公案を描いたもので、1415年応永22年)以前の作。京都市の妙心寺塔頭・退蔵院の所蔵。国宝。画面上半には、大岳周崇の序と玉畹梵芳など30人の禅僧による画賛がある。
画の上部にある大岳周崇の序によると、この作品は「大相公」が僧如拙に命じて、「座右之屏」に「新様」をもって描かせたものであることがわかる。「大相公」については、足利義持を指すと見るのが定説となっている。「新様」の意味については諸説あるが、「中国(南宋)伝来の新しい画法」という意味に解釈するのが一般的である。現状では掛軸装で、上半分に序と賛、下半分に絵があるが、元は義持の「座右之屏」(ついたて)の表裏に絵と賛がそれぞれ表されていたものである。
図は水流の中を泳ぐナマズ(題名の「鮎」はナマズの意)と、ヒョウタンを持ってそれを捕らえようとする一人の男を表す。男はヒョウタンをしっかり抱え持っているようには見えず、危なっかしい手つきである。左前景には数本の竹、遠景に山々を表す。主たるモチーフを画面の左下に集め、画面右方を広い空間とする構図法は「残山剰水」「辺角の景」と呼ばれるもので、南宋の画家馬遠が得意としたものである。また、人物の描法には同じ南宋の梁楷の「減筆体」の影響がうかがわれる。このように本作品は、南宋院体画の影響を強く受けたものであり、日本の初期水墨画を代表する人物である如拙の筆であることが確実な遺品として、日本絵画史上貴重な遺品である。
制作年代については、賛者の活動年代から、応永20年(1413年)前後と考えられており、賛者の一人である太白真玄が応永22年(1415年)に没していることから、この年が制作年代の下限となる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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