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強ヘリウム星 : ウィキペディア日本語版
強ヘリウム星[つよへりうむぼし]
強ヘリウム星(Extreme helium star、EHe)は、宇宙で最も普遍的に存在する元素である水素をほとんど持たない低質量の超巨星である。水素を欠いた恒星を形成するような環境の分子雲はないことから、これらはヘリウムの多い型(DBまたはDO)と炭素及び酸素の多い型(DQ)の2つの白色矮星が融合したものだと考えられている。
強ヘリウム星は、水素欠乏星の中の1つのカテゴリーである。水素欠乏星には、かんむり座R星のような冷たい炭素星やヘリウムの豊富なスペクトル型OまたはBの恒星、種別Iウォルフ・ライエ星りょうけん座AM型星、WC型の白色矮星、PG 1159星のような遷移段階の恒星等が含まれる。
1942年にアメリカ合衆国オースティンマクドナルド天文台で、ダニエル・M・ポッパーが初めて強ヘリウム星HD 124448を発見した。この恒星は、スペクトル中に水素の線を持たず、炭素と酸素の存在の他に強いヘリウムの線があった2つめのぼうえんきょう座PV星は、1952年に発見された〔。これらの恒星の共通の特徴として、ほかの元素の存在量比は様々であるにも関わらず、ヘリウムに対する炭素の存在量の比は、常に0.3から1%である。
既知の強ヘリウム星は超巨星であり、水素は1万分の1以下になっている。表面温度は9000Kから3万5000Kで、最も多いヘリウムと2番目に多い炭素の原子数の比は、約100:1である。このような元素組成は、進化の過程のある段階で、水素燃焼とヘリウム燃焼を経てきたことを示す〔。
強ヘリウム星の形成について、以下の2つのシナリオが提案されている。
#二重変性モデル(DDモデル)では、強ヘリウム星の形成を次のように説明する。より小さなヘリウムに富む白色矮星とより大きな炭素と酸素に富む白色矮星からなる連星の両方で、核融合によるエネルギーの生産が終わり、コンパクト星となる。重力波の放出により、軌道が小さくなってこれらは融合する。合計の質量がチャンドラセカール限界を超えなければ、ヘリウムは残り、超巨星に進化する。後に冷えて白色矮星になる前に、強ヘリウム星となる〔。
#最終閃光モデル(FFモデル)では、強ヘリウム星の形成を次のように説明する。恒星が冷えて白色矮星になる際、核の周りの殻でヘリウムが点火し、外層が急激に拡張する。外層中の水素が消費され尽くすと、恒星の水素が欠乏し、収縮して強ヘリウム星となる〔。
7つの強ヘリウム星の構成元素量は、DDモデルによって予測された値と一致した〔。
==出典==


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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