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中国人剰余定理 : ウィキペディア日本語版
中国の剰余定理[ちゅうごくのじょうよていり]

中国の剰余定理(ちゅうごくのじょうよていり、)は、中国の算術書『孫子算経』に由来する整数剰余に関する定理である。あるいは、それを一般化した可換環論における定理でもある。中国人の剰余定理(ちゅうごくじんのじょうよていり)、孫子の定理(そんしのていり、)とも呼ばれる。
『孫子算経』には、「3で割ると2余り、5で割ると3余り、7で割ると2余る数は何か」という問題とその解法が書かれている。中国の剰余定理は、この問題を他の整数についても適用できるように一般化したものである。
== 背景 ==
3~5世紀頃成立したといわれている中国の算術書『孫子算経』には、以下のような問題とその解答が書かれている〔著者不詳『孫子算経』第26巻下〕。

今有物、不知其数。三・三数之、剰二。五・五数之、剰三。七・七数之、剰二。問物幾何?
答曰:二十三。
術曰:『三・三数之、剰二』、置一百四十。『五・五数之、剰三』、置六十三。『七・七数之、剰二』、置三十。并之、得二百三十三。以二百一十減之、即得。凡、三・三数之、剰一、則置七十。五・五数之、剰一、則置二十一。七・七数之、剰一、則置十五。一百六以上、以一百五減之、即得。

日本語では、以下のようになる。

今物が有るが、その数はわからない。三つずつにして物を数えると〔「三で割ると」の意。以下そのように訳す。〕、二余る。五で割ると、三余る。七で割ると、二余る。物はいくつあるか?
答え:二十三。
解法:三で割ると、二余る数として、百四十と置く。五で割ると、三余る数として、六十三と置く。七で割ると、二余る数として、三十と置く。これらを足し合わせて、二百三十三を得る。これから二百十を引いて、答えを得る。一般に、三つずつにして物を数え、一余ると、その度に七十と置く〔「三で割った余りに七十をかける」の意。以下そのように訳す。〕。五で割った余りに二十一をかける。七で割った余りに十五をかける。百六以上ならば、百五を引くことで、答えを得る。

この問題がいつ頃から知られていたかについては定かではない。この問題は、『孫子算経』とともに日本にも伝わり、後に和算の隆盛した江戸時代には、「百五減算」として知られた。



抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「中国の剰余定理」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Chinese remainder theorem 」があります。



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