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リード・リチャーズ : ウィキペディア日本語版
リード・リチャーズ

ミスター・ファンタスティック(Mr.Fantastic)ことリード・リチャーズ(Reed Richards)は、『ファンタスティック・フォー』などの登場人物。
==能力とパワー==
リード・リチャーズは宇宙線を浴びた事によって体を柔軟に変形させる能力を得た。ニール・ガイマン作のシリーズ『マーベル1602』ではリチャーズの能力は水の元素と関係したものである。彼と水の元素との関連性は『ヒーローズ・リボーン:ファンタスティック・フォー』や『X4: X-メン&ファンタスティック・フォー』、『アルティメット・ファンタスティック・フォー』、『ファンタスティック・フォー』232号、『マーベルボーイ』、グラント・モリソンのミニシリーズ『ファンタスティック・フォー1234』などでも言及されている。
自らの体を思い通りの形に変形させる能力を持ち、実質的にどんな形にも伸縮、変形、体を伸ばす事で攻撃や防御に役立てる事が出来る(例:自分の体を圧縮してボールにし敵にぶつかる、体を薄く伸ばして仲間を助けるためのトランポリンパラシュートになるなど)。また時として体を分子サイズにまで絞り込んで隙間を通り抜ける事が出来る。痛みを感じる事なく体を捻ったり変形することができ、最大で約3マイルも体を伸ばす事が出来る。彼は暴力を好まないため、大抵敵を体で包み込んで制御し、説得しようとする。敵を閉じ込めるため、体を薄く伸ばして屈服するまで包み込む。他の応用法としては、肺を膨らませて長時間呼吸を持続させたり、角膜網膜との距離を調節して視力の倍率を調整する事ができる。さらに少なくとも一度は、内のシナプス間の距離を縮めて信じられないほどのスピードで思考を進めた事がある。彼はまた、脳や小脳を引き延ばしてX-メンの指導者プロフェッサーXがミュータントを発見するために用いるコンピュータシステム、セレブロを手助けした事もある。
超人的な耐久力と伸縮自在という特性により、通常の銃弾ナイフミサイルダーツなどほとんどの射出武器によって傷つけられる事はなく、跳ね返すことが出来る。しかしながら完全に不死身というわけではない。異星の寄生生物ブルードの女王に斬りつけられて皮膚が切り裂かれたこともあるし、エリザベス・クロムウェルが作り出した地獄に直接繋がる穴に到達したときには、手を伸ばしたランダムデーモンによって(不可解にも)腕を折られている。またたびたび頭部に外傷を負って意識を失っている。彼の身体はゴムが持つ弱さは全て持ち合わせており、極度の高温に晒されたときは体が融けて弱くなり、極度の低温に晒されたときは凍りつきひび割れる。彼は時々この分子コントロールの応用を実演している。感情操作マシンを操るヴィラン、サイコマンに閉じ込められた時には、深い瞑想によってほとんど液体に近い状態になり、極限まで隙間のないガラス容器から流れ出す事が出来た。
彼の変形する肉体は攻撃者にとって彼を捕獲したり拘束したりする事を難しくしているが、エネルギー兵器の類や強制的に彼を限界まで引き延ばして肉体的な痛みを引き起こす飴伸ばし機のような形式の機械には弱い。また精神的なストレスで固体の状態を一時的に失わせる類の攻撃にも弱い。
変形能力を応用して、自分の体格を変える事もできる。これにより別の人物や無生物に化けることができる(異星人の体形を真似た事もある)。また質量を体の一部分に集中させる事もでき、拳を巨大化させて堅いハンマーメイスのような武器にする事ができる。このような離れ業には極度の集中力が要求されるが、訓練や精神的な修行のおかげでかなり素早く実行できるようになっている。これらを複合的に用いて、体のサイズと容積を増やして筋力を増大させ、シングのような体形に巨大化させた事がある。
彼の強さは肉体的な力より、精神の力に由来する部分が多い。実際彼はスパイダーマンに対して、彼の知能に比べて彼の伸縮能力は消耗的であると考えていると述べている。〔''Marvel Team-Up''#132〕 リード・リチャーズは観念的な理論家であり、機械工学のひらめきを有する職人であり、スペーストラベルタイムトラベル、異次元トラベル、生化学、ロボティックス、コンピュータ、高分子合成、コミュニケーション、ミューテーション(突然変異)、トランスポーテーション、ホログラフ、エネルギー生成、スペクトル分析など多くの分野で技術的ブレークスルーをもたらしている。さらに数学、物理学、工学の博士号を持っていて、しばしばステファン・ホーキングの研究の改訂や異星人の言語の解読などで知られている。彼は地球上の科学的コミュニティの多くから、地球上で最も強力な知能の持ち主と見なされており、それはドクター・ドゥームをしばしば苛立たせる。リードは実質的に地球上のあらゆる科学における天才であるだけではなく、既知宇宙に存在する高度に発達した異星文明のいくつかの中でも有数の知性の持ち主である。リードの所有する特許は貴重なものであり、株式会社ファンタスティック・フォーの資金源となっており、彼らを無用な経済的ストレスから解放している。幾人かのライターが採用した設定では、リードの知能は伸縮可能な能力を与えた宇宙線により拡張されたものとしており、能力が無効化された時には同時に高度な知能も失われている(この時にはドクター・ドゥームについていくのがやっとになっていた)。自ら「エラスティック・コンシャスネス」と呼ぶ能力のおかげでマインドコントロールが通用することは滅多になく、仮に通用したとしても普通の人間の場合よりすぐに効果が切れる。
しかし、Mr.ファンタスティックは決して完璧なわけではない。ファンタスティック・フォーが能力を得るきっかけとなった宇宙船事故は、リードが担当した軽率な計算ミスが直接的な原因である。長年に渡って彼はシングを人間の姿に戻そうとしているが、決定的な解決策は未だに見つかっていない。彼は一度ならず魔法を理解できない事を認めており、(彼が言う所の)"数量化できる法則や規則に基づかない"科学の一面を推測し始める事ができない。しかし、彼は単純な魔法の呪文を使ったことがある。〔''Fantastic Four #500''〕彼はエゴを手放し、彼は実際には魔法を理解していないが存在する事自体は認めるようになった(ドクター・ドゥームは科学に魔法を持ち込む事に成功しており、これは一般的にリードに勝る唯一の点であると考えられている)。
リードは彼の仲間と同じような類の専門的な知識を持ち合わせているわけではない事も認めている。そのような機会は明らかにほとんどないのだが、一般的には特定の狭い分野や応用での経験の欠如を反影するもので、能力の欠如によるものではない。そのような場合、彼は躊躇いなく専門家に助言を求めにいく。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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