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ヒムヤル王国 : ウィキペディア日本語版
ヒムヤル王国[ひむやるおうこく]

ヒムヤル王国(、Mamlakat Ḥimyar)とは、紀元前115年頃〔福原「ヒムヤル王国」『日本大百科全書(ニッポニカ)』 (2014年12月閲覧)〕から525年にかけてアラビア半島南部のヤマン(イエメン)に存在していた国家である。首都は(ラフジュ)。
王国の歴史は成立からエチオピアアクスム王国の攻撃を受ける4世紀頃までの第一期、525年に滅亡するまでの第二期に分けられる〔岩永「ヒムヤル族」『アジア歴史事典』8巻、25頁〕。南アラビア史において主導的な役割を果たした国家であり、同時期に南アラビアに存在していたサバ(シバ)王国ハドラマウト王国と覇権を争った〔前田、近藤、蔀「古代オリエントの世界」『西アジア史』1、118,122-123頁〕。523年ユダヤ教徒の国王ズー・ヌワースがナジュラーンに居住するキリスト教徒を弾圧した事件の後、ヒムヤル王国はアクスム王国、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)、イランサーサーン朝の介入を受けて滅亡する。
== 歴史 ==

=== 第一次ヒムヤル王国 ===
紀元前2世紀アデン東部を支配するカタバーン王国から離脱した諸部族が、イエメン南部の高原地帯にヒムヤル部族連合を形成する〔前田、近藤、蔀「古代オリエントの世界」『西アジア史』1、118頁〕。ギリシャ世界においてヒムヤルの諸部族はホメリタエ(Homeritae)と呼ばれ、博物学者の大プリニウスは「最も多数の種族」と言及した〔。ヒムヤル族はサバ人、の文化と商業を継承し、同じ言語を話していたと考えられている〔ヒッティ『アラブの歴史』上、134頁〕。アラブの系譜学において、ヒムヤル族の祖であるヒムヤルは、南アラブの祖であるカフターンの玄孫に位置づけられている〔イスハーク『預言者ムハンマド伝』1、9,523頁、イブン・イスハーク『預言者ムハンマド伝』4(イブン・ヒシャーム編註、後藤明、医王秀行、 高田康一、高野太輔訳, イスラーム原典叢書, 岩波書店, 2012年1月)、系図128頁〕。
インド洋地中海を結ぶ交易ルートが「香料の道」と呼ばれる陸路から紅海を経由する海路に移ると、紅海沿岸の港を支配するヒムヤル族はその恩恵を受け、紀元前1世紀から1世紀にかけて急速に発展する〔蔀「ヒムヤル」『古代オリエント事典』、709頁〕。紀元前25年、ローマの将軍アエリウス・ガルスの率いる遠征軍が富を求めて南アラビアに侵入する事件が起きる〔。遠征軍は酷暑に屈して撤退し、サバの首都マアリブに到達することはできなかった〔。
1世紀にヒムヤルはサバと連合王国を形成し〔、連合国家はサバ・ヒムヤル王国と称された〔。その後両国は再び敵対し〔、2世紀末にヒムヤルの首都がザファールに移される〔。ザファールが首都とされた理由について、マァリブを経由する乳香交易路の衰退、インド洋交易に適したザファールの立地が一因であったと推測されている〔。ザファールを統治したヒムヤル王カリバ・イル・ワタル(カリバエル、チャリバエール)は、ローマ帝国と交流を持ったと伝えられている〔。
2世紀末、ローマ帝国の衰退に乗じて勢力を拡大しつつあるエチオピアアクスム王国が、紅海を越えて南アラビアに進出する〔前田、近藤、蔀「古代オリエントの世界」『西アジア史』1、122-123頁〕。アクスム王自らがアラビア半島に遠征し、従来ヒムヤルとサバの領有下にあったアラビア半島南西部の沿岸地域、高原地帯の一部がアクスムの支配下に置かれた〔蔀「ヒムヤル王国トゥッバァ朝の実体に関する一仮説」『東洋学報』86巻4号、07-08頁〕。アラビアに進出したアクスムは当初サバ、ハドラマウトと同盟してヒムヤルに敵対していたが、ヒムヤルが内紛で弱体化し、サバの勢力が強まると、ヒムヤルと同盟してサバに対抗した〔。3世紀末にヒムヤル王シャンマル・ユハルイシュはサバ、ハドラマウトを併合して南アラビアの統一に成功する。だが、ヒムヤルの統一事業の達成にはアクスムの支援が大きな役割を果たしていたとする見解も存在する〔前田、近藤、蔀「古代オリエントの世界」『西アジア史』1、123頁〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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