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ギュゲースの指輪[ぎゅげーすのゆびわ] ギュゲースの指輪(ギュゲースのゆびわ)は、自在に姿を隠すことができるようになるという伝説上の指輪である。リュディアの人ギュゲスが手に入れ、その力で王になったという。 == 伝説 == ギュゲスの指輪の話は、プラトンの著作『国家』(ポリテイア)に記されている。ギュゲスという羊飼いは、あるとき地震によって開かれた洞窟に入り、青銅の馬をみつけた。馬の体の空洞には金の指輪を付けた死体があった。この指輪は玉受けを内側に回すと周囲から姿が見えなくなり、外側に回すと見えるようになるという不思議な力をもっていた。ギュゲスは王に家畜の様子を報告する使者の一人となって宮殿に入り、王妃に近づいて姦通した。それから二人で密謀して王を殺し、王位を簒奪した〔『国家』第2巻第3節、ステファヌス全集359頁D-360頁B、岩波文庫上巻108-109頁。〕。ギュゲスは豪富によってギリシャ人によく知られたクロイソス王の先祖である。 しかしヘロドトスの『歴史』には、透明になる指輪の話はなく、王に強いられていやいや王妃の裸を覗き見した臣下ギュゲスが、怒った王妃に王殺しを迫られたと伝える〔ヘロドトス『歴史』第1巻8-12、岩波文庫版上巻16-19頁。〕。古代ローマのキケロは、指輪の話が事実でないと考えられていたことを紹介している〔『義務について』第3章9節、岩波文庫版160頁。〕。
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Ring of Gyges 」があります。
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