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おぞましい二人 : ウィキペディア日本語版
おぞましい二人[おぞましいふたり]

おぞましい二人』(おぞましいふたり、)は、絵本作家エドワード・ゴーリーによるアメリカの大人向け絵本1977年刊行。日本で長らく仮訳題『おぞましい夫婦』として各種書籍で紹介されていたが〔ゴーリー (2003)、52-55頁。〕〔濱中編 (2002)、103-105頁。〕、2004年柴田元幸の日本語訳により『おぞましい二人』の題で発行された。
== 概要 ==
ゴーリーの著書の中で唯一、彼がどうしても書かずにいられなかったという作品であり〔ゴーリー (2003)、141頁。〕、1960年代イギリスで現実に起きた事件「ムーアズ殺人事件」をもとに描かれた〔。この事件は、イギリスの2人の男女が4年間にわたって5人の子供を惨殺して荒野に埋めたという事件である〔。ゴーリーは子供が悲惨な目に遭う作品を多く著したことから「もう何年も本の中で子供たちを殺してきた」と自身でも認めている上、何十年にもわたって犯罪関連の書物を読んだものの、この事件を「史上もっとも不愉快な事件のひとつ」と語っており、この事件でひどく不安になり、ひどく動揺したという〔〔、
実際の執筆に際してはゴーリー自身、書くことへの躊躇と書きたいという気持ちを長らく繰り返し、原稿の前で長い間を過ごした末に、ニューヨークの情報誌『ソーホー・ウィークリー・ニュース (soho weekly news)』から「どんなものでも載せる」と執拗な依頼によって執筆に至った〔。挿絵には単調で退屈で、不愉快で魅力を欠いた毒々しい絵が心掛けられており、ゴーリー自身が後に見返すと、想像以上に不愉快な作品に見えたという〔。
こうして本作が完成し、ゴーリーが『ソーホー・ウィークリー・ニュース』に掲載を持ちかけたところ、担当編集者から「冗談だろう」といわれた〔ゴーリー (2003)、185-186頁。〕。あまりに悲惨な内容のために、発売当初は各書店から「こんなものを置けるか」といった非難が続出し、返品の山が築かれた上〔〔濱中編 (2002)、58頁。〕、アメリカの読者からも多くの反感を買った〔柴田 (2004)、「訳者あとがき」より。〕。ある書店からは「これは実にけがらわしい本であると判断いたしました。全従業員が読みましたが、この本を店頭に置くわけにはいきません!〔後掲『どんどん変に…』186頁より引用。〕」と強いコメントが返ったという〔。
日本語訳担当の柴田元幸は、日本版発行以前に東京都大阪府クレヨンハウスで本作を紹介し、本作の日本での出版について意見を募ったところ、東京では反対が多く、大阪はほとんどが賛成だったというエピソードがある。2002年に行われた座談会でも、作家の江國香織、日本で初めてゴーリーのウェブサイトを立ち上げた濱中利信(河出書房新社)らが日本版発行に強く賛同しており、江國は「ぜひ読みたい」と語っていた〔。
本作でゴーリーが最も頭を悩ませた場面でもあり〔、ゴーリー自身が本作で最も良くできたと考えているのは、主人公2人が最初の殺人を犯した翌朝の朝食の場面である。このメニューはコーンフレーク糖蜜カブサンドイッチ合成着色グレープソーダというもので、ゴーリーはこれを「思いつく限りの最低のメニュー」と語っている〔。日本語訳を担当した柴田元幸はこれを、うすら寒いメニューを考え抜くことで2人の生きた惨めな世界をリアルに捉えようとしたものと見ている〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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