翻訳と辞書
Words near each other
・ R35戦車独立中隊
・ R360クーペ
・ R38 (飛行船)
・ R38級飛行船
・ R3Y (航空機)
・ R44 (鉄道車両)
・ R4計画
・ R530 (ミサイル)
・ R550 (ミサイル)
・ R62 (地下鉄車両)
R62号の発明
・ R6V (航空機)
・ RA (航空会社コード)
・ RA-1 エンリコ・フェルミ炉
・ RAA系
・ RAB Newsリアルタイム
・ RAB 月曜夜話
・ RABBIT-MAN (アルバム)
・ RABゲストルーム
・ RABゴールデンナイター


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

R62号の発明 : ウィキペディア日本語版
R62号の発明[あーるろくじゅうにごうのはつめい]

R62号の発明』(アールろくじゅうにごうのはつめい)は、安部公房短編小説SF小説とみなされることもある。会社をになり、自殺しようとしていた機械技師が、国際秘密クラブに自分を「死体」として売り、生きたままロボットにされる物語。労働運動を阻止するため、「人間は機械のよきしもべとなること」というクラブの政策方針のもとに作製された技術ロボットR62号が、かつて自分を解雇した会社に派遣され新式機械を発明し、機械と化した人間が機械を発明して人間に復讐するというパラドックスが描かれている〔渡辺広士「解説」(文庫版『R62号の発明・鉛の卵』)(新潮文庫、1974年。改版2010年)〕〔ゴーシュ・ダスティダー・デバシリタ(Ghosh Dastidar,Debashrita)「安部公房にとってのロボット文学――短篇小説『R62号の発明』をめぐって」(筑波大学文学研究論集、2004年)〕。
1953年(昭和28年)、雑誌『文學界』3月号に掲載。単行本は1956年(昭和31年)12月10日に山内書店より刊行された。文庫版は新潮文庫で重版されている。
== あらすじ ==
失業し、運河に身を投げ自殺をしようとしていた機械技師は、学生から声をかけられ、死体を売ってほしいと頼まれた。そのアルバイト学生から事務所のあるビルへの地図を渡された。事務所の殺風景な窓のない部屋に通され、ベッドに拘束された彼は、の手術をされて人間ロボット・R62号となった。
ビルの地階のホールで開かれた国際Rクラブの第一回大会に集まった代議士高官銀行頭取大企業重役たちを前に、R62号がお披露目された。所長は、「人間の果たすべき役割は機械のよきしもべとなることである」と演説し、クラブの事業計画として、将来は機械の血液成分たる大多数の人間を、すべてロボット化することを目標とし、その手はじめに技術ロボット・R62号を完成させたと発表した。
R62号は経営不振の高水製作所に貸与され、その間自由に仕事をさせることとなった。その製作所は、かつて彼がになった会社だった。アメリカの技師が来ると考えていた高水社長は彼を見て驚いたが、「R62号君の頭は完全にアメリカ製だ」と言う国際Rクラブの所長の説明と、登記がすめば高水もクラブに入会できるという条件で納得した。
7か月経ち、R62号の発明した新式工作機械の試運転が行なわれることになり、高水製作所に関係者が集まった。工場の外では労働者たちが集結し労働運動をしていた。R62号の機械に始動スイッチが押されると、高水社長が機械に抱き込まれた。R62号の説明どおりに機械は作動を続け、社長の指は次々と切断された。血だらけになり追いつめられた社長は、組合運動の労働者たちが「アメリカに売るな」と工場になだれ込んで配電盤のスイッチを切ってくれることを願った。しかしR62号の発明した新式機械は淡々と刃物を動かし続け、社長は惨殺された。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「R62号の発明」の詳細全文を読む



スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.