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首相公選論 : ミニ英和和英辞書
首相公選論[しゅしょう]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [しゅ, くび]
 (n,n-suf) counter for songs and poems
首相 : [しゅしょう]
 【名詞】 1. Prime Minister 2. Chancellor (Germany, Austria, etc.) 
: [そう]
 【名詞】 1. aspect 2. phase 3. countenance
: [こう]
  1. (n,suf) prince 2. lord 3. duke 4. public 5. daimyo 6. companion 7. subordinate
公選 : [こうせん]
  1. (n,vs) public election 
: [せん]
 【名詞】 1. (1) selection 2. choice 3. election 4. (2) compilation 5. editing 
: [ろん]
 【名詞】 1. (1) argument 2. discussion 3. dispute 4. controversy 5. discourse 6. debate 7. (2) theory 8. doctrine 9. (3) essay 10. treatise 1 1. comment

首相公選論 ( リダイレクト:首相公選制 ) : ウィキペディア日本語版
首相公選制[しゅしょうこうせんせい]

首相公選制(しゅしょうこうせんせい)は首相国民選挙によって直接的に選ぶ制度である。
== 概説 ==
首相職を設置する国家では議会による選出か元首による任命が一般的である。しかし、国民の多数が首相就任を望む人物がかならずしも首相に就任するとは限らず、国民の意思と乖離する可能性がある。首相公選制は首相を選挙により直接的に選出することで、国民の意思に基づいた首相による行政運営が行われることを主眼とする。首相公選制は国民によって直接的に選ばれた強力な首相権力の下で政治的統合を図るという点から主張され、実際の制度の運用において政治抗争や政情不安定などの要因がある場合には、それを解決するための一つの方策として首相公選論の導入が主張されることがある〔弘文堂編集部 『いま、「首相公選」を考える』 弘文堂、2001年、3頁以下(中曽根康弘)〕。
首相公選制といっても実質的な大統領制への転換を目指すものや議院内閣制の原理の一部に修正を加えるものなど論者により内容は大きく異なる〔西尾勝著 『行政学(新版)』 有斐閣、2001年、128頁〕。
首相公選制のモデルとしては、まず、議会選挙から切り離して首相を選出するアメリカ型の大統領制を指向するモデルがある(日本では小泉内閣の「首相公選制を考える懇談会」報告書の第一案(国民が首相指名選挙を直接行う案)など)。通常、「首相公選制」というときはこのようなモデルを指して用いられることが多い。このような首相公選制を実施している国家は現在(2012年)存在しないが、イスラエルでは1992年から2001年まで導入していた(首相の選出方法として国民の直接選挙を採用する。ただし、後述のように議会に不信任決議が認められていた)。
このモデルの首相公選制の下では立法権を担う議会とともに行政権を担う首相も国民から直接的に選ばれることになるが、この点は行政権を担う大統領を議会選挙からは独立した選挙によって国民から直接的に選出するアメリカ型の大統領制に近い制度となる(アメリカ大統領選挙予備選挙を経るため間接選挙であるが実質的には直接選挙として機能しているとされる〔毛利透ほか著 『憲法1統治(第5版)』 有斐閣、2011年、231頁〕)。首相公選制は首相の権力基盤の強化という観点から主張される。ただ、本来、大統領制は大統領と議会とが別々に選出され民意が二元的に表れる二元代表制である〔飯尾潤著 『日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ』 中公新書、2007年、18頁〕。アメリカ型の大統領制は立法権と行政権を厳格に分離し権力分立を指向するのに対して、イギリス型の議院内閣制のほうが議会多数党派が行政権の中枢を担うことから権力集中を指向する制度であるとされる〔飯尾潤著 『日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ』 中公新書、2007年、143・154頁〕〔佐々木毅・清水真人編著 『ゼミナール現代日本政治』 日本経済新聞出版社、2011年、376頁〕(イギリスでは「首相統治制」と呼ばれるほど首相権力の強い政治制度となっている〔辻清明著 『行政の過程』 東京大学出版会、1976年、11頁〕)。また、一元代表制である議院内閣制の下では議会多数党派がそのまま内閣を組織して政権を担い、その議会選挙では内閣与党の治績の良否などの点から国民の審判を仰ぐことになる〔西尾勝著 『行政学(新版)』 有斐閣、2001年、103頁〕。これに対して、二元代表制である大統領制に近い首相公選制を採用する場合、首相の所属政党と議会多数派が一致するという保証はないため、首相の所属政党と議会の多数政党が異なる状態となった場合に首相が立法権を有する議会と対立して国政の停滞を招くのではないかとの点や統治責任が議会と首相に分散することになるため責任の所在が不明確化するのではないかといった点が解決すべき問題点として挙げられている〔高橋和之著 ジュリスト1192号「議院内閣制-国民内閣制的運用と首相公選論」 有斐閣、2001年、171頁〕〔〔山口二郎著 『内閣制度』 有斐閣、2007年、99頁〕〔「首相公選制を考える懇談会」報告書 「首相公選制を考える懇談会」首相官邸〕〔橋本五郎・飯田政之・加藤秀治郎著 『Q&A日本政治ハンドブック』 一藝社、2006年、33頁〕。

首相公選制はイタリアなどでも改革案として取り上げられることがあるが〔『参議院憲法調査会における海外派遣調査の概要』p.222〕、フランス議会上院で法務副委員長を務めたパトリス・ジェラールは、首相公選制について首相が議会と対立するからよくない方法であるとし、議会多数派のトップが首相となるイギリスやドイツの方法がよりよいという見解を示している〔『参議院憲法調査会における海外派遣調査の概要』p.331〕。また、フンボルト大学教授のミヒャエル・クレプファーは、首相公選制について難しい問題とした上で、ヴァイマル憲法時代にそれぞれ別に公選される大統領と議会の多数派との対立により政治的に難しい状況に陥ったことを指摘し、ドイツの首相の指導力がなぜ強いかは後任の首相が選出される場合のみ不信任を表明できる建設的不信任の制度による結果であるとしている〔『参議院憲法調査会における海外派遣調査の概要』p.152〕。
これに対して議会選挙を実質的な首相指名選挙として機能させるモデルもある(日本では小泉内閣の「首相公選制を考える懇談会」報告書の第二案(議院内閣制を前提とした首相統治体制案)など〔)。議院内閣制は議会のみが選挙により選出されて内閣はそれを基盤として成立するため民意は一元的に表れる一元代表制である〔飯尾潤著 『日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ』 中公新書、2007年、18頁〕。したがって、国民が首相指名選挙を直接行う案とは異なり「分割政府」の心配はない〔。ただ、首相選出方法をいかに直接的なものに近づけるかといった点が課題となる(小泉内閣の「首相公選制を考える懇談会」報告書の第二案(議院内閣制を前提とした首相統治体制案)は憲法に政党条項を加えて政党が首相候補者の選出について国民参加の余地を広げるよう義務付けるとしている〔)。
先述のように首相公選制といっても制度像は論者により大きく異なっているが特に次の点が制度上問題となる〔山口二郎著 『内閣制度』 有斐閣、2007年、97、99頁〕〔弘文堂編集部 『いま、「首相公選」を考える』 弘文堂、2001年〕。
* 首相の議会解散権を認めるべきか(米国では大統領に議会解散権は認められていない)
* 議会は公選の首相に対して不信任決議あるいは弾劾しうるか(米国では議会の大統領に対する不信任決議の制度はない、また、弾劾制度については設けられているが弾劾の事由は反逆罪など狭く限定されたものとなっている〔)
* 首相に法律案や予算案の提出権を認めるか(米国では大統領には法案提出権はない〔)
* 首相に法律案の成立を阻止する拒否権を認めるか(米国では大統領に拒否権が認める一方、両院が3分の2以上で再可決した場合には法律になるとする)

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「首相公選制」の詳細全文を読む




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