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社員所有企業 : ミニ英和和英辞書
社員所有企業[しゃいん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [やしろ]
 (n) shrine (usually Shinto)
社員 : [しゃいん]
 【名詞】 1. (1) company employee 2. (2) company stockholders (esp. in legal contexts) 3. members of a corporation 
: [いん]
  1. (n,n-suf) member 
: [ところ, どころ]
 (suf) place
所有 : [しょゆう]
  1. (n,vs) one's possessions 2. ownership 
: [う, ゆう]
  1. (n,vs) possession 
企業 : [きぎょう]
 【名詞】 1. enterprise 2. undertaking 
: [ごう, わざ]
 【名詞】 1. deed 2. act 3. work 4. performance

社員所有企業 ( リダイレクト:ESOP ) : ウィキペディア日本語版
ESOP[いーそっぷ]
ESOP(イーソップ、イソップ)とは、『Employee Stock Ownership Plan(従業員による株式所有計画)』の頭文字をとったものであり、企業拠出による従業員に対する退職時雇用者株式給付制度を指す。米国ではEmployee Retirement Income Security Act(ERISA:従業員退職所得保障法)およびInternal Revenue Code (I.R.C.:内国歳入法典)において定義〔ERISA407条(d)(6)〕〔I.R.C.4975条(e)(7)〕され、制度の租税法上の適格性要件が厳格に定められた適格退職金・年金制度であり、確定拠出型年金信託の一形態である〔黒田敦子『アメリカ合衆国における自己株報酬・年金の法と税制』税務経理協会、1999年、p.109-115〕 〔従業員による株式所有を推進するための各種制度は、ESOPのほかにもRistricted stock(制限付株式賞与)、ESPPs(Employee Stock Purchase Plans:日本における従業員持株会に類似)、Broad based stock options(原則として従業員全員に広範に付与するストック・オプション、インセンティブ・ストック・オプションとは別)、401(k)プランにおける自社株投資枠などいくつかのものがある。ESOPやRistricted Stockは企業給付型であり、ストック・オプション、ESPPsなどは従業員負担型といえる。〕。アイルランド及び英国(及びオーストラリア等の連邦諸国)においても、米国と同様の法制度が存在する。また、中国〔NCEOの調べによれば、世界第2位の規模を持つ従業員所有企業は中国の通信会社Huaweiである。このケースでは、退職時に株式を売り戻すrestricted stock(制限付株式報酬プラン)の一種を通して95,000人の従業員のうちの61,000人によって全株式が所有されているという。退職時に株式を売り戻すことから年金給付ではないが、ノンレバレッジドESOPに近い形態といえる。また、レノボなどを傘下に持つLegend Holdingsもemployee stock ownership
associationを通じて35%を従業員(約30,000人)が所有しているという。〕、ロシア、ハンガリーなどで同様の制度導入が進んでいるといわれている。
 これを実現するスキームとしては、ノンレバレッジドESOP〔制度のスポンサーである雇用者が、雇用者会社の株式を購入するための現金を毎年拠出する形態〕と呼ばれている株式賞与制度(stock bonus plan)とレバレッジドESOP〔雇用者会社によって、従業員の口座に一定の金額を拠出する制度。株式の購入に借入を併用することができる。〕と呼ばれるマネー・パーチェス年金(money purchase)の二つの形態がある。いずれの形態も、会社従業員に会社の資産および収益を分配する仕組みであるが、特にレバレッジドESOPは、会社の資産または将来収益を担保とするEmployee Buy-out(エンプロイー・バイアウト、EBO)の一種として構築される。
 ESOPは本来より、混合経済等の社会主義的バイアスを排除し、公正な資本主義を実現する目的をもって設立されているが、最近では、バイナリ・エコノミクス(市場経済運営パラダイム)の観点から、また、従業員による資本所有(議決権保有と利益分配への参加)の効用について、コーポレート・ガバナンスの観点から、この有効性が期待されている。〔コーポレート・ガバナンスの観点からは、従業員所有だけでなく、消費者所有(CSOP)などステークホルダー株主化推進制度が他に提案されている。〕
 なお、ESOPをEmployee Stock Option Planと誤解したり、従業員が株式を所有するために何らかの手助けをするものをESOPと混同するきらいがあるので注意が必要である。特に、401(k)確定拠出型年金制度における自社株投資可能部分や、423ESPP(Employee Stock Purchase Plan:従業員株式買付補助制度)などをESOPに含めて考えるのは誤りである。特に、新聞記事等で日本版ESOPと称されるスキームの中には、ESOPとは思想、目的がまったく異なる従業員持株会〔日本の従業員持株制度は、従業員にとって、小額資金を継続的に拠出することにより無理なく雇用者会社株式を購入でき、それにより、長期的に財産形成を行うことを目的としている。しかし、「このようなことが特定の制度的目的の下で推進されてこなかったという事情もあり、株価の値下がりはもとより、譲渡制限、会社経営の悪化に対する歯止め、持株会運営主体と会社との経営政策上の癒着(への対応)など、従業員の権利保護に対する側面に対して体系的な法規制を欠いている」(中西敏和「従業員持株信託と受託者の責任」『信託法研究』15号p.46‐47|信託法協会1991年)という欠点が指摘されている。〕〔従業員持株会が必ずといってよいほど置かれている。(中略)なぜ置かれているのかを考えてみれば、結局は従業員株主管理のためにあると言える。現在の従業員持株会は、一応会社から切り離された独立の団体であるが、実際には会社の一機関として活動しているといってもよく、従業員の利益になる部分もあるが、多くは会社の利益のためにある。 (道野真弘
)〕〔従業員持株会とESOPの相違については〕利用スキームが含まれており、このようなスキームを、米国のESOPを参考にしたインセンティブプランなどと宣伝する悪質な金融仲介業者が数多く存在するので、注意が必要である。 
== ESOPの意義と目的 ==

 ESOPは、単に従業員が雇用者株式を所有することを指すものではなく、自由と私有財産制に基づく公正な資本主義運営を個別の企業の自助努力により実現することを目的とする制度である。
 ESOPが最初に実現したのは1956年といわれるが、「ESOPについて考え始めたのは、大恐慌の底1931年である。〔My thinking about ESOPs began in 1931 in the bottom of what we call the Great Depression., Louis O. Kelso "Labor's Untapped Wealth",at the Air Line Pilots Association Retirement and Insurance Seminar, March, 1984, Washington, D.C.
〕」と発案者であるルイス・ケルソLouis O. Kelso)は語っている。ここで、ESOPの出発点は、米国資本主義経済が自壊する様を目の当たりにして発せられた、『資本主義とは何か』という問いにあったことが明らかにされる。(ケルソの資本主義に対する問いは、Mortimer J. Adlerとの共著である''The Capitalist Manifesto''他において詳細が明らかにされている。)
 この本源的な問いに「一つの明快な回答を提示し、さらにこの資本主義システムが不用意に用いられる〔"The trouble with today's techniques of finance is that they're designed to make the rich richer. None are designed to make the poor richer. That's why the poor are poor. Because they're not rich." (Louis O. Kelso, San Francisco Examiner & Chronicle, 1978)
〕ときに起きる『富の偏在』〔"People are hungering for property - for a secure, permanent and independent link with spaceship earth that ownership represents and which only ownership can protect or defend. It is humiliating to possess nothing, to own nothing, and hence to produce nothing and to count for nothing."
(Louis O. Kelso and Patricia Hetter, Washington Post, June 18, 1972)
〕がもたらす、社会構造に対する破壊的な挑戦(民主主義体制の崩壊、全体主義・国家支配へと向かう社会主義的性向、あるいは混合経済体制の左傾化と官僚の腐敗による社会的不公正と経済の不安定性)から、資本主義を救済する手段」としてケルソが提示したのが、『ESOP=従業員による株式所有を実現する計画』であり、富の創造源である資本そのものを公平かつ正当に分配することによって、経済格差を是正し、資本主義の前提である自由と民主主義を実現するための究極的な手段である。〔菅晃千「日本版ESOPへの展望」『Mergers & acquisitions research report : MARR』(174)、レコフ事務所、p.32-35, 2009年〕
 ケルソ自身は、自由と民主主義の前提に拘って、この手段を制度的強制に依らず、各企業が個別に用いることで資本主義的革命(capitalist revolution)を進行させることを説いている。この革命が目標とする具体的成果は、人間労働力の資本に対する相対的劣後に起因する雇用の減少に対する需要の確保(インフレ、デフレ、バブル等の発生を抑え、経済変動を安定化させること〔ケルソは『資本主義宣言』のなかで、単純労働(機械的労働)の機械による代替が進行し、労役の価値が減少してゆくことで雇用が減少する現実を見抜いており、この点から、完全雇用が幻想であって経済活動を衰退させる元凶になり得ること、過剰消費やバブルの崩壊による景気の変動を抑制しながら経済的平等の実現に向かうためには、人の富の生産への関与を労役から私有財産を通じた参加にシフトさせる必要があることを説いている。〕)と、法人所得の個人への広範な分配を可能にすることに基づく法人税率の引き下げ(これによる企業資本の競争力回復)である。これを実態に則して換言すれば、資本に労働者が従属する原始的状態からこの関係を逆転させ、労働者に資本を従属させることによって、労働組合や従業員代表制の法制化などの外部(政府等)の干渉によることなく、合法的かつ公正に労働者の(企業に対する)主権を回復し、同時に株式に付帯する権利を解放することによって、経済における人間性の復権と資本の価値の回復を実現する手段として提起されたものである(『資本主義宣言』)ということを意味する。
 したがって、各企業の株式は、労働者の成果分配の一環として、雇用者企業の負担において公正に労働者に分配されなければならず、雇用者企業は自ら株式を資本家から回収して労働者に分配するか、新たに獲得された富を資本化してこれを労働者に分配することが求められる。〔資本が主として向上や機械のような生産器具によって構成される場合には、「生産のための道具を労働者の手に渡すこと」を意味し、生産活動の主体を道具から労働に還元される結果となる。また、高度情報化の進展により資本の主たる構成要素が従来のような生産器具ではなく、知的財産であるような場合においては、特に資本側に収奪された人の知的創造価値を返還する重要な機能を果たし得る。〕
 これに抵抗する勢力は、The Wall Streetに表象される金融権力〔「古来からある株という日本語は、売買してカネを儲けるものではなく、事業に参加することの証である。株をもつもの同士の連帯がそこでは意味されていた。事業に参加するための出資、これが株である。この古典的な言葉の由来を私たちは思い起こすべきであろう。あえて言う。現在のリスク売買を主体とする金融ゲームは、どのような理論的衣装を施されようとも、人間の生活を根底的に破壊するものであるということを。
 いま求められているのは、「自由」の美名の下で金融ゲームに走る金融権力をいかに制御するのか、という社会の知恵である。」;
本山美彦『金融権力 ―グローバル経済とリスク・ビジネス』、岩波新書、2008年〕であるとされるが、Louis O. Kelso自身が、レバレッジドESOPはこの勢力を資本主義革命に引きずり込むための方便として設計されたが、結局Wall Streetによって矮小化されていることを告発している。金融批判として、Louis O. Kelsoは他の著述で、労働者が資本を取得する際の金融(ローン)は、中央銀行が積極的に「無利子で」行うべきだとしている。これは、資本の果実が、労働者にではなく金融業者に渡ってしまうことを防止するためである。
 この他、企業がESOPの導入に抵抗するいくつかの理由として、利益水準が低いために導入コストに耐えられない、家族所有(ファミリービジネス)を崩したくない、従業員と経営陣が対立しているなどという企業実態が挙げられているが、M&A仲介業者などが、自分たちの手数料ビジネスを失いたくないために否定的である〔"Employee Ownership Report", July–August 2010,A publication of the National Center for Employee Ownership,例えば、Employee Buy-Outの一形態であるESOPは、仲介業者なしオーナーチェンジが実行されるため、仲介業者のビジネスチャンスが失われることを意味する。〕というものもある。このように、証券仲介業者や投資銀行は総じてESOPに否定的である。
 日本でのESOPの効用についての研究は少ないが、米国を中心に多数の実証的研究がなされており、これらの孫引き的なものではあるが米国の状況についてのいくつかの論文〔竹中啓之「ESOP制度と株式会社支配の可能性」経営研究Vol.44, No.2, p.65-77、大阪市立大学経営学会、1993年7月〕〔尾西正美「アメリカ企業の従業員株式所有制度-C.M.Rosen/K.J.Klein/K.M.YoungのESOP調査を中心にして-」埼玉大学経済研究室 社会科学論集 (73):p.155-209 1991年3月〕が存在する。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ESOP」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Employee stock ownership plan 」があります。




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