|
===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ 石 ： [こく, いし] 【名詞】 1. volume measure (approx. 180l, 5 bushels, 10 cub. ft.) ・ 落 ： [おち] 【名詞】 1. joke punch line
石落とし（いしおとし）は、日本の城の建築に設置された防御用開口部のこと。下方に開口し、おもに真下方向にいる標的を攻撃する用途で使われる。「塵落とし」（ちりおとし）ともいう。ヨーロッパの城においても、同様の装備がある。 天守や櫓、櫓門の壁面、塀などに張り出すかたちで空間をせり出させ、床になる部分を20センチメートル程度開口して付設された。普段は蓋をして、使用時に蓋を取り除いて開ける。狭間が前方向にいる敵を射撃目標にしているのに対し、石落としは建物・城壁・石垣などの真下方向にいる敵を標的にしている。 文字通りに、石を落とすほかに煮え湯や汚物など〔加藤理文編『別冊歴史読本 城の見方・歩き方』新人物往来社 2002年〕を落として敵を迎撃する設備とする一方、間口の狭さからおもに鉄砲、弓矢や槍で迎撃するものともされる〔三浦正幸監修 広島大学文化財学研究室編『すぐわかる 日本の城』東京美術 2009年〕。石落としから、何でもって攻撃したかは諸説あるが、ともあれ下方向への攻撃を行う開口である。 ==形状== 石落としの形状は、袴腰型・戸袋型・出窓型の3種に大別される。この他に櫓門（大坂城・姫路城など）は、門の2階の床板を外して下方向に間口し、門下を通過しようとする敵を真上から攻撃することができるものもある。このような床板を開閉して使う石落としの類を足駄狭間（あしださま）ともいう。〔西ヶ谷恭弘編著『城郭の見方・調べ方ハンドブック』東京堂出版 2008年〕また、天守台・櫓台からの出張りのある櫓や天守では、天守台や櫓台から張り出した床面を石落としとして利用した例があった（熊本城大天守、萩城天守、讃岐高松城天守）。 ;袴腰型 :衣服の袴の袴腰、または寺院建築の鐘楼や鼓楼の袴腰に似ていることから袴腰型という。天守や櫓、塀の平面部や隅部分に取り付く。支持材はまっすぐなものと、大洲城の櫓にあるもののように反りをつけたものとがある。特異な例では、和歌山城大天守にある石落としは、むくりをつけてある。1階にあることが多いが、松江城天守では2階にある。 File:Isiotosi machicolation of Gennosinyagura Hoarding Kumamoto Castle.jpg|袴腰型石落としの外観（熊本城源之進櫓。熊本県熊本市） ファイル:Himeji Castle No09 016.jpg|塀の石落としの内側（姫路城。兵庫県姫路市） ファイル:Himeji Castle No09 019.jpg|塀の石落としの内側拡大（姫路城） ファイル:Himejicastle-ishiotoshi1.jpg|櫓の石落としの内部。蓋で塞がれている（姫路城の櫓） ;戸袋型 :雨戸の戸袋のように箱の形をなしている。取り付く部分は袴腰形と同じであるが、隅部に取り付くものは松山城（愛媛県）や熊本城田子櫓、平櫓などに見られる。 File:Ishiotosi machicolation of Tamonyagura hoarding Minaninomaru Bailey Fukuoka Castle.jpg|戸袋型（福岡城南の丸多聞櫓。福岡県福岡市） File:Matsuyama castle(Iyo)1.JPG|隅部の戸袋型石落とし（松山城太鼓櫓。愛媛県松山市） ;出窓型 :建物の出窓と一体となって付設している形状。出格子のほかに、1箇所に窓をつけたのみのものも出窓と呼ぶ。戸袋型と取り付き方が似るが、戸袋型には窓がないことが異なる点である。装飾性があり、名古屋城や金沢城のように各種破風で飾った出窓型の石落しを取り付けた櫓が見られる。 File:Nagoyajouyagura1.JPG|出窓型。この櫓は2重3階の櫓であり、石落としの出窓は2階にある。（名古屋城本丸南西隅櫓。愛知県名古屋市） File:131109 Kanazawa Castle Kanazawa Ishikawa pref Japan09n.jpg|出窓型。出格子の出窓で、屋根は向唐破風（金沢城石川門隅櫓。石川県金沢市） File:Kanazawa castle 3.jpg|出窓型。出格子の出窓で、屋根は向唐破風（金沢城の塀、五十間長屋。石川県金沢市） 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア（Wikipedia）』 ■ウィキペディアで「石落とし」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|