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環境決定論 : ミニ英和和英辞書
環境決定論[かんきょうけっていろん]
environmentalism
===========================
: [わ, かん]
 【名詞】 1. circle 2. ring 3. link 4. wheel 5. hoop 6. loop
環境 : [かんきょう]
 【名詞】 1. environment 2. circumstance 
: [さかい]
 【名詞】 1. border 2. boundary 3. mental state 
: [けつ]
 【名詞】 1. decision 2. vote 
決定論 : [けっていろん]
 (n) determinism
定論 : [ていろん]
 (n) established theory
: [ろん]
 【名詞】 1. (1) argument 2. discussion 3. dispute 4. controversy 5. discourse 6. debate 7. (2) theory 8. doctrine 9. (3) essay 10. treatise 1 1. comment
環境決定論 : ウィキペディア日本語版
環境決定論[かんきょうけっていろん]

環境決定論(かんきょうけっていろん、)は、人間活動は自然環境の強い影響を受け、それに対する適応の結果として地域性が生じる、とする地理学概念である〔荒木俊幸"環境のはなし "ARK Weekly Essay 20(G04)(福井工業高等専門学校環境都市工学科ウェブサイト内)、2005年2月7日(2011年7月25日閲覧。)〕。単に環境論決定論ともいい〔青野『大学教養 人文地理学(再訂版)』(1970):7ページ〕、ドイツ地理学者フリードリヒ・ラッツェルが主唱者とされている〔杉浦ほか『人文地理学―その主題と課題―』(2005):35ページ〕。
現代、この説は否定されており、地理学の歴史は、環境決定論を克服する方法の開発の歴史としての側面を持っている〔中村・高橋 編『地理学講座 第1巻 地理学への招待』(1988):13ページ〕。その方法の1つとして文化地理学が打ち立てられた〔法政大学通信教育部"文化地理学 "(2011年8月16日閲覧。)〕。

== 概要 ==
極端に言えば、「人間は自由意志を持たず、地域の自然環境によって人間活動が決定される」という論である〔。「環境決定論」の名は、フランス歴史学者であるリュシアン・フェーブルが著書『大地と人類の進化』の中でフリードリヒ・ラッツェルを環境決定論者、ポール・ヴィダル・ドゥ・ラ・ブラーシュを環境可能論者と呼んだことに由来する〔斎藤ほか 編『地理学講座 第3巻 環境と生態』(1990):7ページ〕。故にラッツェル本人が自身を環境決定論者と認めていたわけではなく〔、ラッツェルが単に人間が自然を受容することを説いたわけではないことが後世の研究者によって明らかにされている〔。
また、環境決定論がラッツェル固有の理論ではなく、同時代の地理学者のエリゼ・ルクリュÉlisée Reclus)の著作にも環境決定論的な見解が示されている〔クラヴァル『現代地理学の論理』(1975):60 - 61ページ〕。
平たく言えば、自然条件A,B,C(A≠B≠C)を満たす地域であれば、世界のどこでもDという人間活動が見られる、という主張が環境決定論である。
環境決定論は自然環境の差はすなわち文化の差であるから、新しい考え方や技術、つまりイノベーションはすべての地域で独立して発生することになる〔松岡ほか 編『地球環境学―地球環境を調査・分析・診断するための30章―』(2007):111ページ〕。しかしある地域における現実の文化は、他の地域で発生した文化が伝播したものであることが多い〔。環境決定論者とされるラッツェルは、地理学における移動や伝播の重要性に言及した〔中村・高橋『地理学講座 第1巻 地理学への招待』(1988):12ページ〕。ラッツェルの著書『民族学』(''Volkerkunde'')では文化周圏説を説いており、人類学界では伝播主義の主唱者とみなされている〔斎藤ほか 編『地理学講座 第3巻 環境と生態』(1990):7ページ〕。
環境決定論は長い間、首尾一貫して因果関係を用いた地理学的説明を可能にする唯一の理論として君臨し続けた〔クラヴァル『現代地理学の論理』(1975):66ページ〕。その一方で真の環境決定論者と呼べるような人物は少なく、フェーブルが槍玉に挙げたフランスの学者はわずか2人で、ドイツ語圏英語圏の学者もそれほどいなかった〔クラヴァル『現代地理学の論理』(1975):66 - 67ページ〕。論者の少なさ、論者の著作の学問的価値の小ささに対して不釣り合いなほど後に感情的に否定されたのは、地理学者の多くが彼らの抱える懐疑と疑問に答えうる唯一の存在として認識しているからだとポール・クラヴァル(Paul Claval)は述べている〔クラヴァル『現代地理学の論理』(1975):68ページ〕。また地理学者は一種のノスタルジアを環境決定論に抱いており、フィリップ・パンシュメル(Philippe Pinchemel)は「ある種の決定論を承認し、それを受け入れることなしには、地理学は、自らの統一性と独自性とを同時に喪失する。」と述べている〔クラヴァル『現代地理学の論理』(1975):68 - 69ページ〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「環境決定論」の詳細全文を読む




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