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無害通航権 : ミニ英和和英辞書
無害通航権[むがいつうこう]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [む]
 【名詞】 1. nothing 2. naught 3. nought 4. nil 5. zero
無害 : [むがい]
  1. (adj-na,n) harmlessness 
: [がい]
  1. (n,vs) injury 2. harm 3. evil influence 4. damage 
: [つう]
  1. (adj-na,n) (1) connoisseur 2. authority 3. (2) counter for letters, notes, documents, etc. 
通航 : [つうこう]
  1. (n,vs) navigation 2. sailing
: [けん, ごん]
  1. (n,n-suf) authority 2. the right (to do something) 

無害通航権 ( リダイレクト:無害通航 ) : ウィキペディア日本語版
無害通航[むがいつうこう]
無害通航(むがいつうこう Innocent Passage)は、沿岸国の平和秩序安全を害さないことを条件として、沿岸国に事前に通告をすることなく沿岸国の領海を他国船舶が通航することであり、内陸国を含めすべての船舶は他国の領海において無害通航権を有する〔「無害通航権」、『国際法辞典』、326頁。〕〔山本(2003)、366-367頁。〕。一方で領海の沿岸国は、自国の領海内において主権に基づき領海使用の条件を定めたり航行を規制することができるが、他国の無害通航を妨害する結果とならないように一定の国際義務が課される〔山本(2003)、368-369頁。〕。1958年に採択された領海条約第14条4項では、無害通航とは「沿岸国の平和、秩序又は安全を害しない」航行と定義され〔、1982年の国連海洋法条約の第19条第1項では、前記領海条約第14条第4項で定められた無害性に関する定義が踏襲されたほか、国連海洋法条約第19条第2項では無害とみなされない活動が具体的に列挙された〔杉原(2008)、126-129頁。〕。
== 沿革 ==

無害通航の制度が国際法上成立したのは重商主義から自由貿易主義に転換した1840年代以降のことであるといわれる〔山本(2003)、366-367頁。〕。無害通航を認め外国船舶の領海内通航権を確保することで、領海に対する沿岸国の権利を規制しようとしたのである〔。それより以前の17世紀までは、領海において外国船舶は沿岸国の恩恵による許可によって無害通過が認められるだけであった〔。
19世紀には領海における無害通航は公海自由の原則の当然の結果としてすべての船舶に認められるとされたが、これを規制する沿岸国の権利については領域主権を根拠とするのか、地役権を根拠とするのか、意見が対立してきた〔山本(2003)、367-371頁。〕。その後領海内の外国船舶の通航自由を認めながら、沿岸国の規制という観点から安全・公序・歳入・軍事的安全への有害性の有無という基準が導入された〔。このようにして当初は船舶の具体的な行為などではなく船種などのような内在的な要因が重視され、ついで船舶上で行われる具体的行為や船舶の航行の態様などにも着目されるようになっていく〔。
第二次世界大戦前には、船種を基準とする無害性の認定基準が有力となった〔。この基準によれば、外国の私船は国際通商や交通の自由などの観点から国際法上領海内通航の権利が認められるとされたが、外国軍艦は私船の場合と異なり性質上有害性が推定されることから、外国軍艦の領海内通航は慣例や国際礼譲などにより認められるにしか過ぎないとされたのである〔。これに対して戦後になると、航行の上で不可避的な領海内通航に関しては軍艦と私船を区別する必要はなく、無害性の認定は船舶の具体的行為や態様によって行われるべきとする立場が現れた〔。例えば1949年の国際司法裁判所判決では、軍艦であっても行為や態様に着目し、武力の行使や威嚇に該当するようなものでない限りは無害性が推定されると判断された〔。
1958年の領海条約第14条第4項では、無害かどうかを判断するに際して特定の基準は採用されず、そのため船舶が具体的にどのような行為をするかという行為を基準(行為基準)とする無害性の認定だけでなく、例えば船舶が軍艦かどうかなど、船舶の種類・性質などを基準(船種基準)とした無害性認定の余地がある規定となった〔杉原(2008)、126-129頁。〕。1982年の国連海洋法条約では、第19条第1項で上記領海条約第14条第4項の無害性に関する定義をそのまま踏襲しながら、第19条第2項で無害とはされない活動が具体的に列挙された(#無害の基準参照)〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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