翻訳と辞書
Words near each other
・ 消灯ラッパ
・ 消炎剤
・ 消炎器
・ 消炎薬、抗炎症薬
・ 消炎酵素剤
・ 消炎酵素製剤
・ 消炎鎮痛剤
・ 消然
・ 消燈
・ 消石灰
消磁
・ 消磨
・ 消約性
・ 消約的
・ 消経
・ 消耗
・ 消耗(症)、分解
・ 消耗、疲はい(憊)、虚脱
・ 消耗品
・ 消耗品費


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

消磁 : ミニ英和和英辞書
消磁[しょうじ]
【名詞】 1. demagnetization 2. demagnetisation消磁 : [しょうじ]
 【名詞】 1. demagnetization 2. demagnetisation
消磁 : ウィキペディア日本語版
消磁[しょうじ]
消磁(しょうじ、en:Degaussing)とは、不必要な磁性を減少、または除去する処理。Degaussingの名は磁性の分野における初期の研究者カール・フリードリヒ・ガウスen:Carl Friedrich Gauss)の名前からとられた。磁性にはヒステリシスがあるために、通常は磁性を完全にゼロにするのは不可能である。そこで、消磁は主としてバイアスと呼ばれるとても小さい既知の磁性を生じさせる。
== 船体の消磁 ==

最初にこの用語を用いたのは、第二次世界大戦中のカナダ海軍予備員en:RCNVR)のチャールズ・F・グッドイーブ海軍中佐(en:Charles F.Goodeve)である。当時RCNVRはイギリス海軍に大打撃を与えていたドイツ磁気機雷に対抗しようとしていた。船体の鋼鉄は、航行中に地磁気による誘導で磁気を帯びる。磁気機雷は、この磁気を帯びた鋼鉄がおこす磁場の変化を検出するものであった。グッドイーブら海軍の科学者はこの磁場の影響を相殺する——すなわち船全体の磁場の和が背景の磁場と等しくなるようにする——ために、船体内に小さな上向きの(''N-pole up'')磁場を発生させるシステムを多数設置した。
ドイツ人は自分たちの機雷の起動する磁場の強さを表すのにガウス(gauss)という単位(当時はまだ標準になっていなかった)を用いていたことから、グッドイーブは機雷に対抗するこのようなのプロセス一般をdegaussing(消磁)と呼び、後にこの用語が世界共通で用いられるようになった。
最初の消磁の方法はコイリング(coiling)として知られる、電磁コイルを船体内に設置するというものであった。このしくみは船体周辺の磁場を継続的にバイアスすることに加え、機雷が下向きの("S-pole down")磁場を検出するように設定される南半球では、コイルのバイアス磁場を逆向きにすることもできた。イギリスの船、特に巡洋艦戦艦は、1943年前後までこの方法で十分に防御されていた。
しかし、このような特殊な装置の設置には非常に高額の費用を要し、またすべての船に必要な補修を施すことは困難であった。そこで海軍はワイピング(wiping)と呼ばれる次の手段を開発した(これもグッドイーブによって考案された)。この手法の発展してものが現在でも使われており、depermingと呼ばれ船体消磁で解説されている。当時は単に船の側面に約2000アンペアのパルス電流が流れる大きな電気ケーブルを引きまわすというものであった。これによって船体に小さな磁場が起こすことができる。
消磁の効力が時とともに薄れるのは、初めは波や船のエンジンの振動が磁場をゆっくりとランダム化していくせいだと考えられていたが、テストによってこれは本当の解答にはなりえないことが分かった。正確には、船が地磁気中を航行していくことで船体が消磁の効力を打ち消していくように地磁気を拾うことためだと後にわかった。このことから、艦長らはできるかぎり方向を変えながら航行するように指導された。それでもバイアスは最終的には消えてなくなり、船は定期的に消磁しなければならなかった。小さな船では、大戦の間ワイピングが行われ続けた。
戦後は磁気信管の性能が向上し、磁場そのものの強さだけではなく、その変化を検出するようになった。この信管では、従来の方法で消磁された船には船体に磁場の強い点があるため、これを検知できた。
そこで、船体の磁界の正確な方向が測定され、磁界を発生させる装置も特定されるようになった。そしてこれらの影響を相殺するために、消磁システムは複雑化し、すべての軸(方向)の磁場を除去できるように3セット以上の独立したコイルを含む近代的なシステムになっていった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「消磁」の詳細全文を読む




スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.