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個人的な体験 : ミニ英和和英辞書
個人的な体験[こじんてきなたいけん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [こ]
  1. (n,suf) (1) counter for articles and mil. units 2. (2) individual 
個人 : [こじん]
 【名詞・形容詞】1. individual, personal 2. private person 3. personal 4. private
個人的 : [こじんてき]
  1. (adj-na) individualistic 2. personal 3. self-centred 4. self-centered 
: [ひと]
 【名詞】 1. man 2. person 3. human being 4. mankind 5. people 6. character 7. personality 8. true man 9. man of talent 10. adult 1 1. other people 12. messenger 13. visitor 1
人的 : [じんてき]
  1. (adj-na,n) human 2. personal 
: [まと, てき]
 【名詞】 1. mark 2. target 
体験 : [たいけん]
  1. (n,vs) personal experience 
: [しるし]
 【名詞】 1. (1) mark 2. (2) symbol 3. (3) evidence

個人的な体験 : ウィキペディア日本語版
個人的な体験[こじんてきなたいけん]
個人的な体験』(こじんてきなたいけん)は、大江健三郎の小説。1964年(昭和39年)に新潮社より発行された。本書は第11回新潮社文学賞を受賞している。
大江健三郎の長男大江光が脳瘤(脳ヘルニア)のある障害者であり、その実体験をもとに、長男の誕生後間もなく書いた作品である。主人公の鳥(バード)は、大江健三郎自身を描いたのではなく、同じ境遇にある別人を描いたと大江自身が解説している。主人公は、脳瘤とおそらくそれによる脳障害を持つと思われる長男が産まれることにより、出生後数週の間に激しい葛藤をし、逃避、医師を介しての間接的殺害の決意、そして受容という経過を経る姿を描く。
== ストーリー ==
;子供の出生前夜
:主人公の27歳の青年、バード)は、高校時代には地方都市で喧嘩を繰り返した人間だったが、その後東京のある官立大学の英文学部を卒業し、大学院に入った。彼は、学部の教授の娘と結婚し順風だったのだが、もともと酒に沈溺する逃避癖のある性格であり精神的に未熟であった。そして、アルコール依存症により大学院を中途退学、そのまま将来の展望もない予備校の教員をしていた。少年期よりアフリカに行くという夢を持ち続けていたのだが、実社会で落伍し、現実逃避の妄想は現在まで続いていた。鳥は、初めての子供が産まれるのだったが、自分に子供を持つということへも実感に乏しく、むしろかえって自由を失う強迫を持ちアフリカへの逃避がさらに強くなっていた。鳥は、夜の盛り場に一人で行き、ゲーム機でパンチ力を試すのだが、機械が指し示した体力は40歳相当であった。そのゲーム機の周りにいた不良少年のグループに絡まれ喧嘩をする。
;出生と障害児であることの認知
:出産の後に産院に呼び出された鳥であったが、院長たちから子供の後頭部に大きな瘤があり、その中に脳が頭蓋内から飛び出ている脳瘤という病気であること、手術で頭蓋内に脳を収めても生涯植物状態であろうことを告げられる。健常な子供であっても憂鬱だった鳥は、障害者である子供から受ける自分の人生への影響を想像しきれず、強い混迷と絶望に陥る。しかし、医師たちは、非常に権威的で、自らの威厳を保つことに神経を払い、病名、予後、解剖などの話を無神経に残酷に行い、整理のつかない鳥の神経を一層混乱させる。この時の医師たち、義母は、まるで子供がみっともなく恥ずかしい存在であるかのように振舞う。医師たちは、大学病院に子供を搬送することを決め、妻は一度も子供を見ることなく転院した。義母は、妻には絶対に脳の病気であることは告げないようにと念を押す。恩師である義父にも病気のことを告げに行ったが、義父も顔を赤らめ子供の存在を認めない態度を示す。義父、義母、医師の誰も鳥を理解してくれる者はおらず、唯一の妻も義母により不幸を共有することを阻止された。味方のいない鳥はふと大学時代の友人であり赤いスポーツカーに乗る、一人暮らしの火見子の所へ訪れる。
;障害児の親となることからの逃避
:火見子は、鳥の友人だったのだが、かつて鳥は一緒に酒を飲んだ帰りに、犯すようにして屋外で火見子の処女を奪ったことがあった。火見子は、その後結婚したのだが、夫は火見子の「分からない何か」を理由に自殺し、彼女は多くの男性と寝ることで孤独を紛らわしていた。性技の達人となった火見子は、恐怖と不安の虜になった鳥の心を性技で解きほぐし、唯一鳥を理解できる存在となった。そして、鳥は、妻にも会わず子供の面会もわずかに、火見子とのセックスへ逃避していった。
:鳥は、この時期には、子供を胎内で戦傷した兵士のように可哀想な存在と見ていたが、医師に言われた早い死を信じ、また願っていた。しかし、大学病院で担当医に子供の手術と生存の可能性を言われて、子供が急激に自分の将来を破壊する存在に変貌する。担当医は、それを素早く察して、栄養を制限して死を穏やかに迎えさせる秘密の相談をする。鳥は、激しく自分を恥じつつもそれを受け入れ、火見子へ逃避していった。そんなある日、火見子の家にレズビアンである大学時代の友人が訪れ、鳥の事情を知り説教をする。彼女も高学歴を持ちながら落伍した人生を送る人間であり、落伍者の他人への当てつけのような説教であったが、「自分で引き取って殺すほうが、他人にゆだねて死を待つより自己欺瞞がない」と言われてしまう。
:逃避しつつも仕事に行っていた鳥だが、二日酔いの挙句、授業中に嘔吐し、生徒に指弾されて職を追われることになる。仕事がなくなったと同時に、旧知の外交官のスラブ人が日本人の愛人を作り愛人宅に潜伏したのを連れ出すよう依頼される。自分の立場よりも愛を選んだスラブ人は、鳥を歓迎しつつも帰ることを拒絶し、最後の対面であろう鳥にスラブ語辞書をプレゼントする。鳥は、辞書に何かを書いてくれと頼んだ所、書かれた文字は「希望」と言う意味の現地語であった。
;逃避から障害児の親となる事への決意
:鳥は、脳外科の教授に呼ばれ手術を促されるも、激しい拒絶をし、火見子と一緒に子供を大学病院から受け取った。受け取る時に、妻が名付けるつもりだった「菊比古」という名前を子供に与える。その後、鳥は、火見子に彼女の知り合いの堕胎医に医療の形での死を迎えさせるよう依頼する。堕胎医のところに子供を捨てた鳥は、自分の不良時代の後輩でアメリカ兵によりホモセクシャルに目覚めさせられたゲイバーの店主、菊比古に出会う(鳥は妻にかつて彼との不良時代をの思い出を語っていたために妻が子供にこの名前を名付けた)。火見子は、子供を捨てた鳥が妻に絶縁され、自分と一緒にアフリカへ行くことを思い描いていたが、鳥は、急激に子供に手術を受けさせるよう思い直す。「正面から立ち向かう欺瞞なしの方法は、自分の手で直接に縊り殺すか、あるいは彼をひきうけて育ててゆくかの、ふたつしかない。初めからわかっていたことだ」と言い、怒る火見子を置いて、大学病院に子供を連れ戻す。
;(二つのアスタリスク(*)の後(エピローグ))
:子供を手術したところ、大きく脳がはみ出ていたのではなかったことが分かった。ただし、脳外科教授は、それでも重度の障害者となる可能性は残ることを示唆した。しかし、鳥は、脳外科教授とも家族とも和解することができ、自分の将来にも意欲を持つ決心をする。鳥は、教授に対して、「現実生活を生きるということは結局、正統的に生きるべく強制されることのようです。欺瞞の罠におちこむつもりでいても、いつの間にか、それを拒むほかなくなってしまう」と言う。病院の廊下に数日前ゲームセンターで出会い喧嘩した若者たちが、仲間の誰かの見舞いに来ていたが、彼らは鳥に気付くことなくその場を過ぎ去る。教授は「君がすっかり変わってしまった感じだから」「もう鳥(バード)という子供っぽい渾名は似合わない」と鳥に言った。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「個人的な体験」の詳細全文を読む




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