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ミラフロレスの祭壇画 : ミニ英和和英辞書
ミラフロレスの祭壇画[みらふろれすのさいだんが]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

ラフ : [らふ]
  1. (adj,n) rough 2. (adj,n) rough
: [まつり]
 【名詞】 1. festival 2. feast
祭壇 : [さいだん]
 【名詞】 1. altar 
: [だん]
 【名詞】 1. (1) platform 2. podium 3. rostrum 4. (2) (arch) mandala 
: [かく, が]
 【名詞】 1. stroke 

ミラフロレスの祭壇画 : ウィキペディア日本語版
ミラフロレスの祭壇画[みらふろれすのさいだんが]

ミラフロレスの祭壇画』(ミラフロレスのさいだんが(、))、または『聖母の三連祭壇画』(せいぼのさんれんさいだんが)』は、初期フランドル派の画家ロヒール・ファン・デル・ウェイデンが1442年から1445年ごろに描いた三連祭壇画。1850年以来ベルリン絵画館が所蔵している〔''Gemäldegalerie, Berlin''. Prestel Verlag: Prestel Museum Guide, 1998. p.47. ISBN 3-7913-1912-4〕。祭壇画を構成する3枚のパネルの大きさはすべて同じ71cm x 43cmで、左翼には聖家族、中央パネルには磔刑に処せられたキリストの遺体を掻き抱く聖母マリアピエタ)、右翼にはマリアの前に復活した姿を表すキリストが描かれている。これは左から順番にキリストの誕生、死、復活を時系列順に表したものとなっているが〔Chipps Smith, p.172〕、すべてマリアを中心とした構図となっている。この作品には非常に多様な色調の顔料が使用されている。なかでも白色、赤色、青色の色使いが際立ち、特に中央パネルのキリストの身体描写は、ファン・デル・ウェイデンの特徴とも言える感情豊かな表現となっている〔Drees, p.501〕。
当時描かれた他の祭壇画と同様に『ミラフロレスの祭壇画』にも多くの宗教的象徴表現がみられる。どのパネルも最上部が丸いアーチ状のフレームで縁どられ、縁飾りの下部ならびに上部のスパンドレル(三角小間)にはゴシック調の格子飾りが施されている。さらに画面を囲むようにして、一見レリーフ彫刻に見える装飾があり、これも複雑な宗教的寓意を表している〔Lane, p.655〕。この扉のようにも見える縁飾りに表現された様々な寓意を始め、『ミラフロレスの祭壇画』は当時の画家たちに大きな影響を与えた作品だった。
== 三連祭壇画 ==

=== 概要 ===

『ミラフロレスの祭壇画』のどのパネルにも扉状の縁飾りがなされ、この扉を通って実際にこの宗教的絵画世界を訪れることができるかのような印象を与えている。どのパネルにも最前方には一段高くなったステップが描かれており、美術史家ジェフリー・チップス・スミスは「この作品を観る者にとって、この聖書の世界が身近なもので、足を踏み入れることができるのではないかと思わせる」としている〔。当時の他の三連祭壇画との相違点として、もともとの『ミラフロレスの祭壇画』はパネルが固定されており、両翼を折りたたむことができなかったことがあげられる。通常の三連祭壇画同様に両翼を折りたたむことができるようになったのは、後世に裁断されて両翼が可動するように改造されてからのことである〔Richardson, 86〕。また、伝統的な絵画作品がこの祭壇画に描かれているエピソードを主題にしたときの構成と、『ミラフロレスの祭壇画』で採用されている構成とは多くの点で異なっている。例えば、聖家族をモチーフとした絵画には、キリスト、聖ヨセフ、聖母マリアの他に数人の聖者が描かれるのが通例であるが、『ミラフロレスの祭壇画』にはキリストの家族以外はだれも描かれていない。作品の構成要素の多くはファン・デル・ウェイデンが旧来の伝統にとらわれずに独自に考案したもので、一例として右翼の背景に描かれた曲がりくねった小路は、それまでの絵画作品にも聖書にもまったくみられないものである。この小路は復活したキリストがマリアの前に姿を表すために用いた、一時的に天界と現界とをつなぐための道筋を意味している〔Blum, 18〕〔Acres, Alfred. "The Columba Altarpiece and the Time of the World". ''The Art Bulletin'', Volume 80, No. 3, 1998. pp.422 - 451〕。
マリアが着用しているローブははそれぞれのパネルで色が異なっているが、これにも象徴的な意味があり、白色、赤色、青色は、それぞれマリアが備えているとされる3つの伝統的なである、純潔、憐憫、忍耐を表している。白色は処女性を保ったままキリストを産んだことを、この祭壇画でもっとも多く使われて強い印象を与える赤色はキリストへの深い憐れみを、そして青色はキリストに再び出会ううまでの辛い日々を意味している〔Koch, 513〕。パネルの縁には細かく精緻な飾りがなされ、想像心に満ちたもののように見えるが、実は細部まで計算された強い象徴性を持ったものである。大理石の浮き彫りを模したかのような縁飾りは、聖書にしるされたキリストの生涯を物語性豊かに表現している〔。『ミラフロレスの祭壇画』はファン・デル・ウェイデン自身が描いた、洗礼者ヨハネをモチーフとした他の祭壇画と関連付けて議論されることがある。どちらの祭壇画にもアーチ状の縁飾りがあり、その縁飾りの基部は茶色に塗装された木製の扉のような外観を与えられている。小さなレリーフのような人物像が配置された幻想的な雰囲気を持ち、このことがそれぞれのパネルに描かれたモチーフの主題を強調するための役割を与えられている〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ミラフロレスの祭壇画」の詳細全文を読む




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