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フェミニストSF : ミニ英和和英辞書
フェミニストSF[ふぇみにすとえすえふ]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

F : [えふ]
 ファロー四徴(症)

フェミニストSF : ウィキペディア日本語版
フェミニストSF[ふぇみにすとえすえふ]
フェミニストSFサイエンス・フィクションのサブジャンルの1つで、社会における女性の役割を扱う傾向がある作品群を指す。フェミニストSFは、如何にして社会は性的役割を構成するのか、ジェンダーを定義する際に生殖能力が果たす役割、男女の政治的・肉体的力の不均衡といった社会問題を提起する。著名なフェミニストSFには、ジェンダーの差やジェンダー間の力の不均衡が存在しない社会をユートピアとして描き、フェミニズム的テーマを探究しているものもある。また、逆にジェンダー差が強調されたディストピアを描くものもある。いずれもフェミニストとしての活動継続の必要性を表明したものである。Elyce Rae Helford は次のように記している。

「サイエンス・フィクションとファンタジーはフェミニストの思想のための重要な媒体として、特に理論と実際の架け橋として役立つ。他のジャンルでは、フェミニズムの最終目標、すなわち性差別のない世界、女性の(科学への)貢献が認められ評価される世界、女性の性的欲求の多様性が認められる世界、ジェンダーを越えて動く世界、などを表現することはそれほど活発ではない」

== 文学 ==

女流作家サイエンス・フィクションファンタジーで重要な役割を演じてきた歴史があり、特にジェンダーをテーマとすることが多い。初期のSF作家の1人とされるメアリー・シェリーは『フランケンシュタイン』(1818年)で性と無関係な新たな生命の創造を扱い、アダムとイヴの物語の再話となっている。
フェミニズムの第一波の時期と重なる19世紀と20世紀初頭のユートピア文学運動において、女流作家は性差別をよく扱った。ベンガル地方ムスリムのフェミニスト Roquia Sakhawat Hussain が書いた ''The Sultana's Dream''(1905年)では、歴史改変的だが用語上は未来の世界で女性ではなく男性がヴェールで顔を隠す社会を描いて、性差別問題を指摘した。も、''Herland''(1915年)で単一の性しかない世界を描くことで性差別を指摘した。1920年代になると、や(筆名はフランシス・スティーブンス)といった作家が女性の視点で書かれたSF小説を出版し、時にはジェンダーや性別を扱った。一方、1920年代から1930年代にかけてのパルプ・マガジンの多くは女性を差別して男らしさを強調した観点の作品に溢れており〔Lisa Tuttle in 〕、それを微妙に風刺したのがの ''Cold Comfort Farm''(1932年)である。
1960年代には、SFは扇情的な題材と社会の政治的・技術的評論を結合させるようになっていた。フェミニズムの第二波の到来とともに、この「打倒し、精神を拡張するジャンル」〔Lisa Tuttle in 〕で女性の役割が問われた。特筆すべき小説として、アーシュラ・K・ル=グウィンの『闇の左手』(1969年)とジョアンナ・ラスの『フィーメール・マン』(1970年)がある。どちらもジェンダーのない社会を構築することで、社会によって構築された性役割の観点に焦点を当てている。この2人はSFにおけるフェミニスト批評のパイオニアであり、1960年代から1970年代にかけてのエッセイが ''The Language of the Night''(ル=グウィン、1979年)と ''How To Suppress Women's Writing''(ラス、1983年)にまとめられている。
マーガレット・アトウッドの『侍女の物語』(1985年)は、女性が体系的にあらゆる自由を奪われてきた社会を舞台としたディストピア小説で、1980年代のポスト・フェミニズム(バックラッシュ)による女権後退の可能性への恐怖が根底にある。オクティヴィア・E・バトラーは『キンドレッド 絆の召喚』(1979年)で、種とジェンダーの性質に関する複雑な疑問を提示した〔Sturgis, Susanna. Octavia E. Butler: June 22, 1947–February 24, 2006: ''The Women's Review of Books'', 23(3): 19 May 2006.〕。
1970年代になると、SFファンダムはSF文化自体の中でのフェミニズムと性差別という問題に直面することになった。ファンライターとしてヒューゴー賞を複数回受賞している文学部教授のらが、1976年のワールドコンで「フェミニスト・パネル」を開催しようとした際に大変な抵抗にあった。おたく的人々の中からフェミニストが出現したこともあり、間接的に女性版APA(アマチュア出版物連合)やWisCon(フェミニスト指向のSFコンベンション)が誕生することになった。
ジェンダー理解における社会構築主義の役割を探究するため、フェミニストSFを大学で教材にすることがある〔Lips, Hilary M. "Using Science Fiction to Teach the Psychology of Sex and Gender" ''Teaching of Psychology'' 1990, Vol. 17, No 3, pp 197-198〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「フェミニストSF」の詳細全文を読む




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