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ネイピア・セイバー : ミニ英和和英辞書
ネイピア・セイバー[ちょうおん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

ネイピア・セイバー ( リダイレクト:ネイピア セイバー ) : ウィキペディア日本語版
ネイピア セイバー[ちょうおん]

セイバー(''Sabre'' )は、イギリスネイピア・アンド・サン、以下ネイピア)で第二次世界大戦直前に開発され、大戦中に生産された航空機用液冷H型24気筒レシプロエンジン
フランク・ハルフォード(Frank Halford)による先鋭的な設計で、180度V型エンジンを上下2段に重ねて連結したH型構成とスリーブバルブ機構を採用した。同時代の同級機の中で突出した高回転・高出力志向を持ち、最終発展型では3500馬力(ps)以上もの高出力を達成した。
== 開発経緯 ==
セイバー以前の戦間期にネイピアは、スーパーマリン製のスピードレーサー〔1923年から1927年シュナイダー・トロフィー・レースに出場〕に搭載されたライオンなど、高出力エンジン分野での実績があった。
1920年代後半になるとW型構成のライオンは旧式化が否めず、同社はより高出力の後継機を計画し、類例のないH型構成を持つ16気筒のレイピア(Rapier)と24気筒のダガー(Dagger)を開発した。
H型エンジンは、水平型(水平対向ではなく、クランクピンが単一の180度V型)直列エンジンを上下に重ね、アイドラー(中間)ギアで各々の出力を合成するもので、航空用として一般的な空冷星型エンジンに比し、機体の高速化に重要なファクターである前面投影面積を大幅に縮小することができた。また原理的に回転バランスが良く低振動なため、高速回転による高出力化が期待された。
ただし構造が複雑化して製造・運用に困難が伴うこと、空冷では後方気筒の冷却が困難なことから通常水冷が採用されるところ、ネイピアは軽量化を名目にレイピア/ダガーシリーズを敢えて空冷にしたため、これらはオーバーヒートの問題に直面する羽目になった。
折りしも1927年、イギリスの内燃機関研究家ハリー・リカルド(Harry Ricardo)は、一般的なポペットバルブ方式〔カムシャフトと連動したプッシュロッドまたはロッカーアームと、リターンスプリングでバルブを駆動するもの〕は慣性質量過大で高速追従性に限界があり、高速化と共に体積効率も改善できる自らの新型スリーブバルブこそが、1,500 PS以上の次世代エンジンの実現の鍵になると論文で力説した。
リカルドとハルフォードは、ロンドン市内で隣り同士にエンジン設計事務所を構えるほど親交があり、リカルドがブリストル・エンジン社で新型スリーブバルブの実用化に着手した頃、ネイピアでH型のダガーを基に高出力エンジンを企画していたハルフォードにとって、高回転・高出力化を可能にし、全幅も縮小できるリカルドの新型スリーブバルブは福音に思えた。
スリーブバルブ・水冷・排気量37Lのセイバーの試作1号機は1938年1月に初火入れされ、当初1,350 PS未満に留まったが、その後3月には2,050 PS、7月までには先行量産型が2,200 PSに、同年末には2,400 PSに達した。この出力は当時世界最強級で〔セイバーの2年後の1940年に実用化したロールス・ロイスマーリン Mk.IIは1,000 PS強で、更に大排気量のエンジンでも1,200 PS程度であった〕、高回転型のセイバーは異例に甲高い排気音を発していた。
1930年代に航空用エンジンは日進月歩の勢いで発展し、次世代長距離大型機の実現には排気量1リットル当り60 PSを目標に掲げるべきとの意見も一部で強かったが、実際にはその後、気筒数増大・排気量拡張による高出力化が常套手段になり〔多くのメーカーは、モジュラー構造で気筒数増減が容易な空冷式星型エンジンに比重を移した〕、気筒単体での性能追求は開発の焦点から外されたため、最良値でも50 PS/L程度の単位出力に留まっており、結局セイバー以外に60 PS/Lを越えた航空用エンジンはなかった。〔当時の代表的大型エンジンプラット・アンド・ホイットニー R-1830は40 PS/L、セイバー同様に小排気量で高回転・高出力を志向した日本のでも50 PS/L前後であり、しかも無理な設計と低品質が災いして低信頼性や性能低下に悩まされている〕

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ネイピア セイバー」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Napier Sabre 」があります。




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