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ティブルのシビュラ : ミニ英和和英辞書
ティブルのシビュラ[ぶる]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

ブル : [ぶる]
 【名詞】 1. bull 2. (n) bull

ティブルのシビュラ : ウィキペディア日本語版
ティブルのシビュラ[ぶる]

ティブルのシビュラ(Tiburtina Sibylla) は、伝説上のシビュラの一人であり、その人物に仮託された予言書の仮題でもある。シビュラとは古代の巫女、女預言者のことであり、伝説上、10人いたとされるシビュラのうち、ティブルのシビュラはその名のとおり、ティブル (現ティーヴォリ)にいたとされる。彼女の予言をまとめたとされる書物は正式名を持たないので、『ティブルのシビュラ』あるいは『ティブルのシビュラの託宣』などと呼ばれることもある。ただし、伝説的な予言書である『シビュラの書』や、キリスト教において新約外典などに分類される『シビュラの託宣』とは、まったく別の文書である。もちろん、その作品は古代の権威ある巫女に仮託した偽書であって、「ティブルのシビュラ」は真の著者を指すものではない。オリジナルは4世紀に成立したと考えられているが、真の著者がどのような人物なのかは特定されていない。
ギリシア語版とラテン語版の2系統が伝わっている。もとは同一の底本から派生したと考えられており、基本的な骨格は一致するが、後代の加筆・改変の結果として、その内容にはかなりの差がある。ギリシア語版については、『バールベックの託宣』という別名を与えている研究者もいる。
== 成立 ==
『ティブルのシビュラ』の現存する写本はいずれも11世紀以降のものであり、正確な成立経緯が確定しているとは言いがたいが、ポール・アレクサンダーの推論などを軸に組み立てると、以下のようになる。
まず、4世紀に原本が(おそらくギリシア語で)成立した〔。根拠となるのは、いくつかの写本に見られるコンスタンティノポリスへの言及で、それが帝都の地位にある期間が60年とされていることにある。コンスタンティノポリスが首都となったのは324年のことで、それから60年以内(つまり、この予言の外れが確定する前)に作成されたと考えられるのである。
その直後、現在のラテン語版の祖型となるラテン語訳が作成された。このバージョンではシビュラが託宣を下した場所がアウェンティヌムの丘になっているが、もとはカピトリヌスの丘が舞台であったろうと考えられている。というのは、カピトリヌスは古来、ユピテル神殿でその名が知られていた丘であるのに対し、アウェンティヌムの丘は4世紀にはキリスト教聖堂などが建てられていたからである。つまり、こうした改変には若干のキリスト教化が意図されていたものと考えられている。この後、10世紀から11世紀にかけて大幅な加筆が行われ、いくつかのバージョンが成立した。
他方、現在伝わるギリシア語版の祖型は6世紀初頭にレバノンバールベックで作成されたらしい〔。時期と場所は、その内容からの推定である。まず、ラテン語版に比べると、舞台がカピトリヌスの丘とされるなどの古い要素を残しつつも、事後予言部分に大幅な加筆が見られる。その最も新しい情報が「アナスタシオス」、すなわち東ローマ帝国アナスタシオス1世(在位491年 - 518年)であり、彼が戦った対ペルシア戦争を読み取れることも時期を絞る上でのヒントになる。また、世界で最も大きい神殿や関連する地名への言及などから、バールベックの巨大神殿および周辺地域への土地勘があると推測されている。ポール・アレクサンダーが命名した『バールベックの託宣』の異名は、こうした推測に裏付けられたものであり、彼は502年から506年の間に、バールベックないしその近郊で成立したと位置づけた。
その後、アラビア語版や中世のフランス語版の写本が作成されており、現在までに発見されている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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