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スルト : ウィキペディア日本語版
スルト

スルト()〔は、北欧神話に登場する巨人。名前は「黒」〔Orchard (1997:154).〕または「黒い者」〔Simek (2007:303—304)〕の意。
『エッダ 古代北欧歌謡集』ラグナロクではムスペルの一族を率いてアスガルドを襲撃し〔『エッダ 古代北欧歌謡集』p.14(「巫女の予言」52節)。〕、世界を焼き尽くすとされている〔『エッダ 古代北欧歌謡集』p.25(「巫女の予言」訳注151)〕。
== 概要 ==
スルトがどのように生まれたのかは不明である。『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』第4章で語られるところでは、ムスペルヘイムの入り口を守る炎の巨人で、世界にまだムスペルヘイムとニヴルヘイムしかなかった時代から存在し、ムスペルヘイムの国境を守っていた。炎の剣を持っており、最後まで生き残りすべてを焼き尽くすという〔『エッダ 古代北欧歌謡集』227頁。〕。『古エッダ』の『巫女の予言』ではラグナロクの描写まで彼の名は出てこない〔『エッダ 古代北欧歌謡集』13頁。〕。また霜の巨人のように神々とからんで活躍することもない。
しかし剣の記述は『ギュルヴィたぶらかし』には見られるものの、『巫女の予言』では「枝の破滅」(火のこと〔『エッダ 古代北欧歌謡集』14頁での訳による。〕)を持って来るとされている。
いずれにせよ彼はラグナロクの時、神々と巨人との戦場に現れ、鹿の角で戦うフレイを倒す。(『巫女の予言』〔『エッダ 古代北欧歌謡集』14頁。〕、『ギュルヴィたぶらかし』第51章〔『エッダ 古代北欧歌謡集』276頁。〕による。)
『巫女の予言』にもスルトの描写の直後に、太陽のように輝く剣への言及がある。通常はこの剣が炎の剣だと解釈されている。しかしアイスランドの研究者シーグルズル・ノルダルはその著書 "Völuspá" (『巫女の予言 エッダ詩校訂本』)において、この輝く剣はかつてフレイが妻を娶る際に手放した剣であり、スルトが持ってくるのは炎(剣ではなく)とフレイの剣の二つだと推考している。ノルダルはさらに、失われた伝承として、昔話でよくある「○○だけが△△を殺し得る」というパターンがフレイとその剣にもあったのではないかという推測を述べている〔『巫女の予言 エッダ詩校訂本』243-244頁。〕。
『巫女の予言』にはまた、「スルトの親族が大樹を呑み込む」という文章がある。この「スルトの親族」については、ユグドラシルを呑み込まんばかりに大口を開けて迫る狼フェンリル〔『エッダ 古代北欧歌謡集』25頁、谷口幸男による注釈。〕だとも、ユグドラシルを炎上させる火焔〔『巫女の予言 エッダ詩校訂本』230頁、シーグルズル・ノルダルによる解釈。〕のことだとも考えられている。
自らが世界中に放った火によってスルトがどうなったかは不明であるが、『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』で挙げられた生存者の中には彼の名はない〔『エッダ 古代北欧歌謡集』279-280頁。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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