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シグナリングゲーム : ミニ英和和英辞書
シグナリングゲーム[ちょうおん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

シグナリングゲーム : ウィキペディア日本語版
シグナリングゲーム[ちょうおん]

シグナリングゲーム (: signaling game, : Signalspiel) は,送り手 (sender, Sender) と受け手 (receiver, Empfänger) という 2 人のプレーヤーによる動学ベイジアンゲームである.送り手は,自然によって決められたあるタイプ ''t'' をもっている.送り手は自分のタイプを観察できるが,受け手は送り手のタイプを知ることができない.送り手は自分じしんのタイプを知っていることにもとづいて,可能なメッセージ (シグナル) の集合 ''M'' = から送るメッセージを選ぶ.受け手はこのメッセージを観察できるが送り手のタイプについては観察できない.そのあと,受け手は可能な行動の集合 ''A'' = からとる行動を選ぶ.両プレーヤーは,送り手のタイプ,送り手が選んだメッセージ,および受け手が選んだ行動に依存した利得を得る.関連のゲームにスクリーニングゲームがある.そこではシグナルにもとづいて行動を選ぶのでなく,受け手が送り手に,送り手のタイプにもとづいた提案をなし,送り手が何らかの決定権をもつ.
シグナリングゲームは,クレプスの 1987 年論文〔Cho, I-K. & Kreps, D. M. (1987). “Signaling games and stable equilibria”. ''Quarterly Journal of Economics'' 102:179-221.〕で導入された.
== 概要 ==
大まかに言って,シグナリングゲームは次の 3 つの段階に分けられる:
# 第 1 段階では,偶然手番 (自然とも呼ばれる) によって,送り手のタイプが決定される.
# 第 2 段階では,送り手は,自分の利得を最大化するように,自分のタイプに応じてシグナルを決定する.
# 第 3 段階では,受け手は,送られてきたシグナルをもとに送り手のタイプを推測し,それに応じて最適反応を選択する.
=== 簡単な例 ===
大学教授が新しい職員を探しているとしよう.ここで教授は,筆記試験の添削の手伝いをしてもらうため,非常に勤勉な人物を求めている.応募者は学生で,教授のイメージに合致する成績の人物であったが,しかし教授には,この応募者が勤勉であるか怠惰であるか判定できない.これを判定するため,教授は部屋を用意し,数冊の雑誌が散らかった状態にして,そこで学生に待たせた.勤勉な学生ならば整理してしまうだろうと考えたのである.
* 第 1 段階で,自然によって確率 ''p'' で,この学生が勤勉であるかそうでないかが選ばれる.
* 第 2 段階で,学生は雑誌を整理するかどうかを決定することができる.
* 最終段階で,シグナルに従って応募者が勤勉であるか怠惰であるかが判断されたあとで,教授はこの学生を採用するかどうかの決定をする.
== 形式的定義 ==
プレーヤーのタイプの決定:
: プレーヤーは ''i'' で,''i'' は S (送り手) または R (受け手) とする.
: 偶然手番が送り手のタイプ ''tj'' ∈ ''T'' = を決定する (''J'' はありうる送り手のタイプの数).
行動の選択:
: S はシグナル ''mk'' ∈ ''M'' = を選ぶ (''K'' は S が送りうる異なるシグナルの数).
: R は応答行動 ''al'' ∈ ''A'' = を選ぶ (''L'' は R が選びうる異なる応答行動の数).
利得関数はそれぞれ ''U''S (''tj'', ''mk'', ''al''), ''U''R (''tj'', ''mk'', ''al'') である.
ゲームの進行:
: 第 1 段階で,自然 (nature, Natur) は,送り手のタイプ \hat t_j \in T を,確率分布 ''p'', ただし ''p'' (''tj'') > 0, ''p'' (''t''1) + … + ''p'' (''tJ'') = 1, に応じて選ぶ.
: 第 2 段階で,送り手 S は (自分のタイプ \hat t_j を知ったうえで) シグナル \hat m_k を選ぶ.
: 第 3 段階で,受け手 R は送られたシグナル \hat m_k を観察して応答行動 \hat a_l を選ぶ.
利得はそれぞれ U_ (\hat t_j, \hat m_k, \hat a_l), U_ (\hat t_j, \hat m_k, \hat a_l) になる.
== 費用のかかるシグナルとかからないシグナル ==
経済学生物学の両方において,シグナリングゲームの主要な使われかたのひとつは,どんな状況において正直なシグナリングがゲームの均衡になりうるかということを決定することであった.すなわち,どんな状況ならば,合理的な人びと,もしくは自然選択に従う動物たち,が自分のタイプに冠する情報を明かすだろうか.
(ゲームのプレーヤーの) 双方が一致した利益をもつ,言いかえるとどんな状況においても双方が同じ帰結を好む,ならば,正直が均衡になる (ただし,これらのケースの大半において, コミュニケーションの行われない均衡もあいかわらず存在する).しかしながら,双方の利益が完全には重ならないならば,情報を与えるシグナリング体系を維持することは重要な問題を提起する.
ジョン・メイナード=スミスによって描かれた,血縁個体間の譲渡に関する状況を考えよう.シグナルの送り手は飢えて死にそうであるかあるいはただ空腹であるかとし,その事実を,食べものをもっているべつの個体に対して伝えるとする.この空腹のほうの個体は空腹の程度によらずより多くの食べものを欲しているのだが,食べものをもっているほうの個体は,本当に飢えて死にそうである場合にかぎり食べものを与えたいと思っている.両プレーヤーは,シグナルの送り手が餓死しそうな場合には利益を共有しているが,たんに空腹にすぎない場合には相反する利害をもっている.シグナルの送り手は,空腹のとき,食べものの必要性に関して嘘をつき食べものを得ようとする誘因をもっている.そしてこの送り手がいつも嘘をつく場合,受け手は送られてくるシグナルを無視して,自分が最善と考えることをなすべきであろう.
このような状況において,どのようにしてシグナリングが安定でありうるかを決定することは,経済学者と生物学者を悩ませてきた.両分野は独立に,シグナルのコストが一定の役割を果たすだろうと示唆している.あるシグナルを送ることに費用がかかるならば,そのシグナルを (あえて) 送る価値があるのは,飢えて死にそうなほうにだけであろう.正直さを裏づけるためにコストが必要になるのはどんなときなのかという分析は,これら両分野において重要な研究領域である.
== 完全ベイズ均衡 ==
シグナリングゲームに関係する解概念完全ベイズ均衡である.完全ベイズ均衡は,ナッシュ均衡概念の不完備情報ゲームへの拡張であるベイジアン・ナッシュ均衡の精緻化である.完全ベイズ均衡は,不完備情報の動学ゲームにかかわる解概念になっている.

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「シグナリングゲーム」の詳細全文を読む




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