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キリマンジャロ : ウィキペディア日本語版
キリマンジャロ

キリマンジャロ() はタンザニア北東部にあるで、標高5,895m。アフリカ大陸の最高峰。山域がキリマンジャロ国立公園に指定されている。山脈に属さない独立峰としては世界一の高さを誇る。
== 概要 ==


東南約50km、南北30kmに広がった成層火山である。西からシラ峰(Shira、3962m)、キボ峰(Kibo、5895m) 、マウエンジ峰(Mawenzi、5149m)の3つから成る。南東部には巨大なカルデラがある。中央にあるキボ峰が最高峰で、頂上はスワヒリ語で「自由」を意味するウフル(Uhuru)と呼ばれている。これは1961年のタンザニア独立を記念して命名されたもので、ここにはタンザニア初代大統領ジュリウス・ニエレレの言葉が刻まれたレリーフがある。シラ峰とマウエンジ峰は死火山であるとされるが、キボ峰は休火山であるとされ、ここからガスが出ていることがあり、2003年の調査でマグマは頂上から400mの深さにあると推定された。約100万年前に噴火が始まり、最後の大噴火は15万年前から20万年前と推測されている。最近の火山活動は200年前に記録されている。
赤道付近にもかかわらず、キボ峰の頭頂部には、20世紀後期までレブマン氷河などの巨大な氷河が存在していた。最大のものはレブマン氷河(Rebmann Glacier)であるが、ほかにもアロー氷河(Arrow Glacier)、バランコ氷河(Barranco Glacier)、クレデナー氷河(Credner Glacier)、デッケン氷河(Decken Glacier)、東氷床(Eastern Ice Field)、フルトウェングラー氷河(Furtwängler Glacier)、ヘイン氷河(Heim Glacier)、ケルステン氷河(Kersten Glacier)、ペンク氷河(Penck Glacier)、ラトゼル氷河(Ratzel Glacier)、アーリグ氷河(Uhlig Glacier)といった氷河が存在する。近年は気候変動(降水量の減少など)にともなって規模が極端に縮小しているが、とはいえ、現在でも年間を通して氷雪を見ることができる。しかし、19世紀末に比べて2000年には氷河は12%にまで縮小し〔「キリマンジャロの雪が消えていく―アフリカ環境報告」p28 石弘之(岩波新書、2009)〕、1970年代に比べて2002年には氷河は半分以下になってしまい〔「朝倉世界地理講座 アフリカI」初版所収「自然特性と大地域区分」水野一晴、2007年4月10日(朝倉書店)p9〕、国連環境計画によれば「2020年までに完全に消滅する可能性がある」(2008年6月)とされている〔Press Releases June 2008 - Environmental Change Re-Draws Atlas of Africa - United Nations Environment Programme (UNEP) 2012年11月29日閲覧〕。この原因については、地球温暖化の影響によるものだという説と、降雪量の減少とともに常に山頂近くの気温が氷点下となっているため、山頂部の氷が直接昇華してしまい、消えていくといった地域的な要因によるものだという説があり、原因がはっきりと確定しているわけではない〔ニュース - 環境 - キリマンジャロの雪、十数年で消滅?(記事全文) - ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト(ナショジオ) 2012年11月29日閲覧〕。キリマンジャロの山頂付近の気温はこの100年で0.5℃しか上昇しておらず、このことが氷河減少が温暖化が原因のものではないとする論の有力な根拠となっている。それに対し、山頂付近の降水量はこの100年で20%以上の減少を示している〔「キリマンジャロの雪が消えていく―アフリカ環境報告」p30 石弘之(岩波新書、2009)〕。
キリマンジャロの「キリマ(kilima)」はスワヒリ語で「山」、「ンジャロ(njaro)」はチャガ語で「白さ」であり、全体として「白く輝く山」を意味するというのが通説だが、実は正確な語源ははっきりしていない。3つの峰の名前もチャガ語に由来するといわれているが、こちらも語源についても諸説挙げられている。マサイ人はこの山をンガジェンガ(神の家)と呼ぶ〔「週刊朝日百科 世界の地理107」p187 朝日新聞社 昭和60年11月10日〕。
キリマンジャロは、アフリカ大地溝帯の中に位置し、東リフト・バレーに属する。赤道からは350km南に位置し、タンザニア最大の都市で旧首都のダルエスサラームからは500km北西に位置する。キリマンジャロは独立峰であるが、南西70kmの地点に4562mのメルー山がある。南東の方向には標高2463mのパーレ山脈や、それに続くウサンバラ山地があり、インド洋へと続いている。北麓にはタンザニアとケニアの国境線が走っており、200km北北西にはケニアの首都ナイロビがある。北麓のケニア側は、リフトバレー州に属する。東側も山体から少し離れたところに国境線が走っており、ケニアの海岸州に属する。ここの国境の街であるタベタから8㎞北、両国の国境線上にチャラ湖があるが、この湖はキリマンジャロ山体の東端に位置する火山湖で、カルデラの内側にキリマンジャロから流れてきた地下水が湧き出して湖となっている。タベタの南には、やはり両国の国境線上に位置するジペ湖がある。この湖の水源もキリマンジャロの雪解け水であり、湖は西ツァボ国立公園に属している〔http://www.kenyarep-jp.com/tourism/park_southern_j.html 「国立公園・国立保護区 SOUTHERN REGION~ サザン地区」ケニア大使館HP トラベル情報内 2015年3月22日閲覧〕。
山全体がタンザニア領のキリマンジャロ州に属する。ただし、主要な山体はすべてタンザニア領であるが、北側のすそ野はケニア領となっており、ここにはケニアのアンボセリ国立公園などが広がっている。キリマンジャロ周辺には適度な雨があり、キリマンジャロの雪解け水などもあるため、南のタンザニア側からはパンガニ川、北のケニア側からはツァボ川などが流れ出している。パンガニ川が南から南東へ流れてインド洋へと注ぎ、ツァボ川はほぼ真東に流れてやはりインド洋にそそぐ。また、キリマンジャロ山体から直接地下に潜って伏流水となり、周辺地域で湧水となって湧き出す水も多く、北側山麓のケニア領アンボセリ国立公園には大きな湧水地があって周辺は湿地帯となっている。アンボセリの乾燥化が進む中、この湿地帯は拡大傾向にある。アンボセリの北は、キリマンジャロから吹き付ける乾燥した風によって降水量が少なく、ニーリ砂漠と呼ばれる砂漠に近い半乾燥地となっている。
キリマンジャロは標高が高いため高山気候となり、標高によって植生が違い、山頂部には氷河が存在する。山麓の標高1000mから1900mまではサバナであり、コーヒーなどのプランテーションや農地が拓かれている。その上、3000mまでは森林地帯であり、降雨量も最も多い。ほぼ3000mで森林限界となり、ここで樹林帯は途切れて草地やまばらな低木が広がるようになる。4400mで植生の限界となり、これ以上は砂礫や岩石のみが広がる。5500m以上は氷雪地帯であり、氷河が広がる〔「現代地図帳」三訂版 p43 昭和63年3月10日発行 二宮書店〕。氷河期には氷河の先端は3660m地点にまで達していた〔『新版アフリカを知る事典』p137(小田英郎川田順造伊谷純一郎田中二郎米山俊直監修、平凡社、2010年11月25日新版第1刷〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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