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VisiCalc : ウィキペディア日本語版
VisiCalc

VisiCalcは、世界初のパーソナルコンピュータ向け表計算ソフトである。それまでホビー用と考えられていたマイクロコンピュータをビジネスツールとして定着させるきっかけとなったソフトウェアである〔。6年間で70万本を売り上げた〔''Secrets of Software Success: Management Insights from 100 Software Firms Around the World'', ISBN 1-57851-105-4 (1999)〕。
==起源==
1979年、Personal Software 社(後のビジコープ)が Apple II 向けに発売した VisiCalc は、ダン・ブリックリン考案、ボブ・フランクストン設計、彼らの Software Arts 社開発によるものであった。これにより Apple II はホビースト向けの玩具から便利なビジネスツールへと変貌した〔. "The formal introduction of VisiCalc is scheduled for the National Computer Conference, being held June 4–7, in New York City."〕。IBM PC が登場する2年前のことである。
VisiCalcの一部は、メインフレームなどによるタイムシェアリングシステムで広く使われていた表計算プログラムに着想を得ている。例えば、International Timesharing Corporation (ITS) の Business Planning Language (BPL)、Foresight Systems の Foresight などがよく使われていた。ブリックリンは「VisiCalcを作り始めたころ、我々は様々な表計算プログラムに精通していた。実際、ボブは1960年代から Interactive Data Corporation で働いており、そこで表計算ソフトを使っていたし、私もハーバード・ビジネス・スクールで触れたことがある」と記している。しかし、それら初期の表計算プログラムは完全な対話型ではなく、パーソナルコンピュータ上で動作しなかった。
ブリックリンによれば、彼はハーバード・ビジネス・スクールで教授が黒板に金融モデルを書くのを見ていた。その教授が間違いに気づいてパラメータを修正しようとしたとき、表の中の大部分を消して書き直さなければならなくなった。これを見たブリックリンは、このような計算をコンピュータ上で処理する「電子式表計算」を思いついたのである。
ブリックリンはそのアイデアを指導教官や友人に話したところ、大半から「それは素晴らしいアイデアだ」と賞賛されたが、コンピュータに精通しているとある教授からは「そのようなソフトは既に大型コンピュータ向けに存在するのに、わざわざマイコン向けに作る必要があるのか」と否定的な見解を示されたという〔NHKスペシャル新・電子立国』第3巻「世界を変えた実用ソフト」(相田洋著、日本放送出版協会1996年)pp.40 - 42〕。ただその教授は、「一年上の学生にマイコンに詳しい人間がいるので相談してみるといい」として一人の人物を紹介する。それがPersonal Software社を経営するダン・フィルストラであった〔。
ブリックリンは当初、表計算専用のハードウェアを設計・製造して販売することを考えていたが、フィルストラは「わざわざハードを作らなくても、既に売れているハード向けにソフトを作って売ったほうが賢明だ」とブリックリンを説得し、当時既にベストセラーとなっていた Apple II 向けにソフトを作ることを勧めた。そこでブリックリンは友人のフランクストンと共同でSoftware Arts社を設立し開発をスタートさせた〔。1978年から1979年にかけての冬の2カ月間でVisiCalcを開発。当初16KBのメモリで動作することを目標としていたが、結局それは不可能であることが判明し、32KBで動作するものができた。テキストとグラフィックスの分離表示などの機能も考えていたがメモリ容量の都合で省くことになった。なお、メモリの価格が下落したためアップルは標準で48KBのメモリを搭載して出荷するようになったため、メモリ容量については問題ではなくなった。当初、カセットテープを記録用媒体としてサポートしていたが、それも間もなく省かれた。
VisiCalc はビジネスツールとしてのパーソナルコンピュータの有効性を示し、Apple II の躍進に寄与した。このことは、それまでPC市場を無視していたIBMがPC市場に参入する要因にもなった。Apple II 版の後、VisiCalc はAtari 8ビット・コンピュータPET 2001(どちらも Apple同様 6502プロセッサ使用)、TRS-80Z80プロセッサ)、IBM PCに移植された。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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