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Cray-2 : ウィキペディア日本語版
Cray-2[くれい つー]

Cray-2(クレイ ツー)は、1985年クレイ・リサーチ社が提供したベクトル型スーパーコンピュータである。リリース当時、世界最高速の座をNEC SX-2から取り戻した。Cray-2は1990年ETA-10Gにその座を明け渡した。
== 背景 ==
Cray-1の成功と同時に、シーモア・クレイは直ちにその後継機の設計に入った。1979年、大企業となったクレイ・リサーチの中で彼は絶え間ない雑事の割り込みに悩まされ、以前にもあったように管理職を辞任して新たな研究所を設立することにした。ミネアポリスCDCからウィスコンシン州チペワ・フォールズに移ったときと同様、クレイ社の上層部は彼の要望を理解し、コロラド州ボルダーの新たな研究所開設をサポートした。この新たなCray Labsで独立コンサルタントとして働きつつ、彼はチームをまとめて完全に新しい設計に取り組み始めた。この研究所は後に閉鎖され、10年後にコロラドスプリングスに新たな研究所が開設されることになる。
クレイは以前に高速化に関して3つの改良を同時に行うという問題に取り組んだことがある。(1)機能ユニット数を増やして並列性を増し、(2)高密度実装によって信号遅延を無くし、(3)各コンポーネントを高速化することによって全体のクロックを高速化する。このような設計の典型例としてCDC 8600がある。ECL技術で高速化した4台のCDC 7600を1m四方のサイズに詰め込み、8ナノ秒のサイクル時間(125MHz)で駆動した。しかし、このサイクル時間を達成するために必要な高密度実装のせいで、マシンは頻繁にダウンした。回路基板が稠密に実装されたため、一つのトランジスタの誤動作がモジュール全体の障害を引き起こし、基板上のトランジスタ数が多いために全体としての故障率が極めて高くなってしまったのである。
この問題の解決策として他の業者が既に採用していたのは、集積回路(IC)を使うことであった。各ICは自動化された製造プロセスによって複数の部品を組み込んだ回路を内部に構成している。ICが故障したら別のICに差し替えるのである。8600がデザインされた頃、単純なMOSFETベースの技術ではクレイが必要とした性能を達成できなかった。しかし着実な改良により、1970年代中盤にはCray-1で 12.5nsの速度(80MHz)で動作できるまでになった。実際、Cray-1 ではICによるサイズの低減効果で回路を 8600 よりも多く搭載でき、性能も若干向上した。
ICは進化し続けたが、ICの物理的な大きさは主に機械的な限界に制限された。つまり、部品としてのICを半田付けするためには、ある程度の大きさが必要だったのである。マイクロプロセッサの進化を見ればわかるとおり、そのような密度的な進化も可能なのだが、クレイが使っていたICの頃はIC自体の実装密度が低く(内蔵する回路が小さい)、改良は停滞期にあった。クレイが常に課していた目標である Cray-1 の10倍の性能を達成するには、マシンはさらに複雑化する。そのため、彼は再び 8600 の時のような解決策を採用した。すなわち、高密度実装によってクロックを倍にして、プロセッサ数を増やし、それによって発生する熱の問題に対処しようとした。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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