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蟇目鏑 : ウィキペディア日本語版
鏑矢[かぶらや]

鏑矢(かぶらや、希に蕪矢とも書く)はの先端付近のの根元に位置するように鏑(後述)が取り付けられた矢のこと。射放つと音響が生じることから戦場における合図として合戦開始等の通知に用いられた。
古くはユーラシア大陸に於いては、戦国時代の中原に於いて、荘子在宥篇に「嚆矢」の故事成語を成した話が記されている。また、北アジア草原地帯に於いて遊牧国家匈奴を大帝国に発展させた冒頓単于が、親衛隊に冒頓の射る鏑矢の向けられた先を一斉に射るよう厳命し訓練をほどこし、クーデタに成功した逸話が前漢期に匈奴と全面戦争を永年にわたって展開した武帝の時代に編纂された史記に語られる。
日本列島に於いては鎌倉時代には既に記述が見られる(保元物語)が、初期の頃は名称も定まっておらず起源、いつ頃から使われていたのかは解っていない。
==種類==
;鏑(かぶら)
:矢の先端に付ける武具の一種。大きさは全長で5cm前後から20cm前後まで大小様々で、円筒形、円錐形、或は紡錘形を基本とし、詳細な形状は一様ではない。矢への取り付けは基部から先端まで矢箆を貫通させ、先端から鏃を挿して固定する。中身が刳り貫かれており中空構造になっており、通常は割れが生じないよう数カ所糸で巻き締め固定し、仕上げにで塗り固めてある。材質はなど軽量で加工性の良い木材、かつては鹿角や竹根も用いられた。
;蟇目(ひきめ)
:引目とも書く。上記鏑に数カ所の穴を開けたもので、鏑と同様に矢箆を上下に貫通させ、状のもので固定する。正式な造りは4つ穴で、これを四目(しめ)と呼ぶ。これを矢の先端に取り付けた矢を放つと穴に空気が流入する事でのように音が鳴り、鋭い音を発する。蟇目の出す音がを払い場を清めるとされている。蟇目鏑とも言う。
;神頭(じんとう)
:矢頭とも書く。厳密には鏑とは別物だが、外見が鏑と似ている為、しばしば鏑と混同されがちである。古くから存在し、鏑に良く似ているが、中身が刳り貫かれておらず、また大きさも鏑より小さい。紡錘形から円錐形まで形状・大きさとも一様ではなく、材質は軽量、硬質な木材など、古くは海藻を乾燥させたものが使用された。鏃の代わりに矢に取り付け、射あてるものを傷を付けないよう、もしくは射砕く目的で使用される。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Kabura-ya (Japanese signal arrow) 」があります。



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