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強迫による意思表示 : ウィキペディア日本語版
強迫による意思表示[きょうはくによるいしひょうじ]

強迫による意思表示(きょうはくによるいしひょうじ)とは、他人の強迫行為によって表意者(意思表示を行った者)がなした意思表示をいう。詐欺による意思表示とともに瑕疵ある意思表示とされる。なお、強迫による意思表示は、他人の強迫行為のために表意者が畏怖を生じてなした意思表示を指すのであり、表意者に対して他人がなした強迫行為そのものとは異なる。
* 日本の民法は、以下で条数のみ記載する。
== 強迫による意思表示の要件 ==
# ある者が表意者に対して強迫行為をすること
#: 具体的には相手方への害意の告知である〔川井健著 『民法概論1 民法総則 第4版』 有斐閣、2008年3月、191頁〕。告訴告発は適法な行為ではあるが不当な利益を目的とするときは強迫となる(大判大6・9・20民録23輯1360頁)〔川井健著 『民法概論1 民法総則 第4版』 有斐閣、2008年3月、191頁〕〔我妻栄・有泉亨・川井健著 『民法1 総則・物権法 第2版』 勁草書房、2005年4月、155頁〕。
# 強迫行為により相手方を畏怖させること
#: 強迫行為をした者に故意(表意者に畏怖を生じさせて意思表示させようと意図)があることを要する〔川井健著 『民法概論1 民法総則 第4版』 有斐閣、2008年3月、192頁〕。
# 畏怖により相手方が意思表示を行うこと
#: ただし、強迫により意思の自由を完全に喪失していた場合には効果意思がないので無効である〔大刑判明39・12・13刑録12輯1360頁〕。この場合に表意者の保護のために民法96条1項による取消しとの二重効を肯定する学説もあるが、そもそも無効であるとみる学説もあり判例も強迫によって意思の自由を完全に喪失していた場合にはそもそも無効なのであって民法96条の適用はないとする(最判昭33・7・1民集12巻11号1601頁)〔川井健著 『民法概論1 民法総則 第4版』 有斐閣、2008年3月、192頁〕〔我妻栄・有泉亨・川井健著 『民法1 総則・物権法 第2版』 勁草書房、2005年4月、155頁〕。
# 目的・手段が不法であること
#: 目的・手段の点から意思表示をさせることが不法性を帯びる場合でなければならない(判例として大判昭4・1・23新聞2945頁、大判昭11・11・21民集15巻2072頁)〔内田貴著 『民法Ⅰ 第4版 総則・物権総論』 東京大学出版会、2008年4月、87-88頁〕〔川井健著 『民法概論1 民法総則 第4版』 有斐閣、2008年3月、192頁〕〔我妻栄・有泉亨・川井健著 『民法1 総則・物権法 第2版』 勁草書房、2005年4月、155頁〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「強迫による意思表示」の詳細全文を読む



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