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テミストー : ウィキペディア日本語版
テミストー
テミストー()は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してテミストとも表記される。ラピテース族の王ヒュプセウスの娘で〔アポロドーロス、1巻9・2。〕〔ヒュギーヌス、1、4、239、243。〕、アステュアギュイア〔シケリアのディオドロス、4巻69・3。〕、キューレーネーと姉妹〔シケリアのディオドロス、4巻81・1。ピンダロス『ピュティア祝勝歌』第9歌13~18。〕。通常、テミストーはボイオーティアの王アタマースの第3の妻で、アタマースとの間にレウコーン、エリュトリオス、スコイネウス、プトーオスを生んだ〔。あるいはスピンキオス、オルコメノスを生んだ〔ヒュギーヌス、1。〕。
== 神話 ==
アタマースはディオニューソスを育てたためにヘーラーの怒りで狂気し、息子レアルコスを殺し、イーノーメリケルテースの遺体とともに海に身を投げた〔アポロドーロス、3巻4・3。〕。アタマースはその後、ボイオーティアから追放され、アタマンティアーに居住し、テミストーと結婚した〔。
ヒュギーヌスによれば、テミストーはアタマースがイーノーと結婚したため、イーノーが生んだ子供たちを殺そうと考えたが、乳母にだまされて自分の子供たちを殺してしまった。そしてそのことを知ったテミストーは自殺した〔。
さらに別の話では、アタマースは妻イーノーが行方不明になったとき、死んでしまったと思ってテミストーと結婚した。しかしアタマースはイーノーがディオニューソスの秘儀に参加するためにパルナッソス山にいることを知って、密かに連れ戻した。テミストーはイーノーが戻ってきたことは知ったが、誰がイーノーであるかは分からなかったので、イーノーの子供たちを殺そうと考え、1人の女奴隷に打ち明けて協力させようとした。ところがその女性こそイーノーだったのであり、イーノーはテミストーが自分の子供に白い服を着せ、イーノーの子供に黒い服を着せるよう命じられたのを逆に着せた。このためテミストーは、黒い服を着ている子供たちが実は自分の子供だったことに気づかずに殺してしまい、その後で真実を知って自殺した〔ヒュギーヌス、4。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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