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クィンタ・エッセンチア : ウィキペディア日本語版
クィンタ・エッセンチア
クィンタ・エッセンチア(: quinta essentia)は、第五精髄とも呼ばれる。月下界の四元素(火・空気・水・土)のほかに天界の元素として想定された第五元素(アイテール、エーテル)が、月下の自然物の深奥に閉じ込められたものと考えられた。中世ヨーロッパのキミアの伝統で14世紀以降に発展した概念である。生命の秘密を握ると考えられ、これをもとに普遍医薬が得られるかもしれないと信じられた。
== 起源 ==

=== 蒸留術とアルコール ===
13世紀のヨーロッパでは、蒸留技術の向上によってワイン等からアルコール度の高い各種の「飲料」がつくられるようになった。これらは、血行をよくするなどの医薬的な効用から「生命の水」 aqua vitae などと呼ばれて、各地の修道院で修道士達によって製造・販売されるようになった。そのうち循環蒸留という技術が導入されるようになると、より純度の高いアルコールがえられるようになった。高純度のアルコールのもつ防腐剤や強壮剤としての効果は、当時の人々を驚かせた。とくに純粋アルコールは、火がつき燃えることから「燃える水」 aqua ardens などと呼ばれ、人々の常識をくつがすその存在は衝撃的でさえあった〔R. J. Forbes, ''Short History of the Art of Distillation'' (Leiden: Brill, 1948/1970)〕。
純粋アルコールの驚くべき燃焼・防腐・強壮作用を目の当たりにした中世の人々のなかには、「燃える水」のこれらの特性が天界を構成すべき第五元素のそれに比類されると考えた者たちがいた。そして、この「燃える水」は、天界の元素の一部が間違って地上に降りて、自然物のなかに閉じ込められたと理解されるようになった。そこから発展して、すべての自然物のなかには、天界の物質たる第五元素に比類する「精髄」(エッセンス)がふくまれていると考えられるようになった。この諸事物の深奥に秘められた星界の元素の痕跡は、第五精髄すなわりクィンタ・エッセンチアと呼ばれるようになった〔ヒライ「蒸留技術とイスラム錬金術」(キンドル版、2014年)〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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