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ひでり神 : ウィキペディア日本語版
魃[ばつ]

(ばつ、ひでりがみ)は、中国神話に登場する旱魃である。
特定の神の名ではなく、各地の山川に旱魃を起こす神がおり、それぞれにより姿も性質も異なる〔伊藤清司 著、慶應義塾大学古代中国研究会 編『中国の神獣・悪鬼たち 山海経の世界 増補改訂版』東方書店東方選書 2013年(初版 1986年) p.46〕。
== 女神としての「魃」 ==

女神の「魃」は、『山海経』の「大荒北経」に記述がある。もとの名は(ばつ)。黄帝の娘である。
黄帝が蚩尤と戦った際、蚩尤陣営の風雨を司る雨師風伯に対抗して、体内に大量の熱を蓄えている娘の魃を呼び寄せて対抗した。魃が雨を止めることで無事勝利を掴んだ黄帝であったが、魃は力を使いすぎて天へ帰れなくなっていた。
魃の力はそこにいるだけで周囲に旱魃をもたらす。彼女を処刑することもできないため、やむなく黄帝は彼女を赤水河の北方の係昆山へ幽閉した。しかし魃は時折中原へやってきて旱魃を起こすので、人々は「神よ、北へ帰りたまえ」と言って魃を帰すのだという〔〔。
一説によれば、本来の名の「妭」は美女の意味だが、人間に害をなすようになってからは、邪悪の意味をこめて部首のに変えられて「魃」の名が用いられ、これが「旱魃」の語源になったともいう。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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