翻訳と辞書
Words near each other
・ 2018年のスポーツ
・ 2018年の鉄道
・ 2018年アジア競技大会
・ 2018年コモンウェルスゲームズ
・ 2018年バレーボール女子世界選手権
・ 2018年バレーボール男子世界選手権
・ 2018年パンパシフィック水泳選手権
・ 2018年ワールドカップ
・ 2018年冬季オリンピック
・ 2018年冬季オリンピックの開催地選考
2018年問題
・ 2019 FIFA女子ワールドカップ
・ 2019 クリケット・ワールドカップ
・ 2019 ラグビーワールドカップ
・ 2019 ラグビー・ワールドカップ
・ 2019年
・ 2019年FIBAバスケットボール・ワールドカップ
・ 2019年W杯
・ 2019年のスポーツ
・ 2019年の鉄道


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

2018年問題 : ウィキペディア日本語版
2018年問題[2018ねんもんだい]
2018年問題(2018ねんもんだい)とは日本大学受験業界において用いられている言葉である。これは日本の18歳人口2018年ごろから減り始めるため、大学進学者数も減少し、その結果、多くの私立大学が閉校等の激変期を迎える問題である。1992年といった時期より以降は18歳人口は下がり続けていたものの、2009年頃までは大学進学率が伸び続けていたため18歳人口が減少しようとも大学進学者の人数は増え続けていた。そして18歳人口は2009年から2017年頃まではほぼ横ばいの状況が続くと見られている。だが2018年以降より18歳人口は減少する〔FACTA“「落ちこぼれ大学」死屍累々ランキング”ファクタ出版 pp56-58  feb.2018〕と推計されており、2018年以降の大学進学率は伸びないであろうと予想されていることから、2018年以降の大学進学者数は18歳人口の減少とともに下がるであろうというのが2018年問題というわけである〔2018年問題(にせんじゅうはちねんもんだい)とは - コトバンク 〕。
2018年を目前とし、各地の多くの大学では生き残りをかけて改革が進められるようになっている〔木村誠『消える大学、生き残る大学』(朝日新書)朝日新聞出版 2011年〕〔木村誠『危ない私立大学 残る私立大学』(朝日新書)朝日新聞出版 2012年〕〔安田賢治 『笑うに笑えない 大学の惨状』祥伝社新書 祥伝社 2013年〕。これは難関大学においても問題〔山崎徹、渡辺千鶴、井上久男『危ない大学-最高学府の耐えられない軽さ』(洋泉社mookデータでわかる日本の未来)洋泉社 2011年〕となっている事柄であり、難関大学であろうとも改革を行わないことには多くの志願者を集めることができなくなっている〔諸星裕『消える大学 残る大学―全入時代の生き残り戦略 』集英社 2008年〕〔諸星裕『大学破綻-合併、身売り、倒産の内幕』(角川oneテーマ21)角川書店 2010年〕〔諸星裕、鈴木典比古『「弱肉強食」の大学論 生き残る大学、消える大学』朝日新書 2014年〕。入試の選別方法に関しては、すでに2010年代前半時点で、文部科学省は多くの私立大学で推薦入学AO入試による入学者が多数となっていることから、多様な学生の確保というメリットの半面、入学者の学力にばらつきを生じさせているデメリットがあることを問題視してきており、今後、入学者の質の確保を目的とした学力試験「高大接続テスト」が求められるようになった〔文部科学省 中央教育審議会 高大接続特別部会 〕〔文部科学省 中央教育審議会 高大接続特別部会 「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(案)」2014.11.14 〕。さらに2018年以降は大学受験そのものも大きく変化をするということからも各大学には改革が求められている〔岩田雅明『生き残りをかけた大学経営戦略-大学、常夏の時代から氷河期へ』 ぎょうせい 2013年〕〔大学経営研究会/編 『大学業界大研究 (大研究シリーズ)』 産学社 2013年〕〔水戸英則『今、なぜ「大学改革」か? 私立大学の戦略的経営の必要性』 丸善プラネット 2014年〕〔島野清志『危ない大学・消える大学 2016年版』YELL books エール出版社 2015年〕。2020年より「大学入学希望者学力評価テスト」が実施され、各大学の入試の内容も学力のみでなく小論文面接討論などといった方法で選抜されるようになる。「大学入学希望者学力評価テスト」となったならば評価方法は一点刻みの点数でなく段階による評価となり、一点刻みの点数を元として合否を決めていた従来の入試ではなくなる。このことからも各大学にはアドミッションポリシーの明確化が求められるとともに、本質で勝負するということも求められるようになる〔サンデー毎日発:2018年問題を生き残る大学は「こう変わる!」 - 毎日新聞 〕。そして、その本質で学生を引き付けられなくなったため、定員割れとなっている「落ちこぼれ大学」には退場を命ずる設置基準の見直しが求められている〔FACTA“「落ちこぼれ大学」死屍累々ランキング”ファクタ出版 p58  feb.2018〕。
== 政府の文教政策 ==
上記のとおり、2018年頃を境にして、大きく日本の高等教育が変わることが予想されている。また、高校生を持つ家庭の世帯所得が年々低下している〔厚生労働省 「賃金構造基本統計調査」 〕ことから、高額化している私立大学学費を支払えないことにより、私立大学への進学が困難となることが見込まれる。さらに、団塊の世代が全て75歳となる2025年には、75歳以上が全人口の18%〔厚生労働省 「社会保障制度改革の全体像」(最終閲覧日:2016.1.29) 〕となり、認知症高齢者数が2025(平成37)年約700万人(高齢者約5人に1人)〔厚生労働省老健局高齢者支援課 認知症・虐待防止対策推進室「「認知症施策推進総合戦略〜認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて〜(新オレンジプラン)」について」平成27年1月27日(最終閲覧日:2016.1.29) 〕、要介護者数ともに激増し〔厚生労働省老健局高齢者支援課「厚生労働省における高齢者施策について」平成26年4月15日(最終閲覧日:2016.1.29) 〕、社会保障費・医療費の急激な増加などの社会問題が顕在化する2025年問題を抱えている。社会保障負担の増加が予算制約を生じるので、今までのように文教分野へ潤沢な予算配分できる政策の自由度は乏しいといえる。そのため、メリハリをつけた予算編成を行われる必要がある。この点、高校生の数が少なくなる少子化社会を迎えることとなる2018年問題を契機として、教育の格差是正(成人の学びなおしを含む)のため、国民一人当たりに普及が進んでいるスマートフォンパソコンを利用するなどICT通信教育を活用する放送大学が注目されている。そもそも、放送大学は、1999年(平成11年度第2学期)以降、放送大学における高大連携を推進しており、早期の職業教育〔高等学校学習指導要領解説 〕の観点から、人文社会科学関係科目の充実(元税理士試験委員等による講義開講)がなされ、既に14の高等学校と連携協力関係を結んでいる。満15歳以上であれば、誰でも、年二回無試験で学生募集され、入学金1万円払えば、選科履修生・科目履修生として入学することができ、2単位1万円という低廉な価格で法律科目、簿記をはじめ幅広い知識・教養を身につけ、意欲的に学習することができるようになった〔放送大学における高大連携への取り組み 〕。この流れを拡張し、現在では放送大学と国公私立大学短期大学との間で、単位互換協定を結んで多様な学習の機会が提供されるようにしていくこととなった〔放送大学 平成28年度 単位互換案内 〕。今日、放送大学単位互換協定締結大学数は、全大学・短期大学数1124校中358校(31.9%)となっており、単位互換協定締結大学数はさらに拡大発展される。
今後の政府方針としては、教育の格差是正のため、放送大学をより積極的に活用していくこと、また、並行して、大学に学部学生として在籍することなく,単位修得の積み重ねによって学位取得を可能にする制度である「単位累積加算制度」を有する大学評価・学位授与機構(2016年4月1日以降、「独立行政法人大学改革支援・学位授与機構」〔独立行政法人大学評価・学位授与機構法の一部を改正する法律(平成27年法律第27号)の公布・施行〕)を活用し、多くの国民(大学中退者の学び直し等を含む)が低廉な学費で学ぶ機会等を提供〔大学ポートレート 〕することで、2018年以降、日本全国で起こる定員割れ私立大学の閉校等の影響に対処することとなった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「2018年問題」の詳細全文を読む



スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.