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Zマシン : ウィキペディア日本語版
Zマシン[ずぃーましん]

Zマシン (ずぃーマシン、)は、アメリカ合衆国サンディア国立研究所が保有する核融合実験装置であり、2014年現在世界最強のX線発生装置でもある。世界各国で行われている核融合研究の主流とは大きく異なる、と呼ばれる物理現象を利用した実験装置であり、これによって発生させた強力なX線で物質を爆縮し、熱核兵器の内部と同程度の極度に高温、高圧の条件を作り出すことができる。この方法により、2003年3月には重水素燃料のみで核融合を達成している〔Pulsed Power at Sandia Laboratories: The First 40 Years - Anne Van Arsdall, SNL 2008 〕。
この装置はサンディア研究所のパルスパワープログラム (Pulsed Power Program)の一環を成し、その最終目的は慣性閉じ込め方式核融合(Inertial Confinement Fusion : ICF)プラントの可能性の実証とされているが、米国の核兵器備蓄性能維持計画(Stockpile Stewardship Program)〔剱持 暢子, 「米国の備蓄核兵器に関する一考察」, 防衛研究所紀要第13 巻第2号(2011年1月) 〕〔Second Z plutonium “shot” safely tests materials for NNSA - Sandia Labs News Releases May 11, 2011 〕の一環として、2006年から2007年にかけての大がかりな改造においてはエネルギー省(DOE)傘下の国家核安全保障局 (NNSA : Stockpile Stewardship Program を実行するために2000年に新設された機関)から多額の資金供給を受けている。
改造後はNNSAの下で臨界前核実験(Subcritical Experiment)を補完するための実験装置としても利用されており、2010年11月には最初の少量プルトニウム実験を実施して物議を醸している(この実験は、マスメディアなどでは臨界前核実験とは区別して「新型核実験」と呼んでいる)〔〔Latest Z machine experiment for NNSA advances stockpile stewardship mission - Sandia Lab News Dec 3, 2010
Z Machine Conducts Successful Materials Experiment for NNSA - NNSA Press Release Nov 22, 2010 〕〔米、新型の核実験 プルトニウム少量使用 「臨界前を補完、中国新聞ヒロシマ平和メディアセンタ2011年5月24日 〕。この新型核実験は、判明しているだけで今までに12回実施されており(2014年11月の時点、最新のものは2014年10月3日実施)〔米新型核実験 計8回に 昨年10~12月 2回実施を公表、中国新聞ヒロシマ平和メディアセンター2013年3月15日 〕〔米新型核実験は9月12日実施、中国新聞、2013年10月31日 〕、
NNSAの担当者は中国新聞の取材に対して「1回の実験で使用されるプルトニウムは8g以下」と答えている〔米が核兵器の性能を実験 特殊装置で昨年9月以来、中日新聞 2014年11月4日 〕。
2013年4月29日には、札幌市議会の金子快之議員がサンディア研究所を訪れ、Zマシンを見学している。案内した同研究所のパルスパワープログラムの責任者である Keith Matzen の「確かにプルトニウムの燃焼実験も毎日やっていますが、核兵器の開発とは全く関係ありません」「研究対象はプルトニウムだけではなく、あらゆる物質です」との説明に賛意を表し、「これは明らかに札幌市議会が抗議文を送るような施設ではありません。」との意見を表明している〔Japanese city councilor journeys to end furor over Sandia Z tests Sandia Labs News Releases May 23, 2013〕〔2013年05月01日 アメリカ訪問記(1)国立サンディア研究所を訪問しました。 金子ホームページ〕(札幌市はZマシンによる新型核実験に対して2012年10月3日にオバマ大統領への抗議決議を採択している〔「米国の新型の核性能実験に抗議する決議」平成24年(2012年)10月3日、札幌市議会 〕)。
2014年4月5日に朝日新聞は、Zマシンの日本の報道機関への初公開を伝える記事において〔「核なき世界」遠く 米、新型核実験機を公開、朝日新聞、2014年4月5日 〕、「研究所によると、実験では、X線は照射されず、核分裂反応も一切起きない。爆発に近い状態を再現しているわけではないという。」という証言を載せているが、これが事実であれば新型核実験の真相を示唆する情報であり、X線による爆縮ではなく、Zマシンによって行われている別の実験プロジェクトである、強力な磁場による金属ペレットの加速技術(20㎞/sまでの加速に成功してる)を用いて、経年劣化したプルトニウムの高温、高圧下での精密な状態方程式を構築することが新型核実験の実態である可能性が出てきた。このような方法が可能であることは、既に2001年のサンディア研究所のニュースリリースにおいて触れられている〔Magnetic field shocklessly shoots pellets 20 times faster than rifle bullet - Sandia Lab News Release February 21, 2001 〕。
Zマシンはニューメキシコ州アルバカーキカートランド空軍基地内にあるサンディア研究所の Area IV (または Tech Area IV)と呼ばれる拠点地域の建物番号983内に設置されている〔Sandia National Laboratories_New Mexico Facilities and Safety Information Document 〕。'')は、アメリカ合衆国サンディア国立研究所が保有する核融合実験装置であり、2014年現在世界最強のX線発生装置でもある。世界各国で行われている核融合研究の主流とは大きく異なる、と呼ばれる物理現象を利用した実験装置であり、これによって発生させた強力なX線で物質を爆縮し、熱核兵器の内部と同程度の極度に高温、高圧の条件を作り出すことができる。この方法により、2003年3月には重水素燃料のみで核融合を達成している〔Pulsed Power at Sandia Laboratories: The First 40 Years - Anne Van Arsdall, SNL 2008 〕。
この装置はサンディア研究所のパルスパワープログラム (Pulsed Power Program)の一環を成し、その最終目的は慣性閉じ込め方式核融合(Inertial Confinement Fusion : ICF)プラントの可能性の実証とされているが、米国の核兵器備蓄性能維持計画(Stockpile Stewardship Program)〔剱持 暢子, 「米国の備蓄核兵器に関する一考察」, 防衛研究所紀要第13 巻第2号(2011年1月) 〕〔Second Z plutonium “shot” safely tests materials for NNSA - Sandia Labs News Releases May 11, 2011 〕の一環として、2006年から2007年にかけての大がかりな改造においてはエネルギー省(DOE)傘下の国家核安全保障局 (NNSA : Stockpile Stewardship Program を実行するために2000年に新設された機関)から多額の資金供給を受けている。
改造後はNNSAの下で臨界前核実験(Subcritical Experiment)を補完するための実験装置としても利用されており、2010年11月には最初の少量プルトニウム実験を実施して物議を醸している(この実験は、マスメディアなどでは臨界前核実験とは区別して「新型核実験」と呼んでいる)〔〔Latest Z machine experiment for NNSA advances stockpile stewardship mission - Sandia Lab News Dec 3, 2010
Z Machine Conducts Successful Materials Experiment for NNSA - NNSA Press Release Nov 22, 2010 〕〔米、新型の核実験 プルトニウム少量使用 「臨界前を補完、中国新聞ヒロシマ平和メディアセンタ2011年5月24日 〕。この新型核実験は、判明しているだけで今までに12回実施されており(2014年11月の時点、最新のものは2014年10月3日実施)〔米新型核実験 計8回に 昨年10~12月 2回実施を公表、中国新聞ヒロシマ平和メディアセンター2013年3月15日 〕〔米新型核実験は9月12日実施、中国新聞、2013年10月31日 〕、
NNSAの担当者は中国新聞の取材に対して「1回の実験で使用されるプルトニウムは8g以下」と答えている〔米が核兵器の性能を実験 特殊装置で昨年9月以来、中日新聞 2014年11月4日 〕。
2013年4月29日には、札幌市議会の金子快之議員がサンディア研究所を訪れ、Zマシンを見学している。案内した同研究所のパルスパワープログラムの責任者である Keith Matzen の「確かにプルトニウムの燃焼実験も毎日やっていますが、核兵器の開発とは全く関係ありません」「研究対象はプルトニウムだけではなく、あらゆる物質です」との説明に賛意を表し、「これは明らかに札幌市議会が抗議文を送るような施設ではありません。」との意見を表明している〔Japanese city councilor journeys to end furor over Sandia Z tests Sandia Labs News Releases May 23, 2013〕〔2013年05月01日 アメリカ訪問記(1)国立サンディア研究所を訪問しました。 金子ホームページ〕(札幌市はZマシンによる新型核実験に対して2012年10月3日にオバマ大統領への抗議決議を採択している〔「米国の新型の核性能実験に抗議する決議」平成24年(2012年)10月3日、札幌市議会 〕)。
2014年4月5日に朝日新聞は、Zマシンの日本の報道機関への初公開を伝える記事において〔「核なき世界」遠く 米、新型核実験機を公開、朝日新聞、2014年4月5日 〕、「研究所によると、実験では、X線は照射されず、核分裂反応も一切起きない。爆発に近い状態を再現しているわけではないという。」という証言を載せているが、これが事実であれば新型核実験の真相を示唆する情報であり、X線による爆縮ではなく、Zマシンによって行われている別の実験プロジェクトである、強力な磁場による金属ペレットの加速技術(20㎞/sまでの加速に成功してる)を用いて、経年劣化したプルトニウムの高温、高圧下での精密な状態方程式を構築することが新型核実験の実態である可能性が出てきた。このような方法が可能であることは、既に2001年のサンディア研究所のニュースリリースにおいて触れられている〔Magnetic field shocklessly shoots pellets 20 times faster than rifle bullet - Sandia Lab News Release February 21, 2001 〕。
Zマシンはニューメキシコ州アルバカーキカートランド空軍基地内にあるサンディア研究所の Area IV (または Tech Area IV)と呼ばれる拠点地域の建物番号983内に設置されている〔Sandia National Laboratories_New Mexico Facilities and Safety Information Document 〕。
==Zマシンの物理学==

前述のようにZマシンはZピンチと呼ばれる比較的良く知られた物理現象を用いている。Zマシンの大部分はZピンチを発生させるための、ごく短い時間幅の大電力パルスを発生させるための装置群である。
Zピンチについて簡単に説明する。空間中に十分長い2本の導体線を平行に置き、これらに同じ方向の電流を通電すると、お互いが発生する磁場と電流の相互作用によって2本の導体線を近づける方向にローレンツ力が発生する。
今度は空間中に仮想的な円柱を考え(通常その中心軸をZ軸に一致させる)、中心軸に平行に円柱の側面上に等間隔で多数の導体線を置き、2つの底辺に円盤状の導体を電極として置き、これらを電気的に接続する(鳥かごのような構造を想像してもらいたい)。このような構造物はZピンチを利用する分野ではワイヤーアレイと呼ばれていて、実際に非常によく利用されている(Zマシンもこのワイヤーアレイを使用している〔Science – Z Pulsed Power Facility - SNL 〕)。
ワイヤーアレイの底面を構成する2つの電極に通電すれば、各導体線には隣接する導体線との距離を縮める方向にローレンツ力が発生する。各導体線を均等に電流が流れるのであれば、各導体線にかかるローレンツ力の合力は、円柱の中心軸に向かう同じ大きさ力となる。つまりZ軸の方向にワイヤーアレイ全体を絞るような力が発生するわけであり、このためこの現象はZピンチと呼ばれている。
導体線ではなく円柱の側面全体を薄い導体(ホイル)とした導体円筒を用いてもZピンチを発生することができる。後述する Saturn を用いて行われていた爆縮ホイル実験とはこのような導体円筒を用いたものである可能性があるが詳細は不明である。導体円筒の場合には円筒の高さ方向だけでなく円周方向にも電流が流れることができるため、ホイルに加わる力は不安定になり、中心軸に正確に向かなくなるため、結局うまくいかなかったものと想像される。その状況証拠として、Saturn が成功し始めたのは、後述するようにロシア側の情報に基づいてワイヤーアレイを採用した後であり、Zマシンは Saturn を踏襲して最初からワイヤーアレイを使用している。
現在 Zマシンで使用されている代表的なワイヤーアレイは、ヒトの髪の毛程度の太さのタングステン製またはスチール製ワイヤーを数十から数百本、直径数cm、高さ数十cm程度の円柱状に配置したものである〔〔 。ワイヤーアレイを真空中に置き、Zマシンの高エネルギー電力パルスにより瞬間的に大電流を通電すれば、ワイヤーアレイは通電した瞬間にプラズマ化し、各ワイヤーの残骸である線状のプラズマは、Zピンチにより中心軸方向の強い加速を受けて高速度 (ロサンゼルスからニューヨークまでの約3000マイルを1秒弱で飛ぶ速度と形容される。つまり約 5000㎞/s ということになる)で中心軸付近で衝突し、合体してスタグネーション(stagnation : 停留部)と呼ばれる鉛筆の芯ほどの太さの1本の線状プラズマになる。
このスタグネーションが衝突によるエネルギーで超高温となり、強力なX線を放射する。現在、Zマシンが放射するX線のピーク出力は350テラワット、全エネルギーは2.7メガジュール、ワイヤーアレイに通電されるピーク電流は26メガアンペアに達している〔。また、スタグネーションの温度は、2006年には20億ケルビン(20億°C)を超えている〔Sandia’s Z machine exceeds two billion degrees Kelvin Temperatures hotter than the interiors of stars 〕。
Zマシンは慣性閉じ込め方式核融合実験装置であり、Zピンチで発生したX線で、まず、 (hohlraum : ドイツ語で「空洞」の意) と呼ばれる小さな中空の円柱状コンテナを急激に加熱、膨張させ、それによって中に置かれた核融合燃料(重水素単独または重水素と三重水素)を密封した小さなペレットを圧縮する。このような方法を取るのは、核燃料の重水素と三重水素は原子番号が小さくX線を効率的に吸収しないからである(ZピンチによるX線は比較的エネルギーが低いので、物質による吸収は主に光電効果によるものとなる)。ホーラムの材料にはX線を効率的に吸収する原子番号の大きい物質が使われる。X線の発生方法によって、ペレットの爆縮方法には直接法と間接法がある。
直接法では、ペレットをホーラムに入れて、ワイヤーアレイの中心に置き、高速度の線状プラズマでホーラムに直接打撃を与え、その際に放出されるX線でホーラムを加熱、膨張させ、その圧力でペレットを爆縮する。従って本来の意味でのスタグネーションは発生しないことになる。
間接法ではスタグネーションを発生させて、そのX線で同様にホーラムを加熱、膨張させ、その圧力でペレットを爆縮する。このときペレットとホーラムはどの位置に置かれているかは公開資料からははっきりしないが、ワイヤーアレイの下に、ワイヤーアレイの中心軸とホーラムの中心軸を一致させた形で置くか、あるいはこの下にさらに同じ中心軸を持つワイヤーアレイを置いてホーラムを2つのワイヤーアレイでサンドイッチにする(ダブルエンド型)ことを示唆するイラストがある〔〔高杉恵一、「Zピンチの物理と展望―自己収縮する系の再認識―」、日本大学量子科学研究所 〕。
これらの方法による加熱で、ホーラムの温度は1.8メガケルビン (180万度)に達している〔〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「Zマシン」の詳細全文を読む




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